宮崎正弘のメルマガ | 日本のお姉さん

宮崎正弘のメルマガ

「中国からのエクソダス」と中国内の「白禍論(WHITE PERIL)」
  労働集約型の魅力による中国進出ブームは去った、

とヘラルド・トリビューン


 過日、小誌にも雑誌にも書いて講演でも提議したが、

上海から外国企業ばかりか、中国企業が逃げ出して

ベトナムなどに向かっている。
先日も或る財界人の講演会で、そのことを指摘すると、

さすがに驚いた経営者が多く「我々も工場のベトナム移転を検討中で

、先日は経団連が団体でハノイのキャノン工場見学会までやった。

ところが実態は中国企業も労賃急騰にネをあげているのですか!」。

 今朝(4月3日)のヘラルド・トリビューン紙の一面は、まさにこの記事である。
 上海、広東、福建省でそれぞれが30万から100万人の技術者が足りず、

或るメーカーが五人の募集を新聞広告にだしてもひとりの応募者しかなかった。

繊維、スポーツ用品、玩具の製造業がいまや成立しにくくなって

バングラデシュへの移転が続いている云々。

 また発売中のロンドン『エコノミスト』(4月7日号)も、中国経済特集が

二本あって、曰く。
 「中国を覆い始めたのは黄禍論ではなく“白禍論”(ホワイトペリル)。

要するに外国企業の中国企業買収に、経済ナショナリズムが

沸き上がっている」。
 4月20日、胡錦濤訪米は、「人民元再切り上げが話題になり、

中国は手みやげが必要であろう」とこんどばかりは人民元切り上げは

避けられまいとする見方をとっている。

<宮崎正弘のロングセラーズ>

『中国瓦解』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書、861円)
『朝鮮半島、台湾海峡のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版刊、1470円)
『瀕死の中国』(阪急コミュニケーションズ刊、1680円) 
『世界経済のいま、三年後、五年後、十年後』(並木書房、1575円)
『中国財閥の正体―その人脈と金脈』(扶桑社、1680円)
『拉致』(徳間文庫、620円)
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過去の記事の一部


「とくに新疆ウイグル独立運動は日毎に暴力的になってきている。今年一月にも暴動は起きている。ウイグル族の強制捜査を開始した中国当局が、ウルムチ市で言動不審者を片っ端から逮捕し、拷問にかけた。「モスク(イスラム寺院)で祈祷中のウイグル女性が二人、射殺された」という噂に、大々的な抗議デモが組織され、暴動へとエスカレートした。当局の鎮圧部隊が血の弾圧をおこなったため、ウイグル族が銃、ナイフ、投石、こん棒などで応戦、ついに市街戦となった。

 ウイグル当局は「テロ集団による計画的破壊行為」とし、死者は九人だけとした(新疆日報)が、四百人の遺体が一帯に散乱する大惨事だった。報復を恐れる漢族はパニックに陥り、脱出希望者が空港や駅に殺到。ダフ屋の切符は正規の価格の十倍にも跳ね上がった。当局は伊寧空港を閉鎖して緊急事態に臨んだ。

  西側のなかには、犠牲者の数はこんな程度ではない、とする報道がある。イギリスの『フォーリン・リポート』誌は、ウイグル暴動は「一万五千人のウイグル人がカラシニコフ銃や石器で武装して蜂起、二百人が殺され、数千人のウイグル人の若者が労改に送られた。一九四九年の占領以来七二年までに五百四十八件の暴動が記録され、すでに三十六万人が殺された」(同誌九七年二月二十八日)とした。

 ウルムチ暴動では、デモに参加しただけで逮捕された。この日のウルムチ市は零下三十一度だった。催涙弾を打ち込み、逮捕した住民を倉庫や体育館に集めて冷水を浴びせたため、多数のウイグル人が凍死した。」

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靖国へ行くな、と日本の元首相をよびつけて“譴責”
 安倍、麻生は「静かなる反論」だが、外交報道機関はどう報じたか?

