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★BTCの完成
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(???)
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!
RPE北野です。
米ロ冷戦がつづいていることを、ず~とお伝えしています。
アメリカの戦略の基本は、ドル基軸通貨体制防衛と資源確保。
アメリカと今ケンカしている国は、例外なく資源大国であり、なおかつ
ドル体制に反逆しています。(だから核兵器保有を宣言している北朝
鮮にはあまい)
さて、アメリカにとってのロシア。
ロシアのプーチンさんは賢くて、首相時代の99年10月から、「ロシアの
石油をユーロ建てで売りたい」といっています。
また、5月10日の年次教書演説で「ルーブルが取引通貨の石油・ガス
・その他商品の取引所を組織する」と明言しました。
これはドル体制への明らかな反逆。
ロシアは超資源大国。
しかも、アメリカの最終ターゲット中国に武器と石油を供給している。
アメリカが覇権を維持するためには、中東を支配し、ロシアにエリツィン
時代のような傀儡政権を樹立し、最後に中国を民主化しドル体制から
離脱しないようにさせる。
「なんだか非現実的ですね~。アメリカにそこまで力があるのですか?」
疑わしいですね。
でも、貫徹できなくてもいいのですよ。
いけるところまでいけば。
「は?どういうことですか?」
国が滅びたり没落する理由は二つしかないのです。
一つは他国から攻められる。(例、アメリカに原爆を落とされた日本)
もう一つは、経済的な理由。(例、ソ連)
アメリカの軍事費は50兆円。
一国で世界の総軍事費の約50%を占めている。
アメリカは、決して他国からの攻撃で滅びることがありません。
没落するとしたら、財政赤字と貿易赤字が理由で、ドルの信用がな
くなり、基軸通貨でなくなること。
すると、ドルが大暴落し、国内ではハイパーインフレが起こる。
このプロセスが急に起きると、世界一のお客さん(消費大国アメリカ
)が物を買わなくなるので、世界恐慌(ハイパーデフレ)になります。
ある国が経済的理由で没落する衰退する時、必ず通貨暴落とハイ
パーインフレが起こっています。
つまり、これが最悪の状況なわけです。
アメリカにとって道は二つしかありません。
1、中東を支配し、中国を民主化しドル体制を守りきる(ロシアの場合
は、外交による懐柔もありえる)
2、覇権国家から没落する(その場合ドル暴落・ハイパーインフレが
起こる)
おわかりでしょうか?
アメリカはがんばればひょっとしたら中国民主化までいけるかもしれ
ない。
ダメならドル体制が壊れ没落するしかない。
他国から侵略されるという可能性がないのですから、がんばっても
がんばらなくても、最悪の結果は同じなのです。(それ以下にはなら
ない)
ただ、がんばらなければ、アメリカをうらんでいる国々が確実に同国
を没落させます。
「アメリカのライスさんは国際協調主義で・・・」という人もいます。
しかし、中国やロシアやイランはそんなに親切じゃないですよね。
アメリカが攻撃の手を緩めれば、彼らはユーロを基軸通貨にすること
で、アメリカを没落させるでしょう。(事実そういう動きをしている)
「・・・・・・・・・・だって、世界恐慌になれば、みんな困るでしょう」
まったくそのとおりです。
しかし、皆さん「お金と命どちらが大切ですか?」と聞かれれば「命
です」と答えるでしょう。
金は天下の回り物、なくなったらまた稼げばいい。
しかし、命がなくなればお金は稼げません。
近所の信金の営業マンがいつもいっていました。
「私たちの仕事は命の【次】に大切なもの(金)を預かることです!」と。
そう、中東イスラム・ロシア・中国のトップにとって、アメリカとの戦いは
命にかかわる問題。
フセインを見てください。
彼はアルカイダが嫌いで大量破壊兵器を持っていなかった。
今はつかまって裁かれていますね。
これってどういう根拠なのでしょうか?
「独裁者だ!」というのであれば、中国・北朝鮮・ロシア・旧ソ連諸国
中東のほとんどの国々の指導者もやがて捕まって裁かれるというこ
とでしょうか?
