中国の投資依存体質は50%前後に
アジア開発銀行(ADB)は発表した報告書「中国経済の展望2006年版」の中で、現在は45%程度の国内総生産(GDP)に占める固定資産投資の割合が、今年から来年にかけて50%前後に達するとの見通しを示した。投資依存体質がさらに深まるとの見方を示すもので、中国政府が目指す消費主導経済への転換という課題がいかに難しいかを示したものといえそうだ。
ADBの報告書は、中国政府が今年から来年にかけて国民の消費拡大の奨励と、製造業と不動産業の投資抑制をさらに強めると指摘しつつも、「投資は今後も、経済成長の主な原動力であり続けるだろう」と予測している。固定資産投資が増加する要因としては、プロジェクトとリンクした銀行のひも付き融資や、主に地方政府による秩序を欠く工場誘致、乱開発などを挙げ、問題視している。
一方、消費については1950~60年代には平均60%あった対GDP比が現在は45%程度に下がったと指摘。投資と消費の不均衡は、中国の経済発展モデルが抱える構造的問題のひとつだと分析した。
人民元相場については、「年間を通じて対米ドルで3%前後の元高になるのではないか」とみている。
(NNA) - 4月10日