ドミニカ共和国日本人移民訴訟問題
戦後のベビーブームで、人口が急上昇し、もうすぐ1億人に達しようと
するころ、日本政府は余剰人口を「移民」を募る事で減らそうと考えた。
多くの移民の中で、ドミニカ共和国に渡った日本人家族達が、
日本政府のいいかげんな調査と移民の募集要領に騙されて、
ドミニカ共和国で、50年間に渡る苦しみを受ける事になった事を、
日本政府を訴えた。
外務省が、日本人の移民たちに渡した文章は、
「20年たっているので時候が成立している。」という、人間味の無いものだった。
当時の日本の外務省は、農業の経験の無い者に調査にいかせ、外国との
国境近くの、水の全く無い不毛の土地を日本人移民に購入させた。
当時の約束では、無償で広大な耕地を与えるという約束だったのだが
実際には、水が出ないにもかかわらず有料であり、日本人移民の身分は、
コロニア時代の奴隷並みで、分譲地から出るのにも、ドミニカ共和国政府の
許可証を取らねばならないという、最低な身分を押し付けられた。
日本人移民は、水の出る土地を、自費で購入する他なく、持ってきた資産も
尽き果てて、日本に帰る事もできなかった。
日本に帰る事ができた家族は、全員日本に帰ってしまったのだ。
日本政府のずさんな移民対策のために、その後も日本人移民は
何の助けも日本政府から得る事ができず、今でも電気も通らない場所で
貧民者と呼んでもいいほどの貧しい生活をし強いられている。
水が出る土地を買うために日本政府から借りた資金は、ペソの暴落で
恐ろしいほどの額に跳ね上がった。借金の催促は、毎年国から
来るのだと言う。苦しい生活を助けようと、日本に出稼ぎに来た
日本人移民の三世である孫も、日本の国籍ももらえず、貯金も思うように
貯める事ができず、日本の生活にもなじめなかったという。
日本政府が見捨てたドミニカ共和国の日本人移民達は、この現状を
日本政府に訴え、彼らを救済する事を願ったのだった。
そんな彼らに「時候だから、訴えは無効である。」とする日本政府の
対応は、本当に冷たくビジネスライクで、人間味の無いものであった。
韓国政府には、戦争の賠償金を善意から一括して与え、
中国政府には、多額のODAを貸し、同額以上の援助金を贈る日本政府
であるのに、なぜ、日本人を救わないのか。
罪の無い日本人を騙してドミニカ共和国に送りつけ、借金漬けの
苦しい人生を背負わせた罪を認めて彼らに誤り、
せめて借金だけでも帳消しにしてあげるべきだ。
外国人には優しく、身内に冷たい日本政府なんて、嫌なタイプの
日本の親父のようだ。
外面だけ良くて、家では家族に冷たいなんて最低だと思う。
裁判の結果は4月に出るそうだ。ここで過去の罪を認めて、彼らに
保証金を渡さない政府なら、日本は民主的な国とは言えないと思う。
ブラジルやペルーの移民はともかく、ドミニカ共和国に行った日本人
移民家族は、日本政府に騙されたのだ。今までも、彼らが
どれだけ苦境を訴えても、日本政府は何もしなかったのだという。
日本のODAで作られた貯水池も設計ミスで使い物にならず放置されている。
小泉首相も忙しいだろうが、外国に多額の援助金を贈れる国なのだから、
日本政府の犠牲となって苦しんだ彼らに特別な計らいを考えて欲しい。
思いやりがあるところを、見せてほしいと思う。彼らは日本人なのだ。
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