RPE読者の皆さんはホントの理由を知っています。
フセインは00年9月24日に、「原油の決済通貨をドルからユーロにか
える」と宣言したがために、つかまって裁かれているのです。
イラン・ロシア・中国のトップがアメリカに敗北したら、同じような運命
にならないと誰が保証できるでしょうか?
ある国のトップに、「裁判所いきか世界恐慌か?」と聞けば、「世界
恐慌です」と本音では答えるはずです。
裁判所いきは、自分と家族の命と財産に関わる問題。
世界恐慌は、アメリカ発なら自分の責任は問われない。
そして、どんな恐慌の時でも、国のトップはうまい飯を食べることが
できると決まっているのですから。
(例、国民は飢え死にしているのに、ビール腹の金正日さん)
もう一つアメリカが敗北を認め(大政を奉還し)、国際社会の同意の
元に、ドルを緩やかに下げていくという道もあります。
この場合、世界恐慌にはならないでしょう。
しかし、アメリカは緩やかに没落していくことになります。(ドルが基
軸通貨でなくなることに変わりない)
●本文後半へ↓
=================================================================
【特に新規購読者の皆さんは要注意!】
★きれいごとは聞きあきた!ホントのことを教えてくれ!
ソ連崩壊・二度のクーデター・ハイパーインフレ・金融危機等々を体験。
KGB要員養成大学を卒業し、プーチン大統領のブレーンとも友達の筆
者が、「わけのわからない世界を、世界一わけのわかる」ように分析し
ています。
●週刊東洋経済(2005年3月26日号)も「日本の上っ面の海外報道を
覆す」本と絶賛!
●『ボロボロになった覇権国家』~次を狙う列強の野望と日本の選択
風雲舎 http://tinyurl.com/dypky
「アメリカがこれからも戦争を続けるわけ」「ドル対ユーロの勝者は?」
「米中台が戦争の準備をしているこれだけの事実」「日本が火の海になる
のを回避する方法は?」
●あなたが今読んでいるRPEの筆者北野幸伯著
●詳細・お買い上げは↓
http://tinyurl.com/dypky
●本文後半へ↓(さりげなくCMが入っている。by 日本のお姉さん)
==============================================================
▼米ロ冷戦の現状
アメリカは03年から、旧ソ連諸国のグルジア・ウクライナ・キルギス
3国で革命を起こすことに成功しました。
3連勝でイケイケです。
ところが、中央アジアウズベキスタンの独裁者カリモフ大統領は、自
国で起こった反政府デモを武力で鎮圧します。(05年5月)
これで中央アジアの流れが変わりました。
中央アジアの旧ソ連諸国は独裁の国。
彼らは「アメリカとつきあっていると革命を起こされる。どうせなら同
じ独裁の中国・ロシアと仲良くしよう」ということになった。
ロシア・中国・中央アジア諸国は上海協力機構を通し、反米で結束
しています。
旧ソ連諸国のうち中央アジアは、中ロが優勢。
欧州地域では、バルト3国・ウクライナ・モルドバがバリバリ親米反ロ。
ベラルーシのみ親ロ。
ここでは一進一退(欧米優位)。
もう一つの地域は、カフカス。
ここには、石油がたっぷりあるアゼルバイジャン、バラ革命のグル
ジア、そしてユダヤ人より金儲けがうまいといわれるアルメニアが
あります。
アルメニアは親ロ。
グルジアは絶対反ロで、アゼルバイジャンは米ロ両国と悪くない仲。
▼BTC
さて、資源の話。
カフカスでアメリカにうれしいニュースがありました。
それがBTCパイプラインの完成。
BTCというのは、アゼルバイジャンからグルジアを経由しトルコのジェ
イハン港までつづく石油パイプライン。
これが完成し、6月4日からタンカー出荷が開始されたのです。
アゼルバイジャンの石油はこれまで、同国からロシア黒海沿岸の都市
ノボロシースクまでパイプラインで運び、そこから世界市場に出されて
いました。
それが、ロシアを経由せずに世界に出せるということで、アメリカにとっ
ては非常においしいできごと。
もう少し詳しくお話しましょう。
アゼルバイジャン大統領府で国際関係局の局長だったグルザデさんに
よると、クリントン大統領(当時)が1996年、アゼルバイジャンのゲイダ
