猫の気持ち
年を取って、黒い毛の中にしらがが増えたわたしの猫ちゃんは、
最近急に腎臓と肝臓が悪くなったので、病院に通っている。
皮下に点滴をして水分を補給し、腎臓が処理できない老廃物を無理やり
尿から排斥するようにしている。腎臓の機能が弱っているので、
腎臓が脳に血液を作れと指示するホルモンが出ていないようなので
造血促進用ホルモンも注射している。蓄膿症で、鼻が詰っているため、
匂いがわからず、食欲が出ない。それでどんどん痩せてきた。
蓄膿症のためか、白血球の数が多い。それで抗生物質とインターフェロン
の注射も打っている。( インターフェロンは週に一回 )
腎臓が悪いと胃に胃酸が多く出過ぎるため、胃酸を押さえる
薬も注射している。食欲が無いので、食欲が出る精神安定剤の錠剤も
飲ませている。これを飲ませると、副作用としてやけにお腹がすいてくる
ので、食の細くなった猫もご飯を食べてくれる。その他に、血液を作るために
プルーンのような甘いシロップを、朝晩飲ませている。
腎臓の数値はまだ上がっていないが、肝臓の数値はずいぶん良くなった。
ご飯も食べるようになって、400グラム太って3900グラムになった。
病院に行くのも今は一日置きだ。注射されたり、錠剤を飲むのが嫌で、
病院に行く日は部屋のどこかに隠れて出てこない。
薬を飲む時間にもどこかに避難してしまう。わたしが会社に出かける時間に
なると、ひょこっと出てくる。病院でも注射を打たれるたびに、
「にや~!」(訳:痛い!)と言って怒っている。怒る元気が出てきた
のはいいことだ。明らかに病院に行くのを嫌がっている。
でも、病院に行かないと、腎臓の数値が悪いので命が縮まる。
注射の跡が硬くなってきている。原因不明の潰瘍が背中にできている。
痛い思いをさせて、無理に長生きさせているような気もする。
「春までもちますか?」と、お医者さんに小さい声で聞いたら、
(万が一、日本語を理解していたら、聞こえるとかわいそうなので、
小声で聞いた。)
「いや~。わかりません。猫ちゃんは調子良くなったなと思っても
急にガクンと調子が悪くなる場合があるんですよ。」と、言われた。
飼い主の自己満足で、無理やり長生きさせているのかなとも思う。
でも、昨日友達のお母さんの話が言った話を思い出す。
「わたしの友達の犬は2ヶ月苦しんでうなりながら死んだのよ。
医者が安楽死させましょうか?って何度も言ってくれたそうだけど、
その犬、生きたかったんやね。医者の前では絶対苦しそうにしないで
ピタッとうなるのを止めて黙っていたんやて。医者が帰ったら直ぐ
う~ん、う~んって、うなって苦しんでいたんやて。それにくらべて
わたしの犬は、苦しまずに死んだからマシやったわ。」
ちゃんと犬でもどうして欲しいか意思表示しているようだ。
わたしの猫は調子が良くなってきたから、あんまり病院に行きたいと
思わなくなったのかもしれない。
猫の気持ちを尊重しながら、適当に間隔をあけて治療をしようっと。
(ちなみに医者は毎日通院して点滴しないと、腎臓はよくならないと言う
のだが、猫ちゃんが隠れて出てこないので自然と一日おきになっている。)
今日は2月22日。猫の日だそうだ。家に帰ったらいつもより長めに
可愛がってあげようかな。