中国の官僚病 | 日本のお姉さん

中国の官僚病

国を、一つの箱に入っているシュークリームの山に例えると、一番下には、
砂糖が12億粒。その上に、親指の爪ぐらいのミニミニシュークリームが乗っか
り、そのさらに上に、小さめのシュークリームが、そのもっと上に普通の大き
さのシュークリームが乗っかり、

一番上には特大のシュークリームが、トップにはドッジボールぐらいのがデ~
ンと乗っているんです。これが中国の官僚制度で、

給料はあまり差がなくても、受けられるサービスは一般人とは全く違い「おい
しい」クリームが詰っているんです。これが、今までの中華人民共和国のカタ
チでした。

ところが中国は、このままでは社会が官僚制度でガチガチになって機能しなく
なって、自国が経済的に遅れた国になっていることに気が付いたんです。それ
で、経済特区を設け、経済を開放し、才能ややる気のある人間がまず金持ちに
なり、中国をレベルアップさせるという、新共産主義体制に入ったのです。

中国の今の状態は、一番下の砂糖の部分にも、チョコレートが混じるようにな
り、シュークリームでありながら、中身はチョコレートであるような塊がミニ
ミニシュークリームの中に混じるようになりました。

普通の大きさのシュークリームたちが、ドッジボールのような大きさになった
りするので、箱の中はむちゃくちゃです。幹部であっても、受けられる「おい
しさ」は変わってきているのです。

高級幹部でありながら、受けられる権限やサービスは大きくても、あまり現金
はもらっていないとか、
名のあるりっぱな軍人で幹部であったのに、年金は僅かしかもらっていないと
か、
地位も権威もない砂糖の粒のような地位の者が、年間何億円と稼ぐ者になって
いたり、
経済特区の人間は、ベンツで朝ごはんを食べに出る身分になったのに、

ーーー農民はいつまでも貧しく、都市に出稼ぎに出て、時間給で夜中も働いて
も、一ヶ月5千円ぐらいしかもらっていなかったり、

子供の乞食が街に出没したり、全体に、不公平感と金儲けに取り残された者の
アセリが中国にまん延してきているように感じます。

もちろん、北京や上海などの大きな都市では、外資系の会社で働く者は、それ
なりの給料を手にして、42型テレビも買えるし、海外旅行にも行ける身分に
なっているので、大変満足しているんだと思います。

納得いかないのは、幹部たちです。

幹部は、国からもらえる給料とサービス以外に収入が無いのです――――。

そこで、自らの持てる権力と人脈を最大限に活かして、「横領」するのです。

例えば、軍部の人間や地方の幹部が、建築業界の者と手を組んで、農民の土地
を取り上げ、経済発展のための工場用地として競売にかけます。何億円という
現金が入ります。儲けた金を、幹部や業者や関係者たちと分配して、自分の資
産を増やすのです。

土地を取りあげられた農民は、僅かな金を与えられますが、土地を耕し、農作
物を生産し、のんびり生活していたところへ、ある日いきなり農地も住居も無
くなるのですからたまりません。
僅かな金を持って都会に出稼ぎに行っても、都会では住宅は高くて大変です。

親が都会に出稼ぎに行って家族がバラバラになったり、子供が都会に働きに出
たり、いきなり生活が変わります。生活がいきなり変われば相当な現金が必要
になるのです。ーーー農民はそれ相当の保証金を求めて騒ぎます。

それを軍隊が押さえに行き、棒で殴りつけたり銃を発砲したりするのです。

官僚たちがワイロを受け取ったり、「横領」したりするのは昔からあったこと
ですが、儲け方がよりダイナミックになったのだということなのでしょう。

ーーー中国の官僚たちは、自分達の限界を知っています。

儲けるだけ儲けたら国外脱出を図ります。ちゃっかり家族は先に脱出していま
す。また、ワイロや横領で捕まったら「副」に責任を被せます。

最近のニュースでは、捕まったり責任を負わせられて自殺しているのはいつも
「副」です。(「主」は会議に出るのに忙しく、実務は「副」が行っていたと
いう例もあるとは思いますが)

中国では、共産党のトップたちや軍部は、中国を世界の中心にすべく、エネル
ギーの確保や兵器の近代化や、反日工作に忙しく働いていますが、官僚たちは
昔のままに、観光地で行われる会議に出席したり、海外視察に行ったり、横領
できる場合はしっかり現金をいただいたりしているのだと思います。

共産党自体は、経済を開放したところで何の損害も無く機能しているし、農民
問題もお金の問題です。お金さえキチンと農民に分けていれば、暴動は起きな
かったはずです。

新共産主義の問題は、国際的な仕組に中国人民が従っていない事にあります。
コピー商品の氾濫や、工場の汚染物質を未処理で川に捨てる行為などは、中国
人民が「躾けられていない」から起ることです。

外国企業が、ひとつヒット商品を作れば、すぐさま同じような商品を作り、そ
れを売る店に売りに行きます。中国人民も、安いニセ物を買います。店は仕方
なくニセ物を店に置くようになります。

外国の合弁会社で働いている人でも、横領ができるチャンスが来るとすぐさま
その話に乗ろうとします。外国人が叱ると、「バカじゃないの?」というよう
な顔をします。
ーーー見つからなければ何でもOKという考えが中国にはあるのです―――。

それぞれの中国人が個人主義なので、全体的には「中華思想」ができあがって
いるのです。自分さえよければ、川が汚れても、農民が苦しい生活を余儀なく
されてもOKだと考えるのです。

いったん官僚になれば、どんどん上に昇格していき、それにともなうサービス
も拡大されていくという中国の習慣は、一般の会社の中でも適応されます。

みんなやたらと会社の中で高い地位に付きたがるし、評価されない(高い地位
と給料が与えられない)会社は、直ぐに優秀な中国人からは見捨てられます。

高い地位に就くと、直ぐに権力を使いたがります。中国の官僚主義の名残なの
だと思います。

日本なら愛社精神でがんばるハズの場面でも、中国ではそうはいきません。
時間が来たらサッと帰るのは、家族が大事だからです。日本人が見習わねばな
らない部分もあると思います。家族が崩壊したら、子供がグレて健全な社会で
生きていけない人間になり、そのような人間が増えるといずれ国が滅びます。

中国人の家族を愛する態度は、日本人も見習ったほうがいいかもしれません。

中国人はもっと、自分の家族だけではなく、他人を愛し、地球を愛するように
ならねば、経済だけ発展しても、官僚のワガママがもっとダイナミックになる
だけです。

中国人に足らないのは「道徳観」です。宗教が事実上許されていないのが原因
でしょうか。(外国向けに開放されている宗教施設はありますが、政府の監視
下のみの活動しか許されていない状態)

中国政府は、「道徳観」を中国人民にどのように植えつけるのでしょうか。
オリンピックをきっかけにしてがんばってほしいと思います。そうでないと、
コピー商品や汚職や公害や農民の苦労は無くはなりません――――。