ル・アリエフ大統領(当時=今のイリハム・アリエフ大統領の父親)に電
話してきました。
内容は、「BTCを作らんかい」。
同氏曰く、クリントンはその理由について、「アゼルバイジャンの石
油をロシアを経由しないルートで出せるようにすること」と説明した。
つまり、BTCというのは、最初からカフカスにおけるロシアの政治的・
経済的影響力を弱め、アメリカの力を強める目的だったということです。
ソ連は実質ロシアの植民地。
そして、旧植民地の中央アジアとカフカスには石油・ガスがたっぷりあ
る。
アメリカが中央アジア・カフカスの資源を抑えるというのは、別の言葉
で、「旧ロシア領の資源をアメリカが確保する」と同じ意味。
グルザデさんによると、アリエフ大統領にとって、この提案は「予期し
ないものだった」。
ところが、アリエフさんは数秒考えただけで、即座に同意したそうです。
ここが独裁国家の強み。
トップに相談すれば、数秒で歴史的決定がなされる。
これが日本だったら、「すいません、調整がありますので」などといっ
て、決定まで4年くらいかかっているでしょう。(涙)
(まあ、独裁者が変な人だった場合、おかしな決断をするリスクも高ま
りますが。。。)
これは私の想像ですが、アリエフさんはクリントンとの会話中、ソ連
崩壊後もつづく「ロシアのくびき」から脱却できる千載一遇のチャンス
だと直感的に感じたのではないでしょうか。
アリエフはその後何度も「これは命がけの事業だ」と語っていたとか。
そこまで真剣だったのですね~。
ところが提案したほうのクリントン。
彼のバックは石油業界じゃなく金融界。
すっかり、このプロジェクトのことは忘れてしまいました。(涙)
しかし、石油業界がバックのブッシュが大統領になって、プロジェクトは
よみがえります。(^▽^)
カスピには、石油もガスもたっぷりある。
ところが、今はロシアを経由しなければ出せない。
これを確保することはブッシュの世界戦略と一致しています。
2002年、パイプライン建設のための合弁会社BTCが設立されました。
出資比率をみると、英BP(30.1%)、
アゼルバイジャン国営石油会社(GNKAR)25%、
Unocal(8.9%)、Statoil(8.71%)
TPAO(6.53%)、 ENI(5%)、TotalFinaElf(5%)、
伊藤忠(3.4%)、Inpex(2.5%)、ConocoPhilips(2.5%)
AmeradaHess(2.36%)。
パイプラインの全長は1767km、輸送能力は年間5000万トン。
プロジェクトは総額36億ドル。
03年4月から建設が始まりました。
7月13日、アゼルバイジャン・グルジア・トルコの首脳が会し、BTC
完成を祝う式典が行われます。
この式典には、アメリカ・イギリス・フランスなど、計16カ国の代表も
参加する予定。
中央アジア一の資源大国カザフスタンも、BTCを利用する計画で、
ロシアにとっては本当に痛い一撃なのです。
米ロの戦いがつづいています。
ロシアは、「米中を戦わせて漁夫の利を得よう」と思っていたのに、
どんどんイヤな展開になってきました。
逆に中国は、「米ロを戦わせて、漁夫の利を得れるぞ!」と喜んで
いることでしょう。(涙)
日本は、いつものとおり無念無想・空・悟りの境地・シーター波。
(^▽^)(^▽^)(^▽^)(^▽^)(^▽^)(^▽^)(^▽^)
(おわり)
PS
この原稿を書いている最中(6月6日)、老獪な外交官キッシンジャ
ーさんがプーチンさんと会っています。
そして、「米ロ関係はドンドンよくなっている」などと、チェイニーとは
全く逆の発言をしています。
なんとかRPEの願う日米ロ印一体化に向かえばいいのですが。
モスクワより
RPEジャーナル
北野幸伯
★筆者のプロフィール
北野幸伯(きたの よしのり)
1970年、長野県松本市に生まれる。
田中康夫長野県知事と同じ松本深志高校卒。
1996年、日本人として初めて、ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学
(MGIMO)(*1)を卒業。政治学修士。
1996年、卒業と同時にカルムイキヤ自治共和国(*2)大統領顧問に就任。
1999年4月、メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を創刊。