 前者をロイターは「胡錦濤主席、日中の緊張緩和に道筋を示す」と報じた。
 びっくり仰天。日本が緊張を作り出したかのような錯誤の書き方である

また安倍、麻生両氏による靖国神社参拝禁止問題への反論は、きわめて健全なナショナリズムの吐露でしかないが、APは「日本の二人の高官、中国の軍事的脅威を強調」という見出しで報じている。

 外国報道の日本に対する姿勢の錯綜ぶりは、昨今の中国の反日キャンペーンの影響を受けており、日本側の沈黙が、こうした表現・比喩・用語を策定させてしまいかねない。
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(読者の声1)貴誌1427号(3月31日付け)で「「温家宝(中国)首相がオーストラリアを訪問  ウラニウムの買い付け、鉱区開発を契約へ」と書かれましたが、ふと思い出した昔語りが二つあります。
 今から7年か、8年前、たぶん「The Economist」誌だったとおもうが、以下のような記事がありました。
 (大意)「“反原発”の動きが世界的に広がり、その結果、ウラン鉱石の価格は、最も高かった時の約1割である。しかし現在稼動中の原子炉の多くが10年後には燃料を入れ替える時期になる。そうなればウラン鉱石の価格は暴騰する。
 世界最大のウラン鉱山をもっているのはオーストラリアのWestern Mining Corporation Ltd. (WMC) である。いま、株を買っておけば儲かることであろう」。

これは公開情報である。しかも理に適った議論である。
にもかかわらず日本の鉱山会社も電力会社も商社も政府も動かなかった。
私は投機をやらない主義なので、自分では買わず何人かの知人に教えてあげたが誰も買おうとしなかった。まだ今なら間に合うかもしれない。ご関心があれば、以下のURLを見てください。
 http://www.jogmec.go.jp/mric_web/major/2000/13WMC.htm
 さて田中首相がオーストラリア政府とオーストラリアでのウラン鉱山開発の協議をしたところ米国政府から猛烈な横槍が入ったそうである。
同盟国=日本が米国を経ずに直接ウラン鉱山を開発することはいけないが、核兵器保有国であり、国連安全保障理事会常任委員国である中国が行うのは問題ないというのであろうか。
もっとも10年くらい後に資源価格が暴落すれば、おそらく中国政府は損害を少しでも小さくするために、各国との間の契約や約束を平気で反故にするのではと思うのだが。
    (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)商品市況が上昇軌道を描きだしたのは三年前からです。
 4月1日のマーケットでは、とうとうゴールドは一オンス600ドル直前までに暴騰しました。プラチナ、シルバーも危険なほどの高値圏、これに石油や石炭やウラニウムが加わって、つまり市場でも戦略物資の政治武器化が始まっていますが、日本政府はまったくといって良いほどに暢気ですね。
 ところで話は飛びますが、田中政権のときに自主的な資源外交を展開し、それが米国をおこらせてロッキード事件をでっち上げられ田中失脚に繋がる、という“奇説”があります。これを言いだしたのは田原聡一郎あたりで、当時、田中のブレーンだった小長啓一が田中に耳打ちすると「うん。それでいこう」と言ったそうです。この話、当の小長自身が書き残しています。


   ♪
(読者の声2)3月30日の判決で、旧橋本派一億円ヤミ献金事件の村岡元官房長官は冤罪で無罪となった。
じゃ本当に受け取った人は誰だ?
当然それは反小泉で媚中派の大物しかいない。但し彼はいま遁走中で北京で国賓待遇の手厚いモテナシを受けているが。これじゃ日本の司法当局も手も足も出ないな! 情けないニッホン。
(MI生)


(宮崎正弘のコメント)これぞ治外法権?


