自分が完璧だと思っている人 | 日本のお姉さん

自分が完璧だと思っている人

完璧な人間など、どこにもいない。それでも、自分が完璧だと思っている


人間はいる。きちんと何でもこなせて、バリバリ仕事が出来ると自分で


思っている人間ほど、出来ない人間を軽蔑しているものである。


「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂(いなほ)かな。」ということわざがある。


自分ができる人間だと考えている人は、弱い人間や能力の低い人間を


理解できず、時々それを顔や口に出して、他人をあざける。


いろいろ経験してくると、人間とは完璧では無いということが分かってきて、


どんなダメ人間にも良いところがあるし、どんないい人にも欠点があると


いうことに気が付いてくる。自分だって、完璧ではないということが


分かってくる。そうなると、他人の能力の無さや弱さも理解できるように


なって、ちょっと優しくなるのである。会社の同じフロアーの女子は健康に


気を使う方で、毎日弁当を持参でくるし、毎日お椀にパックのみそ汁に


乾燥わかめをたっぷり入れて飲んでいる。


会社では濃い緑茶を一日3杯以上とっているし、他にもルイボスティー


(南アフリカのミネラルたっぷりの木の皮のお茶)を飲んでいるし


どくだみやハブ茶など数種の薬草が混ざった健康茶も飲んでいる。


この女子は滅多に風邪をひかない。以前、わたしが風邪をひいているのに


会社に出て来たとき、更衣室で辛そうにしていると、この女子がやってきて


「健康管理がなってないんですよ。」と、さらっと言った。


風邪でぐったりしていたので、「年下のくせに偉そうに言うな!」と、言い返す


元気もなく黙っていたが、その女子も風邪をひいて会社を休んだことが


あった。普段、健康管理をしている女子だって風邪をひくときはひくようだ。


自分だって風邪をひくじゃないかと、イヤミのひとつでも言いたかったのが、


自分もいつまた風邪をひくのかわからない身なので、それは言えなかった。


普段から「わたしが一番会社で良く働いている。」などと、大声で自信過剰な


ことばかり言っている女子で、年下の女子には会社の台所の備品の事まで


偉そうに命令して嫌われている。自信があるのは結構だが、その女子だって


たまに寝坊して会社に連絡もなく出社してこなかったりする。


上司が電話するとやっと起きて遅刻してくる。そんなに威張れるほど完璧


でもないのだ。自分もいつも完璧ではいられない人間なんだから、あまり


他人を普段からバカにするのは良くないと思う。


一度、自分が上司に頼まれた嫌な仕事をわたしに振ってきたので注意


したら、事務所の男性陣の前で大声で逆らってきた。その時はわたしも


負けじと大声で、自分の頼まれた事は自分でとしろと言うことができた。


その時は、「わかりましたよ!すればいいんでしょ、すれば!」と捨てゼリフ


を吐いて嫌な仕事をするにはしたが、結局は年下の女子に仕事を押しつけ


ていた。それ以来わたしには心をぴったりと閉ざし、顔も見てくれないし、


会社の外で会っても挨拶もしない。わたしも注意をするのが面倒になった


ので好きにさせている。年下の女子には、あいかわらず偉そうに細かいこと


まで命令している。わたしはもうその女子を教育する気がない。注意しても


聞かない人間に無駄な力を遣いたくない。完璧な人間はいないから、お互い


にあまり偉そうに細かいことまで命令したり束縛したり、バカにしたりしては


いけないのだと思う。相手が成長することを願って、相手の間違いを愛を


持って忠告するのは、別の話だ。


自信過剰なその女子は、会社の仕事はやることはやっているようだ。


一緒に金儲けをする仲間たちなのだから、あんまり能力が無さ過ぎて


会社の利益を損ねるような事がたびたび発生する等の問題が無い限り、


なるべく和気藹々(わきあいあい)と仕事ができればベストであると思うのだ。