大人のADHD(注意欠陥多動性障害) | 日本のお姉さん

大人のADHD(注意欠陥多動性障害)

ADHD(注意欠陥多動性障害)は、病気ではありませんが、


日常生活に支障をきたしていると感じない場合、治療の


必要の無い障害です。家族や他人の目から見て、治療の必要が


あると思われる行動があっても、本人に生活改善の意志が無い


場合、行動特性を解消することは難しいのです。


本人に自覚を施し、自分の行動特性を理解してもらい、良いところ


は伸ばし、悪いところは補うよう心がけてもらうことが、大切です。


生活障害を自覚する時期は、人によってまちまちですが、


100人にアンケートしてみた結果は小児期に気が付いた人が20人、


学生時代が26人、社会人になってから気が付いた人が29人、


結婚後が12人、出産後が5人、その他が8人となりました。


ADHDの原因は不明ですが、脳の前頭葉や側頭葉で、考えや


行動をコントロールする機能が、なんらかの原因でうまく働かない


ということが関係する障害であると考えられています。


ADHDの具体的な行動特性をあげますと、


生活面では、

○だらしがない。忘れ物をしやすい。

○整理整頓ができない。

○ミスが多い。注意力を意志の力で持続できない。

○刺激が多いものを求める。

○物をなくしやすい。

○金銭の管理ができない。

○気ぜわしい。

○マニュアルに従うのが苦手。

○暴力行為を犯しやすい。「つい~してしまう。」等、反射的に行動する

 傾向がある。

○順番待ちが苦手。

○危険な行動をする。思いついたことをせずにはいられない。

○計画を立てたり、準備をすることが無い。

○仕事が完成しない。目先の事や、自分の興味のある事に気をとられる。

 期日までに仕上げなければならない事に直ぐにとりかかれない。

○遅刻が多い。

○先延ばしをする。

心理面では、

○ストレスに弱い。

○気分が変わりやすい。かんしゃくもち。怒りっぽい。

○退屈に耐えられない。

○不安

○心配性

○目標に対する達成感が感じられない。

○自己認識が不正確で対人関係に一喜一憂しやすい。

身体面では、

○アル中、薬中になりやすい。

○しゃべりすぎ。早口。思いついたことを直ぐ口にする。

○不器用。

○手足を無意味に動かす。激しい貧乏揺すり。落ち着きがない。


度が過ぎると職場での評価も低くなり、


上司に怒られたり人格を否定され、自己嫌悪に陥りやすくなります。


その結果自己評価が下がり、自信喪失から二次障害と呼ばれる精神障害に


陥る場合もあります。うつ、摂食障害、パニック障害、リストカットは、


自信喪失から始まる場合が多い精神障害です。


ADHDを持つ子供は、親から強く叱られて育つ人が多く、自信を失って


自己評価が低いので落ち込みやすく、不安感や緊張感を常に感じる


傾向があります。


大人になってからも、だらしない、無計画、うっかりミス、忘れ物が多いなどで、


周囲からマイナスイメージを持たれがちですが、よく自分の行動特性を理解し、


うまくコントロールすれば、魅力的な特性に変えることも可能です。


衝動性は、すばやい決断力に、多動性は、豊富なアイデアを生み出す能力と


して、仕事や生活に十分に生かせることが可能です。



ランディック日本橋クリニック(TELL 03-5255-7588)

林 寧哲(やすあき)さんの2004年9月「暮らしと健康」の記事より。

http://www.fujisan.co.jp/Product/583/b/65493/


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ADHDに限らず、否定的な親に叱られて育つと、大人になっても


自己評価が低くなってしまう場合がある.


自信喪失から、精神障害に陥る人があるというのは、ADHDでは


ない人にとっても、よい教訓になると思った。