アジアの中の日本
2006年冬季オリンピックは、メダルはフィギアスケートの荒川静香さんの
金メダル1個だけだったが、WBC(第1回ワールドベースボールクラシック)
の金メダルも日本の野球だった―――。
立て続けに金メダルを獲得できたので、日本人としてはかなりいい気持ちだ。
荒川選手の練習にかかる費用は、全部自費なのだそうだ。メダルが大量に獲れ
ないのは、日本では、運動選手は各自勝手に練習してちょうだいという、ケチ
な日本政府の方針のせいに違いない!
官僚に何度も何度も天下りをさせ、その度に退職金を払うならば、――1人に
払われる退職金の合計が1億円を超える!?場合もあるという――官僚には、
天下りをさせず、永久にひとつのイスに縛りつけ、退職金は一度だけにして、
その分で浮いた費用を、日本を代表して外国で外国選手と競う有能な選手達に
練習費として振り向けてほしいものだ――――。
WBCでは、日本選手の評判はアメリカでも良いらしくて、大リーグ経験者は
ふたりしかいないのに、よくやったと思われているらしい。
イチローが、王貞治監督が率いる日本の野球チームに参加してくれたのは、間
違いなく他の選手の励みになったと思う。実際、いろんな場所でよく活躍して
くれた。日本人は、キューバ選手ほど国を背負って戦う意気込みはなかったと
思うが、勝ちたいと思う気持ちが勝[まさ]っていたので勝てたようだ。
キューバのようにホームランこそ出なかったが、勝つために一所懸命がんばっ
た。
日本人が、日本という国を意識する時は、スポーツの場ぐらいしかないと思う
ので、ちょっとぐらい興奮してもいいではないか、と、わたしは考えている。
荒川選手が表彰台に立つ前に、日の丸を背おって誇らしげにリンクを回ってい
たというのは後で知ったことだ。NHKはなぜそこを映さなかったのだろう。
WBCの決勝戦ではアメリカのカメラが入って一部始終を映したので、王ジャ
パンのメンバーが、日の丸を撮影のために地面に置いたのも、優勝して嬉しく
なって日の丸を掴んでプルプルと振っていたのもキチンと映していた。
長島ジャパンは長島監督が病に倒れたので実現しなかったが、王貞治監督は、
長嶋茂雄監督の気持ちも抱えてWBCの試合の監督を引き受けたはず。
日本人も、在日台湾人も、在日中国人も、在日韓国人も、在日北鮮人も、日本
という、いま自分が住んでいる国を愛しているなら、王ジャパンが掴んだこの
勝利を喜んだはず。
ルーツはどこであろうが、日本を代表する優秀なスポーツマンは日本の宝だ。
イチロー選手も「最高のチームです!」と、嬉しそうに言っていた。
普段から、暗いニュースばかりで憂鬱なわたしも、久しぶりの明るい出来事に
思い切り「幸せ指数」が上昇して、優勝が決まった瞬間は、部屋で飛び上がっ
て「やった~!!」と、叫んでいたーーー。
日本が世界に認められる瞬間は、いつでも本当に喜ばしい。世界の歴史や文化
は、常にヨーロッパやアメリカに住む白人中心に語られる場合が多い。アジア
人が彼らに軽視されているなんて、日本にいては感じないが、ヨーロッパ人は
実にアジアに無関心である。
中国人と日本人なんて、同じ民族だと思っているし、日本が世界のどこにある
のかすら知らない子供も多い。――――そんな世界の人々に、ニッポンという
名前を覚えさせるだけでも、金メダルの価値があるとわたしは密かに思ってい
る。
日本は、第二次世界大戦で、原子爆弾を二発もぶちこまれて、アメリカに負け
た国だ。ーーードイツとイタリアに組した事が決定的だったーーー。
資源も無い国が、アメリカという大国に追い詰められ、「窮鼠猫を咬む」の諺
のように、当時の国の代表であった幾人かの軍人達が追い詰められて
戦争を始めた――――。
負けを認める時期が遅れ、日本はボロボロになったーーー。
ある者は、アメリカが停戦を言ってきたときに、少しでも有利になればよいと
いう気持ちで、またある者は、最後の1人が死に絶えるまで戦う気持ちで、、
ある者は、本土に住む日本の親や女や子供を守るために、自分の命を盾にする
気持ちで死んでいった――――。
ーーー彼らは犬死をしたのだろうか?
日本を守るのだという想いは、尊い願いであったし、彼らの命という尊い犠牲
の上に、やはり「日本の存続の有無」や「独立国としての尊厳」がかかってい
たのではないだろうか?