「わかりやすい!」「笑える!」「予測があたる!」と話題沸騰。読者は、国
際金融機関・政府諸省庁・ロシアに進出しているほとんどの企業から主婦
・女子高生まで。ロシア関係のメルマガで配信数日本一を独走中。
2001年9月より、世界一予測があたる国際金融アナリスト増田俊男氏が
編集主幹を務める月刊誌「力の意志」(サンラ出版)でグローパルアイ・ロシ
アを連載。
2003年9月、長年プーチン大統領のブレーンを務め、ロシアを奇跡の復活
に導いた男Z氏・ディープロシアを知り尽くす唯一の日本人山内氏と共に、
IMT(International Most Trading.,Ltd.)を設立。
2005年1月、『ボロボロになった覇権国家』~次を狙う列強の野望と日本
の選択 風雲舎 http://tinyurl.com/dypky を出版。
週刊東洋経済(2005年3月26日号)で「日本の上っ面の海外報道を覆す」
本と絶賛される。
2005年12月、まぐまぐメルマガ大賞2005ニュース・情報源部門で、ロシア
政治経済ジャーナルが一位を受賞。
*大学卒業後、失敗したこともたくさんあり、一文なしになり家賃を滞納し
たこともありますが、それを語りだすとキリがないので、カットしてあります。
(*1)MGIMOは、ソ連時代「卒業生の半分は外交官に、半分はKGBに」と
言われた超エリート大学。現在も、ロシア外交官の大半は同大学出身者
が占める。
(*2)カルムイキヤは、カスピ海北西岸に位置する仏教国。1993年、31歳
の若さで同共和国初代大統領に選出されたイリュムジーノフ氏は、就任
時既にロシアで5本の指に入る大富豪だった。現在は国際チェス連盟(F
IDE)会長も務めるスーパー大統領。MGIMO出身で大の日本好き。
○メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
無料メルマガの購読は http://www.mag2.com/m/0000012950.htm
↑
(???)
全世界のRPE読者の皆さまこんにちは!
RPE北野です。
米ロ冷戦がつづいていることを、ず~とお伝えしています。
アメリカの戦略の基本は、ドル基軸通貨体制防衛と資源確保。
アメリカと今ケンカしている国は、例外なく資源大国であり、なおかつ
ドル体制に反逆しています。(だから核兵器保有を宣言している北朝
鮮にはあまい)
さて、アメリカにとってのロシア。
ロシアのプーチンさんは賢くて、首相時代の99年10月から、「ロシアの
石油をユーロ建てで売りたい」といっています。
また、5月10日の年次教書演説で「ルーブルが取引通貨の石油・ガス
・その他商品の取引所を組織する」と明言しました。
これはドル体制への明らかな反逆。
ロシアは超資源大国。
しかも、アメリカの最終ターゲット中国に武器と石油を供給している。
アメリカが覇権を維持するためには、中東を支配し、ロシアにエリツィン
時代のような傀儡政権を樹立し、最後に中国を民主化しドル体制から
離脱しないようにさせる。
「なんだか非現実的ですね~。アメリカにそこまで力があるのですか?」
疑わしいですね。
でも、貫徹できなくてもいいのですよ。
いけるところまでいけば。
「は?どういうことですか?」
国が滅びたり没落する理由は二つしかないのです。
一つは他国から攻められる。(例、アメリカに原爆を落とされた日本)
もう一つは、経済的な理由。(例、ソ連)
アメリカの軍事費は50兆円。
一国で世界の総軍事費の約50%を占めている。
アメリカは、決して他国からの攻撃で滅びることがありません。
没落するとしたら、財政赤字と貿易赤字が理由で、ドルの信用がな
くなり、基軸通貨でなくなること。
すると、ドルが大暴落し、国内ではハイパーインフレが起こる。
このプロセスが急に起きると、世界一のお客さん(消費大国アメリカ
)が物を買わなくなるので、世界恐慌(ハイパーデフレ)になります。
ある国が経済的理由で没落する衰退する時、必ず通貨暴落とハイ
パーインフレが起こっています。
つまり、これが最悪の状況なわけです。
アメリカにとって道は二つしかありません。
1、中東を支配し、中国を民主化しドル体制を守りきる(ロシアの場合
は、外交による懐柔もありえる)
2、覇権国家から没落する(その場合ドル暴落・ハイパーインフレが
起こる)
おわかりでしょうか?
