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≪原発や高速道≫

 中国企業による海外での大型プロジェクト受注が相次いでいる。インドでの火力発電所や石油パイプライン、パキスタンでの原発や空軍向け整備施設、さらに北アフリカではチュニジアからアルジェリア、モロッコをつなぐ国際高速道路の建設などで、受注案件の大型化や地域の広がりが目立っている。中国商務省では海外案件の受注を雇用創出や輸出拡大、産業構造の調整のための重要政策と位置づけ、支援策を強化していく方針だ。(河崎真澄)

 新華社電などによると山東省の山東電力基本建設は、インド東部のオリッサ州で石炭火力発電所を一括請負(フルターンキー)方式で総額6億3900万ドル(約716億円)で受注した。工期は約2年。また大慶石油管理局傘下の大慶石油国際は、インド国内の全長147キロの石油パイプライン建設を2886万ドルで受注した。中国企業によるインドでの初の石油関連の案件受注という。

 またパキスタンではすでに2004年に受注していた30万キロワット級の原発建設にこのほど着工。中国にとって初の原発技術の輸出案件であり、パキスタンで今後30カ所以上の建設が予定される原発建設の受注も狙う。同国との関係拡大を示すように中国建築工程は、パキスタン空軍から軍用機整備工場の建設工事を3000万ドルで受注した。工期は約1年半で、整備工場11棟が建設される。

 さらに大規模な受注案件となったのは、中国中信(CITIC)グループによる北アフリカでの高速道路建設。アルジェリアが実施した国際入札で総額62億5000万ドルにのぼるプロジェクトを応札者7グループのトップで落札した。アルジェリアを東西に横断し東はチュニジア、西はモロッコまで総延長1216キロに及ぶ国際道路を建設する。中国による海外の単一案件での受注額としては、過去最大となる。

 ≪人海戦術で強み≫

 中国商務省によると昨年までの5年間の「第10次5カ年計画」期間中において、中国が海外で受注した請負工事の売上高は726億ドルと、その前の5年間に比べ約2倍の規模になった。昨年末までの海外の請負工事受注累計は1811億ドル。売上高累計は1353億ドルといい、重要な外貨獲得手段にもなっている。

 海外請負工事を受注した中国企業は1800社を超えたという。また海外への労働力派遣による労務協力案件でも、昨年末までの累計受注額は401億ドルにのぼり、売上高は348億ドル。派遣した労働者は延べ345万人に上った。受注企業は600社あまり。安価で豊富な労働力を生かした中国の“人海戦術”が建設や土木など海外案件で強みを発揮している。

 商務省では、中国企業による海外投資、工事請負、労務協力による対外進出ケースはすでに世界200カ国・地域に及んでおり、アジアを中心にアフリカに拡大。今後は中南米やオセアニアをターゲットとしていくとの政策を明らかにし、企業への受注支援を拡大するとしている。雇用増大や輸出拡大など直接的な効果に加え、中国の対外経済協力を民間ベースでも広げることで、間接的にはエネルギー調達のルート拡大や、軍需産業も含む政治利用にも結び付ける思惑がありそうだ。 2006・6・1

http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200606010008a.nwc

北京=野口東秀】新華社電によると、中国国務院(政府)研究室はこのほど、中国の出稼ぎ労働者に関する「中国農民工調査報告」を発表、全国の出稼ぎ者数は約2億人に上り、平均月収は500元から800元(約7500-12000円)と低い賃金に抑えられていることを明らかにした。

 同報告によると、雇用者と正式な契約を結んでいる出稼ぎ労働者は54%だけで、16%は契約の存在さえ知らなかった。

 職業訓練などを受けていない出稼ぎ者は76%に上っており、専門的技術の低さが低賃金につながっている実状があるようだ。また、5割が賃金の支払い遅延を経験しているほか、労働時間も1日10時間以上が2割を超えるなど、劣悪な労働環境が浮き彫りになっている。2006・4・18

http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200604180032a.nwc