次期日本代表監督
千葉のイビチャ・オシム監督(65)が25日、次期日本代表監督への就任に前向きな姿勢をみせた。欧州の滞在先で監督就任問題について初めて口を開き、千葉との兼任ではなく、代表監督に専念したい意向を示した。すでに日本サッカー協会との交渉では、日本人の代表監督を育成するために日本人アシスタントコーチの入閣も希望している。なお、日本サッカー協会の田嶋幸三技術委員長(48)は、26日に渡欧し、オシム監督本人と本格的な交渉に入る。
オシム監督が、ついに日本代表監督への就任問題について口を開いた。25日、クロアチアのスポーツ紙スポルツケ・ノボスティの単独インタビューに答え、就任に向けた具体的な条件面などを詰めていることを明かした。「日本協会から(06年の)年末まで千葉と兼任という話をもらっているが、代表監督というのは非常にシリアスなもの。兼任はできない」と代表に専念する意向を示した。
5月下旬に日本協会の田嶋幸三技術委員長から直接オファーを受けた。旧ユーゴスラビア代表監督の経験から監督業の重みを知る指揮官は、W杯を戦うジーコ監督の気持ちに配慮。日本協会側には監督人事については口外しないよう求めた。そうした中、日本協会からは2010年南アフリカ大会までの4年契約の提示をされたが、それを固辞。「2年契約に2年のオプションを付ける形がいい。協会が自分の仕事に満足するか分からないし、そちらの方がお互いにとっていい」と長期保証を断り、まずは最初の2年間に全力を注ぐ。さらにスタッフについては「日本人のアシスタントコーチをつけてほしい。そろそろ日本人が監督をやる時期がきているから」と日本人代表監督の育成を見据えて、日本人コーチの入閣を要望。北京五輪代表監督への就任が決定している反町康治氏(42)らの入閣が有力だ。
千葉の淀川隆博社長(55)は25日、「本人の意思を尊重するが、日本のためなら応じなければいけないのかと思う」と語り、オシム監督自身の気持ちを踏まえた上で代表監督就任を容認する意向を示している。千葉の後任監督には、オシム監督の長男アマル・コーチ(38)の昇格が濃厚。アマル氏はボスニア・ヘルツェゴビナのゼレズニチャルを率いた02年にはUEFA杯出場の経験もあり、若手育成に関する評価は高い。
田嶋技術委員長は、26日に最終交渉のため渡欧。日本協会がオシム監督の条件を受け入れれば、交渉はすんなりまとまる可能性が高い。5月末と今月中旬の2度の交渉で、金銭の話は一切なかったというオシム監督。金銭面より人との信頼関係を大切にする名将は、あくまで日本サッカー界の将来を見据えて就任を引き受ける考えだ。
[ 6月26日 6時4分 更新 ] |
http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=sports&d=20060626&a=20060626-00000007-spn-spo
サッカー日本代表のジーコ監督は26日、都内で会見を開き、代表監督からの退任を発表した。会見に出席したジーコ監督は「およそ4年間の任期を全うできてよかった。悔いはまったくない」と現在の心境を語った。また、「世界の強豪国を相手にしたときでも自信を持って試合に臨むことができるようになったと思う」と日本代表チームの成長を振り返る一方で、「90分間を通して、コンスタントに力を出せるようになる必要がある」と今後の課題にも触れた。自身の今後については「ブラジルに戻って仕事をする。欧州のクラブで監督をやるという目標も持っている」と話した。
ジーコ監督は2002年7月にトルシエ前監督の後任として代表監督に就任。2004年アジアカップでは、アウエーでの厳しい戦いを制して大会連覇を達成した。2006年ワールドカップに向けたアジア地区最終予選では、イラン、バーレーン、北朝鮮と同グループとなったB組を5勝1敗で首位通過。32カ国中で最も早く予選突破を決めたが、本大会ではグループリーグ3試合を1分け2敗で終え、決勝トーナメントへ進むことはできなかった。
なお、日本サッカー協会は、ジーコ監督の後任として、現在Jリーグのジェフ千葉を指揮するイビチャ・オシム氏と交渉を進めていることを先日明らかにしている。今後の日本代表は、8月16日に国内でイエメン代表とアジアカップ予選を戦うことが決まっている。
[ 6月26日 18時32分 更新 ] |
http://wc2006.yahoo.co.jp/hl?c=event&a=20060626-00000023-spnavi-spo
サッカー・ワールドカップ(W杯)ドイツ大会1次リーグで敗退した日本代表のジーコ監督は26日、東京都内で退任の記者会見を行った。ジーコ監督は「責任を持って決断するという責務を全うした」と監督としての4年間を振り返るとともに、今大会について「自分の持てる知識を選手に託し、戦った。恥じることはない」と強調した。終始淡々とした表情。「どんな強いチームにも気後れしない自信を植え付けることができた」と自負をのぞかせる一方、1分け2敗に終わった結果については「体格の違いを強く感じた」と述べ、世界と戦うには体格差を埋める努力が必要だと力説した。
