フーテンの寅さんみたいに | 日本のお姉さん

フーテンの寅さんみたいに

アフリカ人の友達はフーテンの寅さんが大好き。


あの人の性格はまさしくアフリカ人なんだと言う。


好きなときにぶらっと家に帰ってくるけど、また居こごちが


悪くなると出て行ってしまう。いろんな場所でいろんな人と


友達になる。だけど、最後まで仲良くはできない。結局


寅さんを一番大事に想っているのは妹のさくらだ。


あんな生活しかできないけれど、家族には愛されている。


気ままでいられていいなと、日本人はあこがれる。


あこがれているけれど、あんな風には生きられない。


みんなが持っていない自由で気ままな生活を見て、


「ダメなヤツだなあ!」と笑いながらも、実はうらやましがっている。


そう、アフリカ人の友達は分析している。


今、話題の働かないニートたちは、寅さんみたいに自由じゃない。


寅さんは一応外で働いている。ジプシーみたいに流れていくのが


性にあっているんだ。寅さんはたまにすごくいいことをいう。


それに優しいところがある。いつも誰かに遠慮気味に恋している。


気持ちが若い。それがいいのか悪いのかはわからない。本当に


あんな人がいたら、ずっと独身だろうな。でも帰ってくる家族が


あるから寅さんは幸せだ。「帰ってきた、帰ってきた!」と、みんなが


喜んでいる場面が好きだ。わたしは、フーテンの寅さんみたいじゃない。


ちゃんと仕事をしている。忙しい時は休日出勤もする。家に仕事を


持って帰って、無給で会社の仕事をするときもある。そしてたまに


平日に会社を休んで、公園を散歩したりする。平日に有給休暇をもらって、


旅行に行ったりする。旅行に行く前はいつもの2倍は忙しい。事前に


仕事を片付けておかないと、面倒なことが起きる。次に休みをもらう時の


ためにも、仕事は休んだ時の分と、休み明けに出てきた時に提出する


分を仕上げていく。本当はスペイン人みたいに2ヶ月休みをもらって、


ケニアやペルーやボラボラ島に行ってのんびりしてみたい。お金も


ないと遊べない。でも、時間も欲しい。パソコンで読む無料メルマガには、


どんどん広告が入る。アフェリエイトでかせいで、時間もお金もある


生活をしましょう系の案内だ。それらの情報は無料ではない。無料で


読めるのは「ヒマとお金が入る情報を買いましょう!」という誘いの文章だけ。


なまけ者な上に、疑り深いのでそんなうまい話には乗れない。


お金儲けをしたい人は、どんな事をしてでもお金儲けはやるだろう。


わたしが欲しいのは70パーセントの規則正しい日常生活と30パーセントの


非日常。フーテンの寅さんにはなれない。なれないからテレビなんかに


出てくるヒマそうな芸能人や流浪の人にあこがれるんだと思う。


でもニートにはあこがれない。誰かにお金をもらわないと生きていけない


なんて不自由だ。イギリスの貴族だって、先祖からもらった財産の管理と


いう仕事をしている。大人なら食べていく分だけは自分で稼がないとね。