マラッカ海峡は日本にとっても大事な場所だ。
政府は6日までに、政府開発援助(ODA)を使ってインドネシアに対し、マラッカ海峡のテロや海賊対策のための巡視船を無償供与することを決めた。早ければ今月中に閣議決定する。
巡視船は、防弾用に装甲を強化するため軍用船舶とみなされる。しかし、平成16年12月の官房長官談話で、テロや海賊対策の場合には「個別に検討する」と武器輸出3原則の例外扱いにすることが可能になっており、ODAで武器を供与する初のケースになる。
政府は巡視船供与にあたっての条件として、(1)テロ・海賊対策に用途を限定する(2)日本の同意なしに第三国には移転しない-ことをインドネシア政府と合意した。
マラッカ海峡は、年間5万隻もの大型タンカーや貨物船などが通航しており、日本にとっては原油輸入先の中東地域とを結ぶ重要な海上交通路となっているが、世界有数の海賊多発海域としても知られている。
平成11年10月にインドネシア沖で貨物船「アロンドラ・レインボー」が海賊に襲われ、日本人2人を含む乗組員17人が監禁されたほか、17年3月には日本船籍の「韋駄(いだてん)」がマラッカ海峡