ジーコ監督は91年に来日し、住友金属(鹿島アントラーズの前身)に入団。93年にスタートしたJリーグで活躍し、94年に引退後も鹿島などで総監督を務めた。2002年W杯日韓大会後、トルシエ監督の後任として代表監督に就任。通算成績は38勝15分け19敗。
日本でのサッカー生活に区切りをつけたジーコ監督はいったん、ブラジルに帰国。今後、欧州のクラブ監督就任を希望しており、申し出のあったクラブと交渉を行うという。【村田隆和】
◇ジーコ監督との主な一問一答は次の通り。
――オーストラリア戦での選手交代は適切だったのか。
選手が自分の意図通りに動いて、勝った試合もあればそうでない試合もあった。サッカーでは同じシチュエーション(状況)は起こりえず、あの(試合の)時点では適切な判断だったと思う。
――W杯のさい配に後悔はないか。
反省はまったくない。監督は試合の中で瞬時に判断を下さないといけない。私は自分のさい配で結果が出なくても選手の責任にしたり、言い訳をしたことはない。仮に、第三者から「お前が悪かった」と言われれば甘んじて受ける。
――W杯でのさい配を自己採点すると。
日本代表の監督としてW杯のピッチに立てたのは大きな喜びだった。難関を乗り越え、世界32チームの一員として出場できる自分はなんて幸せなんだろうと思った。結果は出せなかったが、自分の持てる知識をすべて出して戦った。
――日本サッカー界に残したものは。
どんな強い相手に対しても自分たちのサッカーをやれば勝てるんだという自信を植え付けられたことだ。主役である選手が自信を持ってプレーできるよう手助けしてあげるのが、監督の役割だと思う。
――W杯でアジア勢がすべて1次リーグ敗退したことについて。
非常に残念だが、やはり力の差があった。経験豊富な監督を招へいしたからといってチームは強くならない。選手のメンタル面やフィジカル、技術など個々の資質を上げて、欧州勢との差が開かないような作業をしていかないといけない。
サッカーは芸術であり、最近のパワープレーの勝負は快く思わないが、どうしても体格差で踏みつぶす戦いは続く。勝てる勝負も、体格差で負けるようなことが続かないように心から祈る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060626-00000114-mai-spo
高さ、体の強さに屈した-。日本代表のジーコ監督(53)が26日、東京・本郷のJFAハウスで退任会見を行った。惨敗したW杯を振り返り「高い相手に、勝ち点3のかかった真剣勝負では持ちこたえられなかった」とコメント。高さ対策を行ってきたが1試合を通して通用しなかったことを認めた。また、10年南アフリカ大会へ向け、腰回りを中心に下半身を鍛えること、さらに若年層から徹底的にフィジカルを強くしていくことを提言した。W杯3戦を通じてジーコ監督が痛感したのは、日本と相手との体格の違いだった。退任会見では、体格に関する話題を中心にW杯を総括。上背もそうだが、腰回りを中心とした下半身の強さが日本に足りなかったと指摘した。
1点を先制したオーストラリアとの初戦では、後半に入って日本の最終ラインへ徹底してボールを放り込まれた。日本の弱点である「高さ」と体力差を徹底的に突かれた。
ジーコ監督「高い相手に、勝ち点3のかかった真剣勝負では持ちこたえられなかった。試合後に宮本ととも話したが、これまでとはまったく違うところ、ふくらはぎが疲れたと言っていた。相手のバランスを崩すためジャンプを異常な回数繰り返して負担がかかったのだろう」。
オーストラリアのシンプルな戦術に、日本は耐えきれなかった。それが、初めてW杯で指揮をとったジーコ監督には想定外の出来事だった。
ジーコ監督「(体格差を埋めるため)4年間を通じてベースづくりをしてきたがうまくいかなかった。ノウハウを持ち込んだが、できなかった。それが残念だ」。
体格、体力で勝てないため、練習では空中戦で相手をフリーにさせない体の寄せ、リスタートを与えない自陣での不用意な反則の撲滅を徹底してきたが、現実は厳しかった。
ジーコ監督は打てる手を打った上での完敗を認め、今後の日本サッカーへアドバイスを送った。それは「若いころから体を鍛えること」だった。ブラジル代表のロナウジーニョ、カカらの名前を出し「最初は細かった。ベースを鍛えることで体つきが変わった」という。ロナウジーニョは10代でプロ契約後、所属クラブの徹底した食事療法などで体を大きくした。クラブレベル、代表レベルの選手強化では、日本はまだまだ後進国。体の強いサッカー強豪国からノウハウを学び、若年層から徹底的に体を鍛えていくよう忠告した。
ジーコ監督「芸術的なサッカーで勝つ方がいいが、これから体格差で踏みつぶされる。そうならないように祈っている」。
日本の良さであるアジリティー(俊敏性)を生かすには、まず体の強さを身につけさせることを力説。4年間の指導経験を踏まえ、たどりついた結論は、きわめて現実的な基礎体力の強化だった。
http://topics.sports.livedoor.com/article/detail-3637273.html