ソマリアは今
【ナイロビ5日共同】英BBC放送によると、ソマリアのイスラム原理主義者らの牙城とされる司法組織、イスラム法廷の指導者が5日、地元ラジオで首都モガディシオを制圧したと宣言した。イスラム法廷と激しく敵対していた武装勢力指導者4人は首都から逃走したが、さらに戦闘が続く恐れもある。
1991年から無政府状態が続くモガディシオでは今年2月以降、地元の武装勢力とイスラム法廷が支配権をめぐり戦闘を繰り返し、約300人が死亡、1700人以上が負傷した。
イスラム法廷側は、武装勢力による首都支配が終わったと主張。住民らに新たな指導者を受け入れるよう求めたという。 (2006・6.5)
http://www.excite.co.jp/News/world/20060605203545/Kyodo_20060605a311010s20060605203548.html
ワシントン笠原敏彦】マコーマック米国務省報道官は7日、ソマリアの首都モガディシオを制圧したイスラム原理主義勢力「イスラム法廷」から米政府が書簡を受け取ったことを明らかにし、同勢力について「評価を留保する」と述べた。米国はソマリアがテロリストの温床になることを警戒、世俗派武装勢力を支援してきたとされるが、イスラム勢力との対話も視野に入れ始めた模様だ。
7日付のワシントン・ポスト紙は「イスラム法廷」の指導者アーメッド氏が米政府などに書簡を送り、「敵と見られることを望んでいない」と訴えたと報じた。書簡は米国が武装勢力を支援していると非難する一方で、「テロリストやテロの支援者」をかくまってはいないと主張している。
米国は98年のケニアとタンザニアの米大使館同時爆破テロを首謀した国際テロ組織アルカイダのメンバーらがソマリアに潜伏していると主張している。ソマリアでのイスラム勢力と軍閥の対立を、アルカイダと米国の代理戦争と分析する見方もある。
マコーマック報道官は定例会見で書簡の存在を認め、「米国はより平和で安定したソマリアを望み、かつテロと戦う組織、個人と協調していく」と述べ、イスラム勢力との対話路線へと軌道修正する可能性に含みを残した。
米国が公式に支持するソマリア暫定政府は同国南西部バイドアに本拠を構えるが、首都に帰還できない事態が続いている。アフリカ連合(AU)議長のサスヌゲソ・コンゴ共和国大統領は5日、ホワイトハウスでブッシュ大統領と会談後、「武装勢力などを支援することは長期的な解決策にならないと伝えた」と述べ、ソマリア危機解決に向けた支援強化を米国に要請した。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20060608k0000e030059000c.html