宮崎正弘の読者のコメント
伊藤貫氏の『中国の「核」が世界を制す』はなかなか興味深い内容です。
中国ばかりでなくアメリカについての記述が面白い。
私はまず、第三節の”中国共産党と米民主党の癒着 ”から目を通しました。中国の米政界への侵食度はスゴイものがあります。程度の差こそあれ米共和党へも中国の黒い手は伸びているのでしょうが、これを読んだら民主党から次の米大統領が出たら日本がいたぶられるのは間違いないとの確信に至ります。
夫クリントンと共に中共からたんまり貢いで貰ったヒラリーあたりがブッシュの後だと日本はアウトですね。
ア-カンソーの貧乏人夫妻はカネの魔力にコロリとヤラレたようです。
クリントン政権はMIRVという多弾頭核ミサイルのノウハウが中共スパイに盗み取られたことが明らかになっても隠し通しました。
だいたいクリントンはたいした用事も無いのに10日間も中国に滞在し続けたのですから不適切な行為ではおさまらない所業を冒したことでしょう。
ここには書かれていませんが捲土重来を期しているらしいゴアはオキシデンタル石油をバックにしていて(この会社の創始者の父は米共産党創設者)貧乏共産国に利する京都議定書成立に奔走していました。
一方、日本はどうかと思いを致せば、ただ今再々入院中の元首相をはじめ政治家・役人・財界人までハニートラップや金・酒で軽く手玉に取られています。
外交官では中国の大使アナミは中共に嫌われ相手にされず、中共武装警官の瀋陽領事館での暴虐と自らの不始末は不問に付し、サッカー会場で乗っている車がボコボコにされても我慢し、上海領事館が暴徒の投石被害に遭ってもそこの電信員が女色に絡めとられ自殺に追い込まれても忍の一字。
米の大使カトウは無能扱いされゼーリックに会うこともままならず(ゼ氏はそろそろ更迭されるようでホットしているようですが)、 相手に取り入り誑しこむ以下の低レベル。残念ながら外務省は仲間を庇いあって更迭すらしません。
米共和党側の超親中派はキッシンジャーです。
米中国交回復で名を挙げて中国ロビイストとしてすでに数十億ドルも口利きに励んだらしい。
このキ氏はなぜか超日本嫌い(日本がユダヤ人を迫害したナチと組んだせい?)。
なのに日本の某TV番組は毎年大枚叩いて同氏をゲストに招き世界情勢の見通しを有り難く拝しています。
金になれば日本人にもご託宣を垂れるキッシンジャーとそれを無心に聴く日本人。
ブレジンスキーの日本批判・嫌いはキッシンジャーほどではないが学者としてのキレはキ氏より下と伊藤氏は辛辣です。伊藤氏はアメリカの『核の傘』がいかに役に立たないものであるかを力説していて面白い。
アメリカが熱心に日本に配備を薦めるMD(ミサイル防衛)は日本に核武装させないための目くらましだというのです。
親米派(岡崎久彦氏あたり)はそんなことは百も承知で、700兆円も借金を抱える日本にとって年間一兆円程度のMD出費で日米同盟が維持されるなら安いものだと達観しているのでしょうか。
オールターナティブな武力を持っていない(持たせてもらえない)日本にとり現実的対応と観じているのでしょうか。
中国の経済力は購買力平価で比べるとすでに日本の二倍との伊藤説にはビックリします。 2015年から2020年頃には中国の経済力・軍事力ともに米と肩を並べるか追い抜くだろう。 中国は過去1200年もの間GNP世界一で走り続けた実績がある。近い将来それが再来することは不思議ではないと云われるとなるほどと唸ってしまいます。
中国が米を追い抜くまでひたひたと国力増強にこれ努める姿は空恐ろしいものがあります。
アメリカが中国に肩を並べられた時、「東アジアは中国のご自由にと日本を見切ったら、どうするねん」という思いです。
(しなの六文銭)
(宮崎正弘のコメント)いくつかご指摘の点に、まことに主題とは無縁のコメントがあります(笑い)。
第一はキッシンジャーを大歓迎して、派閥の研修会にいそいそと講師に呼んだのは大勲位と宮沢です。後者はとくに英語でパネルディスカッション。さすがに派内の議員からも「ここは日本だ、日本語でやってくれぃ」とヤジが飛びました。
第二にクリントンですが、河南省・鄭州のデパートで、な、なんとクリントンが背広の広告にでており、写真を取ったら店員が飛んできて「撮影禁止だ!」と怒鳴られた体験があります。
ヒラリーは予備選でユダヤ票をあつめますから、相当に有力です。
ゴアが南部の穏健派をまとめることが出来れば党大会まで生き延びるでしょう。ヒラリー大統領、ゴア副大統領ですか、2008年は!
