ツキノワグマの災難
全国のツキノワグマの数は一万頭から一万五千頭だと言われている。
昨年捕獲されたツキノワグマは22,345頭。その内、山に帰されたのは
2割。後は全頭、処分された。
去年は山のどんぐりが不作で、クマはえさを探して人間の住居付近に
降りてきたのだそうだ。そして、処分された。おかげで、今年は
ツキノワグマ捕獲数は激変しているそうだ。今年はどんぐりは豊作
だったことも影響して、捕獲数が減っているのだろうが、
ツキノワグマの頭数自体がが激少しているのだそうだ。
一部の山では、クマのために実のなる木を植えて、クマを日本から
絶滅させないよう、努力を始めているようだ。
野生動物が絶滅するような国は、人間だって住みにくい国に
なっているということだと思う。
クマが出るという警告が出されているのに、きのこ取りに山に
入って、案の定襲われているお年よりもいたが、あのニュースを
見て、わたしはクマに同情した。クマは悪くない。
クマは野生の声に従って生きているだけだ。クマの棲みかを
どんどん荒らしに行く人間が悪いのではないか。
警告を無視して、クマに襲われ立派に戦ってクマを殺した
おじいさんたちは、あっぱれかもしれないが、最近流行の
自己責任の法則(?)から言えばおじいさんたちは、NGだ。
人間も野生動物も共生できる日本を作っていこうという
アイデアは日本人には無いようだ。山を潰してイベント会場を
作ったり、少子化が危ぶまれているのに、山を削って、
どんどん家を建てている日本は、指導者がしっかりしていない
どこかの国と同じレベルだ。
山の木を焼いて畑に変えたり、薪にして町で売ったり貧乏な
国民が好きなことをして国土を丸裸にし、大雨になると、山に
木々が無いので土砂災害が起こる国があるが、自然を
大切にしない国は、自然と共に不毛の地となるのだ。
「他人のふり見て、わがふりなおせ。」という言葉は、誰の
言葉なのか知らないが、日本には賢明な政府があるのだと
信じたい。