フセインを憎む人は多いけれど
イラクのフセインは、クルド人を細菌や化学兵器で殺したり、
シーア派の重要人物を殺したりしていたので、憎まれているが、
シーア派も裁判を待たずに、フセインの弁護士を殺している。
フセインは、アメリカ軍にトイレに入っている写真を撮られて公開
されたりして名誉を傷つけられているが、自分の裁判では、堂々と
意見を言っていた。
「戦争に勝ったものが与えた身分など認めない。お前は何者だ。
だれが、お前を裁判官だと任命したのか。
こんな裁判は茶番だ。わたしは、元大統領なのではない。今でも
イラクの大統領だ。この裁判自体を認めないし、お前を裁判官と
して認めない。」と言っていた。
昔から王様は戦争に負けたらみんなの前で首を切られさらし首に
されたのだ。戦争に勝ったものが行う裁判は、本当に茶番だが、
ある国の国王のように、国民にリンチにあってみんなの目の前で
殴り殺されるのも野蛮すぎて見ていられない。
茶番でも、裁判形式は必要だろう。
戦勝国が負けた日本を裁いた東京裁判も茶番だが、
戦争に負けたら、昔からどこの国でもトップは殺されることに
なっているのだ。フセインも国王らしく、威厳を保って最後を迎える
つもりなのだろう。アメリカがフセインの恥ずかしい写真を公開するのは、
アラブ人にすれば卑劣な行為だ。悪い国王でも、そこまで
貶めると逆にアメリカがひどい国に見えて評判が悪くなる。
穴倉から発見された時は、テロ集団のオウム真理教(アーレフ)の
ボスと同じ状態だったので、不思議な感じがした。
裁判所でのフセインの態度は悪い独裁者だったとしても、毅然として
いて立派だと思った。
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イラク特別法廷でフセイン元大統領側近だった被告の弁護人を務めていたサアドゥン・ジャナビ氏が20日夜(日本時間21日未明)、バグダッドで武装集団に拉致され、翌21日、同市内で遺体が見つかった。特別法廷は19日に初公判が開かれたばかりだった。今後の元大統領らの審理にも微妙な影を落としそうだ。
ロイター通信などによると、ジャナビ氏は、元大統領や旧政権幹部ら8被告の弁護団13人の1人で、旧政権下で「革命裁判所」長官だったバンダル被告を担当していた。同被告はイラク中部ドゥジャイル村での住民虐殺事件に元大統領らと共にかかわったとして、人道に対する罪に問われている。
19日の初公判で同被告は、元大統領の右隣に着席。ジャナビ氏の姿もテレビで放映された。バグダッド市内の自宅兼事務所から拉致され、遺体は頭と胸に銃で撃たれた跡が複数あったという。犯行声明は出ていない。