会社の女の子
わたしの会社のフロアーでは、ゴミを集めて捨てるのは
なぜか女子の仕事になっていて、3人いる女子はそれぞれ、
ゴミを集めなければならない自分の島(机の)を持っている。
年齢は関係なく、女子だからという理由で、毎日会社のゴミを集め、
朝とお昼にお茶を出し、机を拭き、トイレを掃除し、タオルを洗うのだ。
そういう仕事が通常の業務と平行して毎日もれなく付いてくる。
台所に男子が飲む缶ジュース用のゴミ箱があり、これは女子が
適当にいっぱいになれば捨てるということになっている。
ところが、いっさいそれを拒否する女子がひとりいて、
ずっと知らん振りをする。ある日、フロアーのボス(男性)が見かねたのか
その女子に、缶ジュースのゴミがいっぱいになっているから捨てろと
命令した。その女子は、わたしとほかの女子を集め、(この辺が生意気。)
「ボスから缶ジュースを捨てるように言われたんですが、私は今忙しいので
捨てて欲しいです。」と言う。忙しいなら仕方が無い。わたしは一応一番
年上だ。一番年下の女子が缶ジュースの空き缶を捨てに行った。
ところが、それ以降もいっさい空き缶を捨てようとしない。
「たまには、缶ジュースのゴミも捨ててね。あなたの部署の男子が出すゴミ
なのよ。」と、言うと、
「いつかその件は話し合おうと思っていたんですけど、その仕事は
他の人がやればいいと思うんです。私は自分の部署から出るダンボールを
捨てていますんで。」と言う。
「そんなの3ヶ月に1回の仕事でしょう?缶ジュースの空き缶のゴミは毎日
出るゴミなんだけど。この前も、あなたがボスから空き缶を捨てるように注意
されたのに、忙しいからと言って人にその仕事を回したでしょう?
ようするに、空き缶を捨てる仕事は嫌だというわけ?つまり、この前、
今忙しいから、空き缶を捨てることはできないが、忙しくない時は
捨てると言ったのは言い訳だったのね?」
と、頭にきたわたしは追及した。
「だからあ、、、。その件は、後で話し合おうと思ったんですけど、わたしは
ダンボールを捨てているから、空き缶を捨てる仕事を入れるとお、、、、
私の仕事が増えすぎて不公平だと思うんです。だから、他の人が
してください。」などと、訳がわからない事を言う。
ボスは、この女子が、全く空き缶を捨てないのを知っていて、わざと彼女に
捨てなさいと命令したのは間違いない。わたしもこの女子にはたびたび、
「たまには、空き缶も捨ててね。」と、優しく軽いタッチの声で、注意していた
のだ。ようするに、空き缶のゴミ捨ては、したくなかったということだ。
「とにかく、空き缶を捨てる仕事はしたくないというのは分かったから。
今後わたしと、もう一人でするから、仕事が終わる前に台所に汚れた
コップが来ても無視して、自分のコップだけ洗って帰るのは止めてね。
男子が就業時間に持ってきたコップは洗って帰ってね。」と、言っておいた。
その女子は、就業時間5時半きっちりに、自分が使ったコップを洗うのだが
ボスが自分が使ったコップを台所に持ってきても、ボスのコップは
洗わずにそのまま残して帰るのだ。
残ったコップは、次の日の朝のお茶当番の女子が洗うことになる。
外国ならば、そういう雑用は、別に雇われた人間がする。しかし、
ここは日本だ。自分のコップだけ洗って、ボスのコップを洗わず
そのまま置いてさっさと帰るのは、あまりにも日本的ではない行為だ。
1分あれば、ボスのコップもついでに洗えるのではないか?
その1分をケチるのは、あんまりではないか。そういうことが何回もあって、
ボスも頭にきていたらしく、他の男子にそのことを愚痴っていたのを聞いた
ことがあるので、それを注意したら、それ以来、その女子は、わたしを恐れ
てか嫌ってか、目を合わそうともしないし、しゃべりもしない。
支店のA子にその事件(?)を言うと、
「○○さんトコのフロアーは、変!ようするに全員が嫌々会社の台所の
仕事をしているってことよね。私のところでは、誰も何も言わなくても
自然と、気が付いた人がゴミを捨てるし、
コップも気が付いた人が洗うし、男の子も空き缶やゴミを何も言わなくても
捨ててくれるよ~。」と、言っていた。
「あ~、良かった。私のところの女子は全員、普通に躾けられたいい子
ばっかりだから!!何も言わなくても、何でも自然とやってくれるから!!」
とも言われた。A子は支店では、一番年上なのだ。
わたしのフロアーでは、台所にいくらコップが溜まっていても、当番で
ない女子は絶対に洗わない。あまりにも徹底していて、びっくりする。
当番が、めちゃめちゃ忙しくてバタバタしていても、決して洗わない。
ある日、わたしが本当に特別に忙しかった日、
台所の用事が全くできず、そのままにして、会社のフロアーを
上がったり下がったり、駆け回っていた時の出来事だ。
わたしのフロアーの一番若い女子が、
「○○さん。コップ洗ってないですよ。」と、わざわざ言いに来た。
頭にきたわたしは、「普通、人が忙しそうにしてたら、
黙って代わりに洗ってくれるものだけどな!」と、言ってしまった。
それからは、フロアーの女子は、誰かが忙しくて台所にコップが
溜まっていると、当番で無くてもコップを洗ったりしてくれるようになった。
わたしは、忙しそうにしている女子が当番の時は、たまに
コップが溜まっているのを見つけると代わりに洗ってあげていたのだが、
どうもそれすらも気が付いていなかったようだ。
頼まないと、本当に何もしてくれない女子が同じフロアーにいると、
いろいろ大変。
A子が言うように、家事が嫌いな女子が集まって嫌々仕事をしている
ので、こうなったのだろう。空き缶を捨てるのを嫌がった女子も、
自分のコップだけでなく、就業時間ギリギリに台所に持ち込まれた
コップも、洗って帰るようになった。その女子は、どうも
台所以外の仕事も文句を言いながら嫌々しているようだ。
「嫌ですよ~!」「何でですか~!」「え~!わたしがしないと
いけないんですか~。」等と、いつも大声で男子従業員に言っている。
仕事の選り好みをしているようだ。普段から、わがままを言って
好きな仕事を選んでいるようだ。他人が躾け損なった女子を躾けると、
目も合わせてくれないぐらい嫌われるので損である。
お茶当番の時に、お茶を出しても無言なのだ。こんな女子に限って、
なかなか会社を辞めないので、(って、わたしもだよ!!)
これからも、この女子との付き合いは「続く」のであった。
それでも、ちょっとは進歩が見受けられるので、注意したことは良かった。
本当はもっと注意しないといけない事があるのだが、うっとしいので
無視している。自分でやった方が早いし、楽なのだ。
いつか、この女子の島(机の)のトップの男性が、
「あいつに注意しても言うことを聞かんから無駄や。」と言っているのを
聞いたので、その女子に「あなたの上司、こんなこと言ってたよ。」と、
教えると、「やった!!そう思わせるのがミソなんですよ。そう思わせる
のに時間がかかった!」等と言ったので、驚いたことがある。
彼女には、自分なりの哲学があるようだ。
人に忠告をさせないのがミソって、あんたね、、、。進歩できないよね。