忍者の話
子供の頃、「伊賀の忍者赤影」というマンガが好きで
小学校低学年の頃から、借家にあった土蔵の
二階(屋根裏)においてあった古いマンガを読みあさって
いた。全部読破する前に、家主の子供(中学生ぐらい)が
引越しして土蔵も閉められたので読めなくなったけど、
おかげでみんなが知らないマンガも読んだことがあると
いうわけ。「冒険ダン吉」も読んだことがあるし、
「のらくろ二等兵」も読んだ事があるのだ。子供ながら
「これは古くて有名なマンガに違いない。」と思って
ありがたがって読んでいた記憶がある。
滋賀県の親の友人宅にあったマンガも、滞在して
いる間に読破した。古いマンガもたくさんあった。
手塚治虫の「リボンの騎士」もそこで読んだ。
小学生1・2年生のくせに普段は立ち読み専門だった。
本屋さんにはさぞかしうっとおしい子供に見えたことだろう。
梅図かずおの「へび女」も本屋で
立ち読みした。恐くて恐くて、マンガをそっと開けては
閉め、開けては閉め、少しずつ立ち読みした。
しばらく夜に角を曲がるのが恐かった。
「へび女」はいつも塀の角に立っているのだ。影だけが
地面に伸びているのが何ともいえず恐かった。
後は、近所の小児科医院の待合室に
病気でもないのに侵入して、「荒野の少年イサム」とか
「サブマリン707」とか「夕焼け番長」とか
「紫電改の鷹」などを読み漁った。
伊賀の忍者赤影は普段は強いくせに、たまに捕まったら
敵にめちゃくちゃにされて水責めの拷問にあうのだ。
足をくくられ天井の梁から吊るされ、下に置いた水がめに
どぶん!と漬けられるのだ。
水の中で泡を吐きながら苦しんでいる赤影が弱そうで
何とも言えずセクシーだと思った。セクシーなんていう
言葉は当時無くて、今の言葉で言えば「萌え~!」なのだが、
普段強い男が、弱そうに見える時のギャップに
うっとりしてしまったのだ。毎回拷問にあっては、仲間に
助けられてめでたしめでたしで終わるのだが、
毎回赤影が敵に捕まって水責めにあうとワクワクしたので、
もしかしたら性格に残酷な部分があるのかもしれない。
でもヒーローはあんまり強いと面白くないのだ。
ウルトラマンも3分しか戦えないから、ドキドキするんだよ。
弟(当時6・7歳ぐらい)に伊賀の忍者赤影ごっこをしようと
持ちかけて、天井の梁にロープを掛け、
(古い家だったので梁があった。)
弟の両足をロープで縛り、天井に吊り上げようとしたことがある。
弟が足首が痛いと異常に痛がったのでそれは止め、
ロープでかばんを吊り下げて、ちょうど家に遊びに来ていた
親の友達の連れてきた幼児をカバンに座らせて
さらに吊り上げようとしていたら、幼児の母親に見つかり、
弟と共々、幼児の母親に往復ビンタで張り倒された
ことがある。悪ガキだったのだ。
白戸三平のカムイ外伝が大好きで、今でも抜け忍カムイが
山奥で木こりの集団に紛れ込んでいた時に、
つると仲のよい少女に出会う話や、
カムイが猫を可愛がる話が大好きだ。どの話も悲しい最後で、
カムイがとてもかわいそう。かわいいタイプの男が
かわいそうな目に会う話が好きってことなのだ。
現実でもカムイのような細くて可愛くて繊細そうな人が、
本当は強いのにかわいそうな様子をすると、そのギャップに
惚れると思う。
今のところ、そんな人には出会っていないけど、
影のある強い男って好き。
マンガの主人公に惚れる子供って、今でもあんまりいないから
オタク系の子供だったのだろう。
子供の時は将来マンガ家になると思っていた。
普通に会社で仕事している自分が不思議。
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甲賀忍者
http://www.geocities.jp/kafukabj/
徳川家康の伊賀越え