東アジア共同体「開放的協力を」 麻生外相、中国けん制 政策講演
麻生太郎外相は七日、都内の日本記者クラブで講演、対アジア外交の基本方針について講演した。十四日にマレーシアである第一回東アジアサミットについて「将来の共同体形成に向け育てていかなければならない」と強調。中韓両国との協調を掲げつつ、共同体の枠組みを東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)としたい中国をけん制した。
麻生氏は同サミットがASEAN・日中韓にオーストラリア、ニュージーランド、インドを加えた構成となったことを、「共同体は開放的な協力があってこそ前進できる」と指摘。米国との連携必要性も強調した。
中韓との関係については、過去への反省を持ち続ける必要性を指摘し、中国の発展を歓迎する姿勢を示した。他方、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題には直接言及せず「個別の問題で全体を損なわないこと、和解と協調の精神で過去を克服し、過ぎ去った事実を未来への障害としないことが重要」と述べた。
また「日本の歩みを戦後六十年総体の中で見てほしい。過去の過ちを繰り返すまいとする心情にいささかの偽りもない」と両国に理解を求めた。
講演はサミットを前に打ち出した“麻生外交ビジョン”。アジアでの日本を民主主義や市場経済の「実践的先駆者」と位置付け、アジア安定に向けた日米安保の役割を強調しつつ、各国との対等な関係を構築していく姿勢なども打ち出した。
(西日本新聞) - 12月8日2時17分更新