昔から言います。「賢者は最悪に備えよ」と。
第三に北京前大使の阿南さんは、サッカー場から、あのとき真っ先に逃げ出し、曾慶紅は出席を約束しておきながら来なかった。逃げ遅れた公使のクルマがぼこぼこにやられました。
北京の朝陽区あたりの日本料理屋で、被害を受けた店がならんでいる一角があります。大使は見舞いにも来なかったと嘆きの声を聞きました。
第四にPPP(購買力平価)で中国の経済力をみた場合、日本より生活の質が高い、というのは昔から指摘されていることです。
米ドル換算で日本のひとりあたりのGDPは32000ドル、中国は1600ドル。依然として二十分の一でしかないのですが、なぜ北京や上海、広州の人々はゆったりと公園のベンチで、おやつをつまみ、人生をかたり、将棋を指して、週に一度はファミレス、朝は近くの粥レストラン。
ああいう悠揚迫らぬ生活上のゆとりを目撃すると、日本人の生活はあくせくの連続ですから「ん?」と考え込むことも往々にしてあります。
☆ ☆ ☆
(サイト情報)
米国・国務省人身売買監視対策室の「2006年人身売買報告書 (Trafficking in Persons Report)」書は、人身売買撲滅に対する世界各国の取り組みをまとめたもの。
日本政府の取り組みについて「人身売買撲滅のための最低基準を十分には満たしていないが、満たすべく著しい努力をしている」などと報告。全文およびライス国務長官の声明、その他の関連情報。
(1)2006年人身売買報告書全文 :Victims of Trafficking and Violence Protection Act of 2000: Trafficking in Persons Report 、Department of State, Released June 5, 2006
http://www.state.gov/g/tip/rls/tiprpt/2006/index.htm
(2)2006年人身売買報告書抜粋 (日本の項目を抜粋した仮翻訳)
http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-j20060606-50.html
(3)ライス国務長官の声明
http://www.state.gov/secretary/rm/2006/67551.htm
◎宮崎正弘のホームページ http://www.nippon-nn.net/miyazaki/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
中国ばかりでなくアメリカについての記述が面白い。
私はまず、第三節の”中国共産党と米民主党の癒着 ”から目を通しました。中国の米政界への侵食度はスゴイものがあります。程度の差こそあれ米共和党へも中国の黒い手は伸びているのでしょうが、これを読んだら民主党から次の米大統領が出たら日本がいたぶられるのは間違いないとの確信に至ります。
夫クリントンと共に中共からたんまり貢いで貰ったヒラリーあたりがブッシュの後だと日本はアウトですね。
ア-カンソーの貧乏人夫妻はカネの魔力にコロリとヤラレたようです。
クリントン政権はMIRVという多弾頭核ミサイルのノウハウが中共スパイに盗み取られたことが明らかになっても隠し通しました。
だいたいクリントンはたいした用事も無いのに10日間も中国に滞在し続けたのですから不適切な行為ではおさまらない所業を冒したことでしょう。
ここには書かれていませんが捲土重来を期しているらしいゴアはオキシデンタル石油をバックにしていて(この会社の創始者の父は米共産党創設者)貧乏共産国に利する京都議定書成立に奔走していました。
一方、日本はどうかと思いを致せば、ただ今再々入院中の元首相をはじめ政治家・役人・財界人までハニートラップや金・酒で軽く手玉に取られています。
外交官では中国の大使アナミは中共に嫌われ相手にされず、中共武装警官の瀋陽領事館での暴虐と自らの不始末は不問に付し、サッカー会場で乗っている車がボコボコにされても我慢し、上海領事館が暴徒の投石被害に遭ってもそこの電信員が女色に絡めとられ自殺に追い込まれても忍の一字。
米の大使カトウは無能扱いされゼーリックに会うこともままならず(ゼ氏はそろそろ更迭されるようでホットしているようですが)、 相手に取り入り誑しこむ以下の低レベル。残念ながら外務省は仲間を庇いあって更迭すらしません。
米共和党側の超親中派はキッシンジャーです。
米中国交回復で名を挙げて中国ロビイストとしてすでに数十億ドルも口利きに励んだらしい。
このキ氏はなぜか超日本嫌い(日本がユダヤ人を迫害したナチと組んだせい?)。