アメリカはがんばればひょっとしたら中国民主化までいけるかもしれ
ない。
ダメならドル体制が壊れ没落するしかない。
他国から侵略されるという可能性がないのですから、がんばっても
がんばらなくても、最悪の結果は同じなのです。(それ以下にはなら
ない)
ただ、がんばらなければ、アメリカをうらんでいる国々が確実に同国
を没落させます。
「アメリカのライスさんは国際協調主義で・・・」という人もいます。
しかし、中国やロシアやイランはそんなに親切じゃないですよね。
アメリカが攻撃の手を緩めれば、彼らはユーロを基軸通貨にすること
で、アメリカを没落させるでしょう。(事実そういう動きをしている)
「・・・・・・・・・・だって、世界恐慌になれば、みんな困るでしょう」
まったくそのとおりです。
しかし、皆さん「お金と命どちらが大切ですか?」と聞かれれば「命
です」と答えるでしょう。
金は天下の回り物、なくなったらまた稼げばいい。
しかし、命がなくなればお金は稼げません。
近所の信金の営業マンがいつもいっていました。
「私たちの仕事は命の【次】に大切なもの(金)を預かることです!」と。
そう、中東イスラム・ロシア・中国のトップにとって、アメリカとの戦いは
命にかかわる問題。
フセインを見てください。
彼はアルカイダが嫌いで大量破壊兵器を持っていなかった。
今はつかまって裁かれていますね。
これってどういう根拠なのでしょうか?
「独裁者だ!」というのであれば、中国・北朝鮮・ロシア・旧ソ連諸国
中東のほとんどの国々の指導者もやがて捕まって裁かれるというこ
とでしょうか?
RPE読者の皆さんはホントの理由を知っています。
フセインは00年9月24日に、「原油の決済通貨をドルからユーロにか
える」と宣言したがために、つかまって裁かれているのです。
イラン・ロシア・中国のトップがアメリカに敗北したら、同じような運命
にならないと誰が保証できるでしょうか?
ある国のトップに、「裁判所いきか世界恐慌か?」と聞けば、「世界
恐慌です」と本音では答えるはずです。
裁判所いきは、自分と家族の命と財産に関わる問題。
世界恐慌は、アメリカ発なら自分の責任は問われない。
そして、どんな恐慌の時でも、国のトップはうまい飯を食べることが
できると決まっているのですから。
(例、国民は飢え死にしているのに、ビール腹の金正日さん)
もう一つアメリカが敗北を認め(大政を奉還し)、国際社会の同意の
元に、ドルを緩やかに下げていくという道もあります。
この場合、世界恐慌にはならないでしょう。
しかし、アメリカは緩やかに没落していくことになります。(ドルが基
軸通貨でなくなることに変わりない)
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【特に新規購読者の皆さんは要注意!】
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ソ連崩壊・二度のクーデター・ハイパーインフレ・金融危機等々を体験。
KGB要員養成大学を卒業し、プーチン大統領のブレーンとも友達の筆
者が、「わけのわからない世界を、世界一わけのわかる」ように分析し
ています。
●週刊東洋経済(2005年3月26日号)も「日本の上っ面の海外報道を
覆す」本と絶賛!
