2005年8月の記事
橋本龍太郎元首相
橋本龍太郎元首相の時代には、中国に対するODAが飛躍的に増大した。橋本氏は、現在も中国とのビジネスを支援する日本国際貿易促進協会の会長を務めるほどの親中派だ。
別の政治部記者はいう。
「橋本氏は、総理在任中に、中国のスパイと見られる女性通訳と親密な関係になった。これは、当時、新進党の小沢一郎党首が国会の集中審議にかけようとしたほど深刻な間題だった。おりしも、中国東北部で大規模な病院の建設計画が持ち上がっており、その後にかなりのODAが実行されたことから疑惑をもたれた」
それだけ巨額のODAを負担しているのだから、こちらの立場を正々堂々と主張すればよいのに、橋本氏はそうはしない。
「彼は、日中関係に配慮するあまり、外務省人事を壟断した」
と語すのは、政治評論家の屋山太郎氏である。
「98年5月のこと。日米防衛協力のための指針(ガイドライン)をめぐる国会答弁で、外務省の高野紀元北米局長が、属辺事態の『周辺』とはどこを指すのかと質問され、『極東とその周辺を概念的に越えるものではない』と答えた。これに橋本氏が怒った。台湾の『た』の字も言っていないのに、中国に配慮するあまり、官房長に内定していた高野氏を更迭してしまったのです」
こと対中関係に関しては、からっきし意気地がなかったのだ。
橋本氏がそうであったように、政界の中国人脈といえば、国交正常化を成し遂げた田中角栄元首相以来、代々、同派閥が引き継いできた。