   ♪
(読者の声3)いつも勉強させて頂いています。貴誌昨日付けの「中国の対日“世論分断”工作に乗せられる人、自ら乗る人」というのですぐにインターネットで知った教えを思い出しました。
 【 六韜 】 [ りくとう ] 武経七書(古代中国の七大兵法書)の一つ。
周王朝の軍師・太公望(呂尚)の教えとされる
 [第十五 文伐篇] 周の文王が尋ねました。『武力を用いず知恵によって相手の国を倒す十二の方法とは、どのようなものか?』
 第一には、 相手を油断させることです。
一時的に喜ぶような贈り物をしこちらの侵略の意思を隠します。
 第二には、 相手国の君主の信頼する忠臣に取り入り 君臣の信頼関係に亀裂を入れなさい
 第三には、 相手国の君主の臣下に賄賂を贈り こちら側のために働くように仕向けなさい その臣下は 身体は相手国にあっても心はこちら側にあるようになり相手国に害悪をもたらします
 第四には 相手国の君主や臣下に美女や金銭を贈り、堕落させるように仕向けなさい やがて相手はこちらに逆らわないようになり、悪だくみも上手く行きます
 第五には交渉の為に隣国から有能な忠臣がやって来たならば、何一つ話さず、与えず、無為な時間を過ごさせよ。交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が無能ならば 大いに与え、歓待し、成果を与えよ。そうすれば、隣国では無能な者が重用され、有能な忠臣が失脚する。 そしてやがては滅ぶ
 第六には、 外国に滞在する相手国の臣下を手なずけ、臣下の間に相互不信の間隙を作り出しなさい。相手国に切れ者の臣下を送り込み、働かせ、相手国の内外から切り崩せば、相手国を滅ぼすことが可能だ。
 第七には、 相手国の忠臣へ大いに賄賂を贈り 内通させて、故意に仕事を怠慢にし 遅れさせるように仕向けよ
 第八には、 一人でも多くの相手国の臣下に賄賂を贈り、儲かるようにします。 実際に儲かれば その臣下たちはわが国を信頼し、わが国のために働くようになる。 これを 『親交を重ねる』 と言います
第九には 相手国を尊重するかのように振る舞い、友好国であるかのように錯覚させるのです
 第十には 両国が運命共同体であるかのように振る舞い、その間に密かにこちらのために働く人間を増やすのです
 第十一には わが国の為に働いてくれる相手国の臣下には十分に報いるのです。 相手国よりも良い待遇を与えるのです
 第十二には相手国の不忠な臣下と共謀し、君主が堕落するように仕向けるのです。 美女を与え、良馬を贈るのです
 こういうことが日本人の常識なれば、日本も変わってくると思います。特に第五番目とか。
 一瞬で相手の狙いを読み取る能力、将棋にたとえれば相手の手の内を読める人が増えれば、中国の行動に「おろおろ」することもなくなると思います。
   (滋賀県 会社員)


(宮崎正弘のコメント)この教えを拳拳服膺しているのが、いまの中国共産党幹部でしょうね。
「中国の謀略云々」については、『正論』の最新号(五月号)にも拙論を寄稿しております。


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(読者の声4)イタリア首相 「中国は赤ん坊を煮て肥料に」 の発言でも謝罪ナシの強気
日本の対中国外交の姿勢が問われているが、イタリアの 「ベルルスコーニ首相」 は 「毛沢東時代の中国では共産党が赤ん坊を煮て肥料にしていた」 と発言、中国側からクレームがくるも謝罪は拒否したようだ。
 もっともこの発言の根拠は1997年フランスで出版された 「共産主義の黒い記録」 という本から引用しての発言であるが。こんな発言の後でも伊首相は中国との関係はうまくいっているので、強気である。
 我が日本の総理もしっかりとした対中国政策で国益を守ってもらいたいものである。もっとも、この話を聞いてやっぱり机以外の 「四つ足」 は何でも食べてしまうと言われる 「中国」 ならではと考えさせられてしまう。
   (X生)


(宮崎正弘のコメント)嬰児のスープを食する広東の或る秘密クラブの写真を、小誌でもいちど紹介したように(その後、多くのメディアにもでましたが)、いまも普遍的ですよ。鄭儀という作家だったと思いますが(彼は米国に亡命しました)、この中国文壇の新進作家のテーマは人食いです。
カニバリズムは、いまの中国で、まだ残っていると考えて良いでしょう。


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(読者の声5)小泉総理が靖国参拝を辞めれば中国との交渉がうまくいく・・・。そのようなことを胡錦涛に言わせ喜んでいる橋本元総理のTVで見せる笑顔この国の政治家は何を考えているのか。
 中国が尖閣列島のガス田の採掘をやめれば靖国参拝にいくのをやめるのを考えてもいい、日本国民が納得するためのおみやげが必要だ、日本国民は死んだ人全ては神になると考えている。日本が今日あるのは先輩方が命をかけて戦ったからである、我々も力を合わせて日本の国は日本人で守ろう、徴兵制を導入し新富国強兵で体制を一新しようとおもっているのです、 くらいのことを総理たる者言えなくてどうするのでしょうか・・
自分の言葉が10年、30年、50年、100年先を見据えなくてどうするのでしょうか・・。
 徴兵制の導入で南北朝鮮・中国・アメリカ・ロシアは少しは日本を馬鹿にしないでしょう。我々のような30歳、40歳、50歳、60歳の者でも銃後の人間として年に数週間の軍事訓練を行う。 スイスでは行っているし三島氏も望んでいたことではないでしょうか・・。このような考えはおかしいのでしょうか
  (TO生)


(宮崎正弘のコメント)世界の常識から言って、まことに普遍的常識的な考え方で、こういう考えがおかしいと言う日本のマスコミが非常識なのです。それだから日本のジャーナリストが世界へでると相手にされないのでしょうね。

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以上、読者のコメントも面白い。