中国が軍事転用可能な技術や製品を積極的に調達中
中国が必死になって他国の技術を取り入れて、
軍備の近代化をなしとげようとしている。
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米国政府は中国の軍事力増強に
深刻な懸念を抱き、特に中国軍が長距離ミサイルでの
命中度の高い先制攻撃能力をも増そうとして、ロシアなど
外国から各種の兵器とともに、軍事転用可能な非軍事の汎用の
技術や製品を積極的に調達しているという報告を明らかにした。
この報告は米国議会の超党派の政策諮問組織
「米中経済安保調査委員会」が十七日に開いた
「中国の軍事近代化」という主題の公聴会でブッシュ政権の
ベス・マコーミック国防副次官により証言として公表された。
同副次官は、まず中国がアジア地域での政治、経済のパワーを
強化するとともに、軍事力も大幅に増強しているとして、米国としては
中国軍に透明性を求めるとともに、その方向、目的、意図などを観察し
続けるというブッシュ政権としての基本的立場を明らかにした。
同副次官は「中国はアジア太平洋地域での軍事バランスを自国に
有利に変えようという意図の下に、まず米国からは合法、違法の
両方の手段で軍事関連技術を獲得し、ロシアなどの諸外国からは
直接の輸出入という形で兵器類を調達している」と説明した。
同副次官は中国の人民解放軍がいま特に能力を向上させようと
している分野として
長距離、短距離の弾道ミサイルと巡航ミサイル、潜水艦、高度の航空機
などを挙げ、米国として懸念の対象となるのは中国軍の
(1)米国本土に届く戦略核ミサイルの生存性、耐久性、命中度
などの向上による近代化
(2)生物化学材料の兵器化と高度化学兵器戦争の調査、開発の技術取得
(3)中国独自の宇宙軍の創設や人工衛星の打ち上げ
(4)命中度の高い先制攻撃能力の開発と総合的防空への対処
(5)核兵器を含む大量破壊兵器の部品やミサイル・システムの拡散の発信地機能
(6)ソフトウエアなどの情報技術など軍事転用可能な汎用技術製品の
単なる貿易、合弁企業、あるいは企業買収による総合的な獲得努力-などを
指摘した。
マコーミック副次官はこのうち中国が特に汎用の技術や製品を米国から
輸入しようとするケースが急増しているとして、年間一千件の許可申請のうち
およそ70%前後が承認を受けることを明らかにした。
同副次官は米国防総省が特別に注視する中国側の汎用技術・製品購入の
例として次のようなケースを挙げた。
▽化学製品工場の施設、化学製造の技術、有毒ガスの監視システムなどの
調達(中毒ガスなど化学の開発を意図する)
▽生物兵器関連の施設や中毒の材料と技術の調達
▽電子機材や半導体の製造施設、暗号解読関連施設の調達
▽飛行のための航空図▽工作機械
▽熱イメージ・システム
▽希少金属と合成物質などの調達。
同副次官は以上のような物資や技術から中国軍の軍事能力増強が
進んでいることへの警戒を訴えた。