スペインのジプシー | 日本のお姉さん

スペインのジプシー

スペインにはカタルーニャー人という北西部の島々に住む


人種が16%、北西にはガリシア人が8%ビスケー湾沿岸には


バスク人が2%、その他ローマから入ってきたいろいろな人種が


いるが、ロムと呼ばれるジプシーも多数生活している。


ロマノ(ジプシー)たちは、ある日突然隣の空きビルが騒々しいと


思ったら、そこにいるというような移動する民族で、さんざん


ゴミなどを撒き散らし周辺の住民が匂いに耐えられないように


なってくるとある朝突然いなくなるのである。


彼らは掃除などする習慣はない。定住もする気が無い。


フラメンコと歌を愛し、芸術を愛する芸能人集団なのだ。


今では定住し、職を持つジプシーが増えてきた。


窓の鉄格子を作るなどの伝統的な技術を持ち、国から伝統


技術の継承者と認定されても仕事はたまにしかなく、


貧しい生活を営んでいる。けれども彼らはへこたれない。


食べるものさえあれば、暮らせるのだと考えている。


一般のスペイン人は、彼らの存在を犯罪に走る集団という目で


見ているが、定住したジプシーには寛大なようである。


フラメンコで有名になればアメリカに移住するジプシーもいる。


彼らがいなければスペインは歌声の無い寂しい国になりそうだ。


アンダルシア地方にはジプシー文化がいっぱい溢れている。


誰かがアラブ風のもの悲しいメロディーで、歌を歌えば


みんなが独特な手拍子で歌に参加する。子供でも上手に手拍子


ができる。一般のスペイン人もフラメンコを学校で習うし、


フラメンコの競技場だってある。ジプシーに対する差別は無いとは


言えないが、スペイン人は汚い家や、服装には厳しい視線を


おくるので、ジプシーでも、ちゃんとシャツやズボンにアイロンの


折り目が付いている服を着ていれば、スペイン人受けはいいのだ。


ジプシーの誰かと友達になっても、いつかは彼らはどこかに行ってしまう。


フランスやスペインなど、国境は関係なく彼らは移動する。


EUが統合される以前から、彼らは自由に出入りをしている。


今はもっと移動しやすくなっているのではないだろうか。


昔はジプシーも無理やり定住させられたり、子供をフランス


政府に取り上げられ、ジプシーを嫌う教育をされたり、迫害


された時期もあったそうだ。


スペインのアンダルシア地方のある街で、かたつむりを


食べさせるレストランの外のテーブルに座ったら、


隣のテーブルではジプシーたちが明るい声で笑いながら


かたつむりを食べていた。


彼らはジプシーで有名な歌手だよと、周りの人が教えてくれた。


普通のスペイン人よりも幸せそうに見えたのは、芸術家たちの


集まりだったからだろうか。かたつむりが食べられるという事は


ジプシーにとっては裕福であるということなんだろう。


スペインにジプシーがいなくなったなら、観光客も寂しくなる。


スペインはいろんな人種が比較的幸せに住める国だと見た。