なのに日本の某TV番組は毎年大枚叩いて同氏をゲストに招き世界情勢の見通しを有り難く拝しています。
金になれば日本人にもご託宣を垂れるキッシンジャーとそれを無心に聴く日本人。
ブレジンスキーの日本批判・嫌いはキッシンジャーほどではないが学者としてのキレはキ氏より下と伊藤氏は辛辣です。伊藤氏はアメリカの『核の傘』がいかに役に立たないものであるかを力説していて面白い。
アメリカが熱心に日本に配備を薦めるMD(ミサイル防衛)は日本に核武装させないための目くらましだというのです。
親米派(岡崎久彦氏あたり)はそんなことは百も承知で、700兆円も借金を抱える日本にとって年間一兆円程度のMD出費で日米同盟が維持されるなら安いものだと達観しているのでしょうか。
オールターナティブな武力を持っていない(持たせてもらえない)日本にとり現実的対応と観じているのでしょうか。
中国の経済力は購買力平価で比べるとすでに日本の二倍との伊藤説にはビックリします。 2015年から2020年頃には中国の経済力・軍事力ともに米と肩を並べるか追い抜くだろう。 中国は過去1200年もの間GNP世界一で走り続けた実績がある。近い将来それが再来することは不思議ではないと云われるとなるほどと唸ってしまいます。
中国が米を追い抜くまでひたひたと国力増強にこれ努める姿は空恐ろしいものがあります。
アメリカが中国に肩を並べられた時、「東アジアは中国のご自由にと日本を見切ったら、どうするねん」という思いです。
(しなの六文銭)
(宮崎正弘のコメント)いくつかご指摘の点に、まことに主題とは無縁のコメントがあります(笑い)。
第一はキッシンジャーを大歓迎して、派閥の研修会にいそいそと講師に呼んだのは大勲位と宮沢です。後者はとくに英語でパネルディスカッション。さすがに派内の議員からも「ここは日本だ、日本語でやってくれぃ」とヤジが飛びました。
第二にクリントンですが、河南省・鄭州のデパートで、な、なんとクリントンが背広の広告にでており、写真を取ったら店員が飛んできて「撮影禁止だ!」と怒鳴られた体験があります。
ヒラリーは予備選でユダヤ票をあつめますから、相当に有力です。
ゴアが南部の穏健派をまとめることが出来れば党大会まで生き延びるでしょう。ヒラリー大統領、ゴア副大統領ですか、2008年は!
昔から言います。「賢者は最悪に備えよ」と。
第三に北京前大使の阿南さんは、サッカー場から、あのとき真っ先に逃げ出し、曾慶紅は出席を約束しておきながら来なかった。逃げ遅れた公使のクルマがぼこぼこにやられました。
北京の朝陽区あたりの日本料理屋で、被害を受けた店がならんでいる一角があります。大使は見舞いにも来なかったと嘆きの声を聞きました。
第四にPPP(購買力平価)で中国の経済力をみた場合、日本より生活の質が高い、というのは昔から指摘されていることです。
米ドル換算で日本のひとりあたりのGDPは32000ドル、中国は1600ドル。依然として二十分の一でしかないのですが、なぜ北京や上海、広州の人々はゆったりと公園のベンチで、おやつをつまみ、人生をかたり、将棋を指して、週に一度はファミレス、朝は近くの粥レストラン。
ああいう悠揚迫らぬ生活上のゆとりを目撃すると、日本人の生活はあくせくの連続ですから「ん?」と考え込むことも往々にしてあります。
☆ ☆ ☆
(サイト情報)
米国・国務省人身売買監視対策室の「2006年人身売買報告書 (Trafficking in Persons Report)」書は、人身売買撲滅に対する世界各国の取り組みをまとめたもの。
日本政府の取り組みについて「人身売買撲滅のための最低基準を十分には満たしていないが、満たすべく著しい努力をしている」などと報告。全文およびライス国務長官の声明、その他の関連情報。
(1)2006年人身売買報告書全文 :Victims of Trafficking and Violence Protection Act of 2000: Trafficking in Persons Report 、Department of State, Released June 5, 2006
http://www.state.gov/g/tip/rls/tiprpt/2006/index.htm
(2)2006年人身売買報告書抜粋 (日本の項目を抜粋した仮翻訳)
http://japan.usembassy.gov/j/p/tpj-j20060606-50.html
(3)ライス国務長官の声明
http://www.state.gov/secretary/rm/2006/67551.htm
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