俳句のようなもの
元彼を 忘れて過ぎた 誕生日
外来の 花に停まらぬ もんしろちょう
アザレアの 燃える緋色の 服着たし
咳き込んで 苦しむ猫の 背を叩く
大好きと 語れば猫の 喉鳴りぬ
元彼の 愛(め)でし茶トラの 猫老いて
パスポート 同じ名前で 10年目
ライブ来て アジアの美男 目で追いぬ
気持ちだけ 我は二十歳(はたち)の エロい人
ライブでは 美男の横に 女あり
コンサート ジャンプするたび 腹揺れる
夏迎え ジーンズの上の 憎きモチ
声の良き ボーカリストは 二十三
美しき 若者見ても 親心
道端で ちらしもらえず 手が泳ぐ
オババには ちらしくれない ガキ憎し
ライブ来て サイフに金無く 彼を呼ぶ
彼呼びて 迎えの車 有り難し