イギリスの教科書には「日露戦争以後は、(アジアの)植民地を、ケーキを切っ
て分けるようにはいかなくなった」という文章があるそうである。
日本がアメリカに戦いを挑まなくても、ロシアが攻めてきたかもしれない。
ロシアに負けていれば、日本人は今頃モンゴルのようにロシア語でしゃべり、
ロシア語で本を読んでいただろう。ーーーモンゴルはロシアの衛星国のような
関係だが、もしも日本が戦争でロシアに負けていたら、アメリカに負けるより
もっともっと悲惨な事になっていただろう。
シベリアに送られて、鉄道建設用奴隷としてこきつかわれるどころではないと
思うのだ。「もしも..何々だったら」などという考えは愚かだが、起った事は
二度と変えられない事実だ。人はこの事実を受け止め、今日をどう生きるかと
いう事の参考にするしかないのだ――――。
―― あるテレビ番組に、戦争に参加した軍人たちが出演していた。
彼らの中のある者は、靖国神社には行かないと言い、ある者は行くと言ってい
た。ある者は靖国神社に行き、死んでいった戦友を偲びたい気持ちはあるのだ
が、戦争を始めた軍のトップの人々のことを快く思っていないようだった。
はっきり言うと、怨みのような気持ちがあるようだったーーー。
戦争を始めたのは彼ら軍人のトップであり、アメリカが日本を、徹底的に焦土
に変えるほどボロ負けさせたのも彼らだ。その責任は、日本国民に対して負う
べきである。
もちろん軍人のトップたちも、日本を愛するが故にそんな戦争にいたった訳で
あり、日本を陥れようという悪気があって戦争に至らせたのではない。
しかし、
その時日本を指導していた者が、戦争に失敗したなら、その責めを日本国民に
問われるのは当然だ。けれど、愛国心が罪だというのではない。ーーー負ける
戦争にまで至らしめてしまったことが罪なのである。いや、負ける戦争にいた
らしめて、国内および外国において、多くの戦争犠牲者を生んでしまったこと
が罪なのである。
日本人が、日本の存続のために死んでいった人を大切に思う行為を禁ずる権利
はどこの国にも無い。敵国であったアメリカですら、己の国のために命をかけ
て戦った日本人を、国家に対する義務を果たした者として敬意を払ってくれて
いる。
中国の大地で、日本軍と戦っていない中国共産党に、つべこべ言われる筋合い
など、一毫も無い。中国人個人に対しては、旧日本軍が、戦争で中国人を殺傷
した件では、本当に申し訳なく思うが、中国人も負けずに日本の一般人を殺戮
していたのだ。
清政府の後押しを受けて、外国の大使館を次々と襲った中国の義勇軍もいる。
恐ろしい事が行われる事を戦争と呼ぶ。その頃の中国軍(国民政府軍)は、市民
の服を着て日本軍を背後から襲っては、一般市民に紛れ込んで逃げ、一般市民
が巻き添えをくって中国人兵士と共に殺された事件も起きた。
中国人も日本人もアメリカ人も死んだ。ロシア人も、ドサクサ盗っ人のように
満州に侵攻してきて、多くの日本人をシベリアに送り、奴隷よりも酷い条件下
で何年もこき使い、数万人を死に至らしめた。
南京市街戦で家族が殺された、という中国人がテレビに出ていた。
証明書を手にしていた。大人も子供も殺され、兄も自分も刺されたとテレビの
前で語っていた。戦争とは、弱い一般市民が巻き添えになるものなのである。
日本の無辜の市民も、アメリカの焼夷弾で焼き殺された。原爆で死んだ広島や
長崎市民は、誰が賠償してくれるのだろう。全ては、過去に実際に起こった出
来事である。
戦争に負けた日本は、第一次世界大戦で多額の賠償金の支払いを命じられて、
貧乏のどん底に陥ったドイツが、ドイツのプライドと復興をかけて、再び戦争
へと走った過去の事実から、賠償の義務を背負わせられる事は無かった。
当時の中国の蒋介石も、日本に賠償を求めず、日本軍の迅速な撤退を求めた。
日本は、アメリカから受けた傷を癒し、原爆や人家に対する無差別爆撃の賠償
ももらうことなく灰の中から立ち上がった。
赤十字は、日本の栄養失調の子供達のために多くを捧げてくれた。日本人は、
戦争の終わった事を喜び、アメリカのことを日本を救ってくれる国のように
感じて慕った。
日本人のプライドは引き裂かれ、日本を愛する気持ちは罪ででもあるかのよう
に思われるようになり、長い間、戦争で日本の存続のために命を捧げた日本人
の気持が顧みられることはなかった――――。
―― 日本は、建前として軍隊を持たず、平和を愛する国に生まれ変わった。
しかしそれは、アメリカ軍が駐屯し日本を守るという本音があっての建前だ。
アメリカのおかげで、日本は心置きなく経済復興に全力を注ぐことができた。
日本人のプライドの回復は、経済で発展する事だけであった。
そして、日本なりに過去を清算すべく、アジアの復興やアフリカ諸国の援助に
国民の税金を使ってきた。多くの税金が、日本は世界で平和を求める良い国で
あると認められるために使われてきた。ーーー中国は、日本が経済で、それら