●『ボロボロになった覇権国家』~次を狙う列強の野望と日本の選択
風雲舎 http://tinyurl.com/dypky
「アメリカがこれからも戦争を続けるわけ」「ドル対ユーロの勝者は?」
「米中台が戦争の準備をしているこれだけの事実」「日本が火の海になる
のを回避する方法は?」
●あなたが今読んでいるRPEの筆者北野幸伯著
●詳細・お買い上げは↓
http://tinyurl.com/dypky
●本文後半へ↓(さりげなくCMが入っている。by 日本のお姉さん)
==============================================================
▼米ロ冷戦の現状
アメリカは03年から、旧ソ連諸国のグルジア・ウクライナ・キルギス
3国で革命を起こすことに成功しました。
3連勝でイケイケです。
ところが、中央アジアウズベキスタンの独裁者カリモフ大統領は、自
国で起こった反政府デモを武力で鎮圧します。(05年5月)
これで中央アジアの流れが変わりました。
中央アジアの旧ソ連諸国は独裁の国。
彼らは「アメリカとつきあっていると革命を起こされる。どうせなら同
じ独裁の中国・ロシアと仲良くしよう」ということになった。
ロシア・中国・中央アジア諸国は上海協力機構を通し、反米で結束
しています。
旧ソ連諸国のうち中央アジアは、中ロが優勢。
欧州地域では、バルト3国・ウクライナ・モルドバがバリバリ親米反ロ。
ベラルーシのみ親ロ。
ここでは一進一退(欧米優位)。
もう一つの地域は、カフカス。
ここには、石油がたっぷりあるアゼルバイジャン、バラ革命のグル
ジア、そしてユダヤ人より金儲けがうまいといわれるアルメニアが
あります。
アルメニアは親ロ。
グルジアは絶対反ロで、アゼルバイジャンは米ロ両国と悪くない仲。
▼BTC
さて、資源の話。
カフカスでアメリカにうれしいニュースがありました。
それがBTCパイプラインの完成。
BTCというのは、アゼルバイジャンからグルジアを経由しトルコのジェ
イハン港までつづく石油パイプライン。
これが完成し、6月4日からタンカー出荷が開始されたのです。
アゼルバイジャンの石油はこれまで、同国からロシア黒海沿岸の都市
ノボロシースクまでパイプラインで運び、そこから世界市場に出されて
いました。
それが、ロシアを経由せずに世界に出せるということで、アメリカにとっ
ては非常においしいできごと。
もう少し詳しくお話しましょう。
アゼルバイジャン大統領府で国際関係局の局長だったグルザデさんに
よると、クリントン大統領(当時)が1996年、アゼルバイジャンのゲイダ
ル・アリエフ大統領(当時=今のイリハム・アリエフ大統領の父親)に電
話してきました。
内容は、「BTCを作らんかい」。
同氏曰く、クリントンはその理由について、「アゼルバイジャンの石
油をロシアを経由しないルートで出せるようにすること」と説明した。
つまり、BTCというのは、最初からカフカスにおけるロシアの政治的・
経済的影響力を弱め、アメリカの力を強める目的だったということです。
ソ連は実質ロシアの植民地。
そして、旧植民地の中央アジアとカフカスには石油・ガスがたっぷりあ
る。
アメリカが中央アジア・カフカスの資源を抑えるというのは、別の言葉
で、「旧ロシア領の資源をアメリカが確保する」と同じ意味。
グルザデさんによると、アリエフ大統領にとって、この提案は「予期し
ないものだった」。
ところが、アリエフさんは数秒考えただけで、即座に同意したそうです。
ここが独裁国家の強み。
トップに相談すれば、数秒で歴史的決定がなされる。
これが日本だったら、「すいません、調整がありますので」などといっ
て、決定まで4年くらいかかっているでしょう。(涙)
(まあ、独裁者が変な人だった場合、おかしな決断をするリスクも高ま
りますが。。。)
これは私の想像ですが、アリエフさんはクリントンとの会話中、ソ連
崩壊後もつづく「ロシアのくびき」から脱却できる千載一遇のチャンス
だと直感的に感じたのではないでしょうか。
アリエフはその後何度も「これは命がけの事業だ」と語っていたとか。
そこまで真剣だったのですね~。
ところが提案したほうのクリントン。
彼のバックは石油業界じゃなく金融界。
すっかり、このプロジェクトのことは忘れてしまいました。(涙)
しかし、石油業界がバックのブッシュが大統領になって、プロジェクトは
よみがえります。(^▽^)
カスピには、石油もガスもたっぷりある。
ところが、今はロシアを経由しなければ出せない。
