北朝鮮は援助金で武器を買う
わかっていた。北朝鮮が、外国からの食糧援助の金で、食糧を購入していないって。
ーーーーー
食糧購入費 北、軍事費に転用 米NGO報告「支援調査も妨害」
【ワシントン=有元隆志】北朝鮮がここ数年、食糧輸入の九割を外国や国際機関からの援助に頼り、本来、食糧購入費にあてるはずの資金を戦闘機などの購入に転用していたことが一日、米国の非政府組織(NGO)「北朝鮮の人権に関する米国委員会」の調査報告で明らかになった。
報告は、北朝鮮が国際機関や民間団体の活動を制限するだけでなく、支援が住民に行き渡っているかどうかのモニタリング調査まで妨害しているとも指摘しており、世界食糧計画(WFP)とは別に北朝鮮に食糧支援をしている最大の援助国、中国と韓国に対し、WFPを通じた支援に切り替えるよう求めている。
報告は北朝鮮経済に詳しい米国際経済研究所(IIE)のマーカス・ノランド上級研究員らがWFPや国連食糧農業機関(FAO)の統計や脱北者約千人からの聞き取りなどを基にまとめた。
それによると、食糧輸入に占める外国からの支援の割合は一九九五年以降増え続け、二〇〇一年からは全体の九割以上を占めている。北朝鮮は外国からの食糧支援に頼る一方で、外国からの食糧購入を減らし続けた。
報告は「軍事品や幹部のためのぜいたく品の購入にあてた」とし、具体例として、九九年に食糧購入を二十万トン以内に抑えた代わりに、カザフスタンからミグ21戦闘機や軍用ヘリコプターを購入したことを挙げた。
また、支援物資は一般住民には行き渡らず、軍や高級官僚などに横流しされたほか、最近では市場に出回っていることも確認されたとしている。
これを裏付けるように、脱北者からの聞き取り調査では、四割が外国などからの支援を知らなかったという。支援を受けていることを知っていた人の中でも、支援物資を受け取ったのはわずか7%しかいなかった。
同委員会のデボラ・リャンフェントン事務局長は「北朝鮮は援助国の寛大さを悪用している」と非難した。
北朝鮮は一九九〇年代に干魃(かんばつ)や洪水による飢饉(ききん)に見舞われ、同委員会の推計では六十万人から百万人が死亡した。九〇年代ほどではないものの、今もなお、数百万人が慢性的な食糧不足に苦しんでいるという。