建築業界の常識 | 日本のお姉さん

建築業界の常識

友達のご主人は建築業界で働いている。友達によると、

建築業界とは、いろんな事がまかりとおっている魔界なのだそうだ。

まず、お得意さんが社内旅行に行く場合、カナラズ「カンパ」の

依頼があり、それも額まで指定してくるそうだ。

出さないわけにはいかないそうだ。それもはんぱな額ではない。

名前を変えたワイロの要求だ。

一般の家でも、まず設計図を見せて検査を受けてゴーサインが出ると、

その後に、壁と壁の間を10センチしか開けずに、別の家を建てるそうだ。

設計図では、車庫のハズなのに、そこにもう一軒家を建てて売るのだそうだ。

立派な建築会社に建築を依頼すると、下請けに丸投げするのは

当たり前で、責任者は、一度か二度見学に行けばいいだけ。

違法が見つかれば、実際に建てた会社の責任にして、逃げる。

丸投げされた会社は、さらに下の会社に丸投げする場合もある。

そのたびに、実際の建築費用が減る。

当然、下請けはもうけが少ないので、あちこち手抜きをして建てることになる。

だから、設計と、原材料を外国から直接輸入して、全部責任を持って

家を建ててくれる個人の会社に頼むと、渡したお金をそのまま使って

いい家を建ててくれるから、結局安くできあがる。

大会社に頼めば安いという訳ではないらしい。


ある会社が手狭になったので、建て直しをすることになって、

友達のご主人に相談に来たのだが、その会社が建築を頼んだ

建築会社が違法建築をしており、

立替えをすると、もっと小さい会社になってしまうことが判明。

立替えは、とりやめとなった。実際に建築に使った費用を聞いてみると、

建築会社は、信じられないような手数料を取っていたそうだ。

半分以上、手数料に取られており、建材は最低の物ばかりで

完全な手抜き工事で出来ていたそうだ。しろうとを騙すのは、

建築会社には、「当たり前」のことらしい。

友達のご主人は誠実な人間で、勤めている会社も信頼できる仕事を

してくれるらしい。しかし、しろうとには、どの会社が誠実な仕事を

してくれるのか、見分ける事がまず難しい。


別の友達に、個人で建築会社を持って、設計から材料の手配など、全て

自分でやる人がいる。彼の得意なのは、欧風なタイプの家で、

外国では政府関係の建物も多数手がけたアーティストである。

彼の苦悩は、なるべく安く、すばらしい設計で家を建て、

デザイン料や手数料なども、お客様から良心的な額しか

もらっておらず、額も最初から話し合いをしてきちんと決めているのに、

家ができあがってから「もっと、まけろ。」と、言うお客さんが多いこと。

個人の建築会社である彼が誠実でも、客が不誠実なのだ。

大手の建築会社に頼む客は、払う時になって、もっとまけろとは

言わないはず。法的手段に訴えるわけにもいかず、

そのまま約束の額を払ってもらえずに、利益が無くて泣いているらしい。

儲からないので、彼は今別の仕事で生活している。

すばらしいデザイナーなのに、本当にもったいないことだ。

特にひどいのは、設計だけさせてそのまま設計図を持ち去り、

そのデザインで他の会社で家を建てる客が多いこと。

あまりにもひどいので、デザイン料は取る事にしたそうだ。

日本では建築会社だけが悪者なのではなく、客も悪いので、良い

デザイナーが日本では、育たないのではないか。

騙しあいに勝った者が得する仕組みなら、法律が機能していない

二流、三流の国と変わらないではないか。


政府は気合を入れて違法な建築がまかりとおる建築業界の違法行為を

しっかり摘発して裁いてもらいたい。検査機関が少人数で、

手が回らないなら、人数を増やせばいい。

天下りのろくでもないヒマな部署を潰せば、いくらでも必要な部署に

人員を増やせるはずだ。


阪神大震災の時にも、倒れなかった建築物もあったのだ。

倒れたビルや家の中には、違法に建築された手抜き工事されたものが

多数あったのではないか。

阪神大震災で、倒れなかった家を作った会社は、信用されて

たくさんの家を受注しているそうだ。友達もそれで、その会社に頼んで

家を建てた。下請けの建築会社が建てたのだが、担当者が

毎日のようにチェックに来てくれて、安心できたそうだ。

日本はこんな状態でも、韓国や台湾よりも手抜き工事具合がマシらしい。

一流の国になるように官民とも、少しは努力をしないといつまでも、

進歩しない国のままなのではないか。

いったい政府の中で、誰が本当に日本という国を高めていこうと

考えているのだろうか。

地震が起きて、家が潰れると人が死ぬという現実問題に

目を向けて、真剣にこの問題を考えて欲しい。