これを確保することはブッシュの世界戦略と一致しています。
2002年、パイプライン建設のための合弁会社BTCが設立されました。
出資比率をみると、英BP(30.1%)、
アゼルバイジャン国営石油会社(GNKAR)25%、
Unocal(8.9%)、Statoil(8.71%)
TPAO(6.53%)、 ENI(5%)、TotalFinaElf(5%)、
伊藤忠(3.4%)、Inpex(2.5%)、ConocoPhilips(2.5%)
AmeradaHess(2.36%)。
パイプラインの全長は1767km、輸送能力は年間5000万トン。
プロジェクトは総額36億ドル。
03年4月から建設が始まりました。
7月13日、アゼルバイジャン・グルジア・トルコの首脳が会し、BTC
完成を祝う式典が行われます。
この式典には、アメリカ・イギリス・フランスなど、計16カ国の代表も
参加する予定。
中央アジア一の資源大国カザフスタンも、BTCを利用する計画で、
ロシアにとっては本当に痛い一撃なのです。
米ロの戦いがつづいています。
ロシアは、「米中を戦わせて漁夫の利を得よう」と思っていたのに、
どんどんイヤな展開になってきました。
逆に中国は、「米ロを戦わせて、漁夫の利を得れるぞ!」と喜んで
いることでしょう。(涙)
日本は、いつものとおり無念無想・空・悟りの境地・シーター波。
(^▽^)(^▽^)(^▽^)(^▽^)(^▽^)(^▽^)(^▽^)
(おわり)
PS
この原稿を書いている最中(6月6日)、老獪な外交官キッシンジャ
ーさんがプーチンさんと会っています。
そして、「米ロ関係はドンドンよくなっている」などと、チェイニーとは
全く逆の発言をしています。
なんとかRPEの願う日米ロ印一体化に向かえばいいのですが。
モスクワより
RPEジャーナル
北野幸伯
★筆者のプロフィール
北野幸伯(きたの よしのり)
1970年、長野県松本市に生まれる。
田中康夫長野県知事と同じ松本深志高校卒。
1996年、日本人として初めて、ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学
(MGIMO)(*1)を卒業。政治学修士。
1996年、卒業と同時にカルムイキヤ自治共和国(*2)大統領顧問に就任。
1999年4月、メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を創刊。
「わかりやすい!」「笑える!」「予測があたる!」と話題沸騰。読者は、国
際金融機関・政府諸省庁・ロシアに進出しているほとんどの企業から主婦
・女子高生まで。ロシア関係のメルマガで配信数日本一を独走中。
2001年9月より、世界一予測があたる国際金融アナリスト増田俊男氏が
編集主幹を務める月刊誌「力の意志」(サンラ出版)でグローパルアイ・ロシ
アを連載。
2003年9月、長年プーチン大統領のブレーンを務め、ロシアを奇跡の復活
に導いた男Z氏・ディープロシアを知り尽くす唯一の日本人山内氏と共に、
IMT(International Most Trading.,Ltd.)を設立。
2005年1月、『ボロボロになった覇権国家』~次を狙う列強の野望と日本
の選択 風雲舎 http://tinyurl.com/dypky を出版。
週刊東洋経済(2005年3月26日号)で「日本の上っ面の海外報道を覆す」
本と絶賛される。
2005年12月、まぐまぐメルマガ大賞2005ニュース・情報源部門で、ロシア
政治経済ジャーナルが一位を受賞。
*大学卒業後、失敗したこともたくさんあり、一文なしになり家賃を滞納し
たこともありますが、それを語りだすとキリがないので、カットしてあります。
(*1)MGIMOは、ソ連時代「卒業生の半分は外交官に、半分はKGBに」と
言われた超エリート大学。現在も、ロシア外交官の大半は同大学出身者
が占める。
(*2)カルムイキヤは、カスピ海北西岸に位置する仏教国。1993年、31歳
の若さで同共和国初代大統領に選出されたイリュムジーノフ氏は、就任
時既にロシアで5本の指に入る大富豪だった。現在は国際チェス連盟(F
IDE)会長も務めるスーパー大統領。MGIMO出身で大の日本好き。
○メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」
発行者 北野 幸伯
無料メルマガの購読は http://www.mag2.com/m/0000012950.htm