世界平和の敵は中国だった?
【ワシントン=古森義久】世界の大量破壊兵器類の拡散に関し、
米中央情報局(CIA)の報告書が、中国は大量破壊兵器の
「主要な供給者」でイラン、北朝鮮、リビアなどに弾道ミサイルや
化学兵器類を売却したと、断定していることが明らかとなった。
CIAが米国議会に毎年送る大量破壊兵器類の国際的な拡散に
関する年次報告書は、十六日までに概要が公表された。
同報告書は、弾道ミサイルや高度の通常兵器をも含む大量破壊
兵器類が、独裁体制や国家テロ実施、軍事偏重など「懸念の対象と
なる国家」に調達された実態に最大の焦点をしぼっている。
「懸念国家」としてはイラン、リビア、北朝鮮、シリアの各国が
列記されている。
同報告書はこれら「懸念国家」に大量破壊兵器類を売却、提供した
「主要な供給者」としてまず第一に中国をあげ、二〇〇四年一年間に、
中国が
(1)パキスタンの弾道ミサイル開発のプロジェクトへの支援を続け、
固体燃料推進の短距離弾道ミサイルの自国内生産を達成させ、
固体燃料推進の中距離弾道ミサイルの開発を推進させた
(2)イランの弾道ミサイル国内生産の努力を支援した
(3)リビアと北朝鮮に弾道ミサイル関連資材や技術を供与した
(4)イランに対し化学兵器生産関連の機材と技術の供与を継続した
-などと記している。
さらに、大量破壊兵器の範疇(はんちゅう)には入らないが「高度の
通常兵器」の拡散として、〇四年中に中国が
(1)パキスタンにフリゲート艦四隻を売却する交渉を終えた
(2)パキスタンとの戦闘機JF17の共同生産プロジェクトへの支援を続けた
(3)イランによるC802対艦ミサイルの自国生産を実現させた-ことなどを
列記して、米国議会に伝えた。
(産経新聞) - 5月18日