中国は中国車をドイツのモーターショーに出した。
ドイツ自動車クラブは中国車に警告を出した。
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中国車「陸風」、安全性に疑問も[車輌] |
今年で61回目を迎えたフランクフルト国際モーターショーは、初めて中国メーカーが参加したことで注目を集めた。だが、その製品の質をめぐっては疑問の声も上がっている。独自動車クラブのADACは14日、江鈴汽車傘下の陸風汽車が出品したスポーツ・ユーティリティー・ビークル(SUV)の欧州での販売禁止を呼び掛けた。 SUV「陸風」の衝突安全性テストを実施した結果、過去20年の歴史で最悪の成績だったという。正面衝突の実験では時速64キロしか出ていない状態で運転席が完全につぶれ、生存のチャンスはゼロ。時速50キロでの側面衝突でも、頭部に重傷を負うことが分かった。 欧州では非常に厳しい安全基準が奏功し、近年にドライバーの死亡事故は格段に減少している。だがADACによると、「陸風」はこのスタンダードからかけ離れており、大幅な改善が必要だ。 例えばABS(アンチロックブレーキシステム)やEPS(電動パワーステアリング)といった電子制御システムが搭載されていないほか、ハンドル操作は正確性が低く、走行中の揺れも激しい。ブレーキの利きも良好とはいえず、100キロの走行に11.6リットルのスーパーガソリンを食う燃費の悪さも問題だ。また「仕上げもいい加減」とされる。 陸風汽車は欧州への輸出を本格化させる方針で、6月には最初の200台がベルギーのアントワープに到着。ドイツでは25日にモーターショーが閉幕した後、ケルンを拠点とするディーラーの手で全国展開される見通しだ。販売価格は約1万5,000ユーロからに設定されている。 同社側はADACの見解に猛反発。中国や他の国ではこれまでに数万台を売りさばき、何の問題も起こしていないと強調する。品質管理の国際規格ISO9001:2000の認証も取得済みで、中国の強制製品認証制度(CCC)もクリア。安全性の面でも過去3年に大変良好な実績を残しているとの主張だ。 なおモーターショーにはほかに、浙江吉利汽車と華晨中国汽車が出展。前者は小型車や高級セダンなど5つのモデルをお披露目した。ある調査によるとドイツ人の4人に1人は中国車の購入に抵抗がないとされ、低価格を武器に今後、欧州メーカーへの脅威となる可能性もうわさされている。 |