中国で加工してアメリカに輸出に移行か? | 日本のお姉さん

中国で加工してアメリカに輸出に移行か?

対円での人民元高が、対米ドルを上回るペースとなっている。昨年7月21日の人民元の対米ドル2.1%切り上げから現在までの元の対円上昇率は、2日提示の中値(基準レート)で対米ドルを約1.4ポイント上回った。対円相場は切り上げ前の昨年初と比べると13%もの高値。中国の対日輸出減速も「対米ドルを超える対円での元高が原因のひとつ」と指摘され始めた。対米ドルレートの影に隠れがちな元の対円レートにも関心が集まりそうだ。

 元切り上げ翌日の昨年7月22日の終値(1米ドル=8.1111元、100円=7.3059元)と、2日に中国人民銀行(中央銀行)が提示した中値(1米ドル=8.0214元、100円=7.1263元)を比較すると、人民元は対米ドルでは約1.12%高。一方、対円では2.52%高となっており、元の対円上昇率は対米ドルの2倍を上回った。
 
 また、昨年初めの人民元の対円相場は100円=約8.05元。2日の中値で計算すると、約1年5カ月の間に元は対円で13%も上昇したことになる。2日付第一財経日報は、昨年12月5日には元が同年初比21%高となる100円=6.6565元(1元=15.02円)をつけていたことも指摘している。
 
 中国の対日輸出額の伸びは昨年、前年比で14.3%に上ったが、前年の伸び23.7%と比べると10ポイント近く落ち込んだ。今年1~4月の伸びも約10%と、昨年同期の21.0%と比べて約半分になっている。英スタンダード・チャータード銀行の王志浩・上海駐在上級アナリストは「昨年来の対日輸出の伸び鈍化は、対円での元高も恐らく原因のひとつ」と分析した。
 
 復旦大学中国経済研究センターの孫立堅教授も、「対日輸出減少は、以前は『中国で加工して日本に輸入』だった中国進出日本メーカーの加工貿易パターンが、『中国で加工して米国に輸出』に変わってきたことが原因」と説明した上で、「(対米ドルを上回る)対円での元高がその変化を後押ししている」との見方を示している。

(NNA) - 6月5日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060605-00000002-nna-int