の国々において優位に立つための戦略に過ぎないというが、そればかりではな
かったのも事実だ――――。
本来ならば、今は、日本が60年間蒔いてきた平和のタネを刈り取る時期であ
る。韓国や中国に蒔かれたタネは、どんな実を結んだのだろうーーー。
蒔かれたタネは、韓国や中国の国民に渡ることなく、友好な関係は大きな実を
結ぶことはなかった。送られた援助は、すべて当時の韓国政府と中国政府の懐
に入り、彼の国々の人々は、日本が申し訳ないと思って行った事績を何ひとつ
評価していない。いや、日本から良い影響を受けたという実感が全くない。
彼らは、それぞれの政府からミッチリと反日を仕込まれ、次々と無理難題を掲
げて日本を責め続けている。日本は言われるままに、援助金としてさらに多く
の税金をつぎ込む。
日本国民はお人好しだが、最近の韓国・中国・北朝鮮の反日攻勢に呆れている
し、嫌悪感を抱いているし、いい加減疲れてきている。
そんな中で日本が、環境に関する京都議定書を世界に提案したり、水フォーラ
ムについて提案したり、スポーツの世界で世界に認められることは、日本人に
とっても非常に喜ばしいことなのである。
中国や韓国、北朝鮮では人権が無視されており、多くの人間が激しい拷問で命
を落としている。日本は、人権擁護の面でも、アジアの国が非道な事を続けて
いることにもっと心を配るべきである。日本が、中国や韓国や北朝鮮にいくら
尽くしても報われる事がないのは、これらの国が人権を尊重しない国であるか
らである。
民主的でない国が、民主的な国の行動を正当に評価することはまずない。
独裁者が支配する言論の自由の無い国においては、自国民とは、国が日本から
賠償金をせしめるための「道具」にしか過ぎない。「道具」は洗脳され、日本
タタキに「使用される」。洗脳された国民が、日本を攻撃する「生きた武器」
となる。
彼らには事実は決して知らされず、歴史は歪められ、日本の60年間の行為は
無となり、わたしたちはいつまでも、戦争で負けた国の子孫として、永遠にそ
れらの国の食い物になるだけである。こうした国の民主化に日本が心を配らな
ければ、永遠に「タカラレ続ける」のである。
―― 3月10日、足立区生涯学習センターである講演会が開催された。
「日本は中国の民主化と人権擁護を促進すべし」がテーマの講演会であった。
「中央宣伝部を討伐せよ」という仰天すべきレポートを、共産党政府の膝下で
発表して北京大学助教授の地位を逐われた焦国標氏を迎えた講演会である。
焦国標氏の言葉に注目して欲しいと思う。
┌──────────
日本は、中国政府を怒らせてはまずい、機嫌を損ねてはいけないという意識が
強過ぎる。もし、日本が中国を侵略したことを悪いと思うなら、その償いとし
て、中国の民主化に力を注いでもらいたい。日本は、このテーマでできる可能
性をたくさん持っている。
政府がだめならNPOでやる方法もある。日本で、中国の人権や民主化の遅れ
を非難する発言がもっとあってよい。中国の民主化は、良い変化か悪い変化か
は予測できないが、この数年の間に大きく変化すると思う。
日本人は、アジアで経済ばかり語らず、中国の民主化にもっと関心を持っても
らいたい。
└──────────
「中央宣伝部を討伐せよ」というレポートは、「中国の社会文明の発展におけ
るボトルネックとは何か。それは中国共産党の中央宣伝部である。中国で悪辣
な勢力や腐敗分子のために、最も手厚い傘を差し出しているのはだれか。中央
宣伝部である」という激烈な文章で始まる。
中国人に反日思想を刷り込んでいるのは、中国軍青年部である。
中国人の民主化を阻止しているのは中央宣伝部である。
中国の民主化を応援することは、共産党中央宣伝部の中国人に対する洗脳や、
中国軍青年部の日本に対する反日活動や好戦的で軍国主義的な行為、から日本
を守る事でもあると思う。
軍部が独裁的であった日本は、数人の軍人のトップの判断で戦争に走った。
どんな国でも、独裁者が支配し、民主的ではない国は好戦的になりやすい。
中国政府が今のように、中国人に日本を憎むように教育している限り、日本人
は安心して「日中友好」を信じきれない。中国国内で働く日本人は多く、中国
国内で多くの雇用を産み出しているし、経済に良い影響を与えているはずなの
に、13億の中国人が反日になることが、共産党中央宣伝部の意向なのだ。
多くの中国の国民は、日本の貢献度を知らされていない。今でも戦争の賠償が
まだだと信じ込んで怒っている。それが中央宣伝部や軍青年部の「思惑」だか
らだ。
アジアの中で日本は、もっと積極的に平和を獲得する活動をしなければならな
い。中央宣伝部や軍青年部の「思考の民主化」なしに中国の民主化はないし、
ーーーアジアの平和、ひいては日本の平和もありえないのではないかーーー
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