2.26事件が起こった理由(DVDで「さゆり」を観た。多分ネタバレ。)
昭和11年2月26日に、2.26事件という名前の事件が起きた。
東北出身の将校や兵隊が、自分たちの村が飢餓で苦しんでいて、
妹たちが売られているのは政府がいつまでも貧しい農村を顧みず、
贅沢をしているからだと考え、クーデターを起こし、政治家や周りの
人を殺害した。クーデターで、政府の人間を殺したので、全員裁かれ
て死刑になったが、兵隊たちは上の人間に丸め込まれたからという
ことで死刑にならず、中国の前線に送られて死んだ。全員死んだの
ではなく生き残って落語家になった人もひとりいたそうだ。
陸軍の一部の派閥の人間が大量に死刑になっていなくなったので
東条英機の派閥が力をもってきたのだそうだ。2.26事件をきっかけに
議会よりも軍の力が大きくなっていったそうだ。
http://homepage3.nifty.com/yoshihito/niniroku.htm
DVDで「さゆり」を観たんだけど、突っ込みどころ満載(まんさい)で、
気になって気になって、ストーリーに心が入って行かない。
ちょうど、この辺の時期に東北地方はすごく貧乏で、本当に娘を売って
いた。中には器量が良いので置屋に買われるさゆりみたいなラッキーな
少女はいたかもしれない。
普通なら、当時の東北の貧乏な少女を芸者の置屋が買う訳が無いと思う。
たしか、置屋は将来、自分のところの跡継ぎになりそうな少女を見つけたら
相手の家に頼み込んで大切に自分の娘のように育てるのでは
なかったかな?
芸者の見習いに芸を習わせるのは、大変なことなのだ。
お稽古に通わせるだけでも、お金がかかるし、器量と才能が無い少女を
いくら勉強させても、向き不向きがあるだろうと思う。
芸者は、お客さんに酒の席を楽しくさせるための
エンターテイナーで、年を取っても歌と話術で生きていけるのではないか?
吉原の高級娼婦とは違うと思うが、昔は似たような
ものだったのだろうか?この映画では、まるで芸者とは芸が出来る娼婦だ。
舞妓さんと芸妓(げいこ)さんと、芸者と吉原の娼婦をごっちゃにしている
ような気がする。
わたしもよく分からないので、違いを言えないが、とにかくさゆりは
この映画では、気持ち悪い創作ダンスを踊る売春宿の娼婦だ。
DVDで「さゆり」を観て、細かい所しか突っ込みを入れられない自分に
ちょっとびっくり。芸者さんのことは、ほとんど知らないのだ。
当時あった売春宿のこともしらない。映画で吉原を扱ったものがあったが、
テレビで部分的に観ただけなのでよく分からない。
当時の売春婦はなかなか脱走できなかったのかな?とは思うぐらいだ。
金で買われた売春婦でも、借金を払えば卒業できるはずなんだけどな。
「さゆり」は、ずっと芸者から普通の奥様になれなかったということに
なっているけど、そうじゃないだろと思っている。普通の日本人の芸者の
知識もアメリカ人並みみたいで、多分どこが間違っているのか、
指摘できないから「あ~。そうなんだ~。」で終わってしまうと思う。
日本文化に関する間違いは多すぎて、ずっと笑えた。
特に笑えたのが、冬なのに風鈴が出て来て、なぜか呼び鈴としてお客さまが
「ちりり~ん」と風鈴を鳴らしている所。
さゆりの子供時代の場面で、さゆりが神社でお賽銭を賽銭箱に投げ入れた
後で、ひもを引っ張ったら鈴が「じゃらんじゃらん」と鳴らずに除夜の鐘のような
音がしたこと。「ご~ん。」って、それはないだろ。
バックミュージックに津軽三味線の曲が流れているのも違和感があった。
芸者の三味線の曲と、津軽の曲は違うだろう。
まだまだあるけど、これから観る人の楽しみを奪うといけないので秘密。
でも、「SAYURI」の細かい部分の間違いを全部ブログに書いてみたくて
うずうずしている。
許せないのが芸者の髪型と踊り。むちゃくちゃだよ~。着物もしわしわだし。
襟が大きくて、半襟も大きい。
あんな変な映画は、中国人が主役で良かったし、中国人は観なくても
いいと思った。アメリカ人の喜びそうな障害のあるラブストーリーという
意味では面白い。障害の無い恋って、面白くないもの。
気になるのが、取り残されたアメリカの将校。あれはあんまりだよ。
でも、チャン・ツィイーは可愛いし、少女役も可愛いし、渡辺謙は魅力的
だったし、アメリカ人になりきって観ると大丈夫。
桃井かおりと工藤由貴も重要な役で出ていたので嬉しかった。
中国人は中国人なまりの英語で、日本人は日本人なまりの英語で出て
いたので、変な感じだった。アメリカのお遊びに中国人と日本人も参加して
あげましたって感じだね!逆にアメリカ人の日本のイメージって、こんな
のかと分かって面白かった。アメリカの進駐軍が出てくる場面がリアルな
ように感じられた。(見たことは無いけどね。)