中国の戦略的パートナーはアメリカか?
米中首脳会談 片思いの「戦略的パートナー」 中国、対米積極姿勢も限界
【ワシントン=古森義久】二十日の米中首脳会談では中国側が米国を対等な「戦略的パートナー」扱いし、グローバルな課題に緊密に共同対処するという姿勢を熱心に示した。だが米国側はその対処を限定して、中国の統治の根幹にからむ人権抑圧や民主主義不在を提起し、期せずして両国間の差異に光をあてる結果となった。中国首脳の訪米では史上最大と評される抗議デモも中国側の独裁と現状での対米接近の限界を印象づけた。
同会談では前後の演説を含めて胡錦濤国家主席の対米協調への異様なほどの積極姿勢が目立った。「米中両国の二十一世紀の建設的かつ協力的な関係」を強調し、とくに「戦略的」という用語を連発して、両国間の経済、貿易、安保などの諸案件だけでなく、アジア地域全般やグローバルな諸課題までに米中両国が「戦略的な立場」から共同で指導的に取り組むというような意向を繰り返した。
同主席の対米接近への媚(こび)に近い熱意は五十年前の朝鮮半島での対米戦争を棚上げし、六十数年前の対日戦で「米国はファシストの侵略に対し中国との共闘で数千人の英雄的な犠牲を出した」という言葉にも象徴された。そしてこの種の一連の言明は米国のクリントン政権時代に米中両国が「戦略的パートナー」と称された時代への復帰の意図をうかがわせた。
これに対しブッシュ大統領は米中関係自体を「非常に重要な関係」と評するにとどまり、「戦略的利害」の米中共有も国際テロ、大量破壊兵器の拡散、伝染病蔓延(まんえん)など第三者からの特定の脅威への対応に限るという感じの抑制した言辞に終始した。胡主席は対米接近の理由として夕食会での演説で中国がまだ人口の多い貧しい国だからと強調し、その弱い状態から脱するには平和な国際環境を保ち、超大国の米国と経済協力を進めることが不可欠だと説明した。この言明は期せずして中国の対米接近が国力強化の手段であり、その強化の達成の後にどんな対米政策をとるかはまったく不明だという現実を映し出した。
しかしブッシュ大統領は冒頭の歓迎演説から中国との不一致をも率直に表明するとして「中国の国民の人権や自由の尊重の重要性」を提起した。同大統領はより具体的に中国が自国民の「結社、言論、信仰の自由」を認めるべきだとも述べ、一党独裁の中国と民主主義の米国との基本的な体制や価値観の差異に光をあてた。
中国の民主主義抑圧の現状は胡主席の訪問に合わせてワシントンで実施された「法輪功」支持者らの抗議デモからも印象づけられた。「中国首脳の訪米では史上最大の反対デモ」だという数千人の集まりはワシントン中心部で終日、気勢をあげ、「中国共産党は残虐行為をやめよ」というような横断幕が多数、掲げられた。
ブッシュ大統領はかねてその民主主義体制を礼賛する台湾についても「一つの中国」原則への同意を述べながらも、「台湾独立は支持しない」という言明にとどめ、あくまで平和的な解決を期待することを強調した。他方、胡主席は武力解決の可能性も排さないことを明言し、「米国は台湾独立に反対している」と一方的に述べて、米側との姿勢の違いを鮮明にした。産経新聞 2006/4/22
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今回、中国がアメリカを訪問した目的は、中国はアメリカをしのぐ超大国に
なるまでは、アメリカとは争いたくないと伝えること。
いずれ力を持てば、ロシアと共に、やりたいことをやるのだろう。
その時は日本はどうなっているのだろう。
中国の偉い人は、「日本などという国は、いずれ衰えて取るに足らない国に
なっている。」と、ポロリとオーストラリアでしゃべったそうだ。
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胡錦涛・国家主席は30日、米国、サウジアラビア、モロッコ、ナイジェリア、ケニアへの歴訪を終えて北京に到着した。訪問期間中、中国とサウジアラビア、モロッコ、ナイジェリア、ケニアの4カ国は、政治や安全、経済・貿易、エネルギー、教育などの領域における28の協定に調印。中国外交部の李肇星・部長は、「伝統的な友好関係を強化し、相互信頼関係を増進、相互協力関係を拡大するという目的を達成した」と評価した。新華社が伝えた。
李・部長は、「中国の経済発展と4カ国における輸出市場の安定、海外からの投資ニーズの増加が、双方の協力関係構築に向けて新しいチャンスをもたらす。中国の企業家は胡・国家主席の訪問に合わせて各国の首都を訪問し商機を模索していた」などと紹介。中国が各国と共に貿易、投資、技術提携といった幅広い分野にわたる協力関係の構築を推進、一次製品や伝統的な製造業における構造調整などを積極的に推し進めて、現地社会の発展を促進していく方針であることにも触れた。
また、各国の政府及び財界で胡・国家主席の訪問が熱烈な反響を得たことにも言及。サウジアラビアの財界からは、「中国と戦略的かつグローバルな経済パートナーシップを構築したい」との意向を受けたことも紹介。「胡・国家主席の誠意ある友好的な態度が各国の人々に深い印象を残した。各国はいずれも中国の発展をチャンスと見なしており、中国人民と手を取り合い、美しい未来を構築していきたいと考えている」と述べた。(編集担当:田村まどか)(サーチナ・中国情報局) - 5月1日