中国で2005年は邦人106人死亡
2005年に中国本土で病気や事故により死亡した邦人
前年比11人増の106人に上ることが26日までに分かった。
NNAが中国各地の在外日本公館を通して調べたもので、
日系企業の進出などに伴う日本人コミュニティー増大で
死者の数は増加傾向にあるようだ。
昨年は駐在員などの在留邦人が死亡する割合が
上昇しているのが特徴となっている。
100人以上の邦人が死亡した事実は、日頃の健康管理や
各種の安全対策の大切さ
をに改めて示している。(中国総合版編集部長・江上志朗)
中国本土内の在外公館によると、昨年1年間の
邦人死亡者106人のうち、最も多かったのは
上海総領事館管内の43人。
続いて北京大使館管内(29人)、
広州領事館管内(19人)、
瀋陽領事館管内(7人)の順となった。
増減では大連出張駐在官事務所管内が前年の12人から
6人に半減したのを除き、ほかの公館館内はすべて増加
していることが判明。
日中間の経済・文化交流が深まる一方で、
犠牲者数も増えているようだ。
■「お酒」原因も多く
死因別では、各公館とも心臓や脳血管障害による病死が
半数以上を占めた。
40代の邦人が歩行中に倒れ、病院で死亡するケース
(上海管内)を始め、日本からの出張者が到着翌朝宿泊先の
ホテルの自室で亡くなっていた(広州管内)など、通常の
生活で突然死する例もあった。
最近では、多量のアルコールを飲んで死に至るケースも増加。
上海管内では、夕食時に途中で気分が悪いと訴え、
2時間後に死亡した事案もあった。
50度以上のアルコール度数の白酒(パイチュウ)の大量摂取や、
出張による疲労も影響して体調が一気に悪くなることも考えられ、
こうしたことを考慮し無理をしない飲み方が大切だ。
■増える駐在員被害
死者のうち、駐在員などの長期滞在者(在留邦人)の数は
全体の6割程度であることがわかった。
5万人以上の邦人を抱える上海管内で死者43人のうち31人が
長期滞在者で3分の1を占め、前年の半数よりも割合が高くなっている。
また、高齢者が旅行中に死亡するケースも増えており、
重慶領事館管内で確認された2人がいずれも高齢の旅行者だった
同様の傾向は大連管内でも目立っているという。
長期滞在者・旅行者とも健康管理をきちんとしていれば、
最悪の事態を免れた可能性もあり、海外に滞在しているという
自覚が予防策につながるものとみられている。
■「買春」で14人拘留~上海
事件・事故関連では、昨年は反日デモなどで邦人被害の
増加が懸念されていたが、殺人・傷害など重大犯罪に巻き込まれる
ケースは少なかった。
ただ、スリやひったくりといった事案は各公館管内で頻発。
いずれも反日デモとの直接的な関連性は無いものの、
中には、けがを負うケースもあり注意が必要だ。
また、上海館内では邦人男性による買春摘発事案が急増。
前年は2件4人が公安当局に拘束されていたものが、昨年は
7件14人に増加した。
大連館内でも1件の買春事案が確認されており、酒場やサウナに
関連した邦人摘発のケースが目立った。