龍の棲む城 | 日本のお姉さん

龍の棲む城

みくちゃんの家は海の側にある。
白い石作りの洋館に手作りの背の高い窓が並ぶ

中世のヨーロッパの雰囲気が漂う家が、

海の見える高台に建っている。
地元の人たちは、みくちゃんの家を
「お城」と呼んでいた。


みくちゃんは散歩が好きな女の子だった。
いつも、海辺で、貝殻を集めたり、犬と遊んだり
している子供だった。


ある日、みくちゃんは、岬の洞窟の前の水溜りで、
タツノオトシゴを見つけた。
みくちゃんは水溜りを毎日見に行くようになった。

タツノオトシゴはどんどん大きくなった。
試しにパンをやるとむしゃむしゃ食べる。


みくちゃんは、ふと、図鑑で見るものとは違うもの
かなと思ったが、与えるものは何でも食べるのが
面白くて、毎日餌を運んだ。

それはじきに大きくなって水溜りから這い出し、
洞窟の水路に住むようになった。


ある日、みくちゃんの犬がいなくなった。
みくちゃんは小学生になっていた。
洞窟の生き物は、姿を見せなくなっていたので、
みくちゃんもすっかりそれのことを忘れていた。


そして、みくちゃんの小学校では、行方不明になる
子供や、漁に行ったきり帰ってこない漁師が
何人かでてきた。


みくちゃんの親は都会に引越しすることにした。
そして10年がたった。


二十歳になったみくちゃんが、赤いオープンカーで
子供のころに住んでいた、
懐かしい田舎の海にやってきた。
親が旅行でいない間に、みくちゃんは恋人を連れて、、
今は別荘になっているみくちゃんの家に
やってきたのだ。


二人は家から続く道を降りて、海へ向かった。
「洞窟に行ってみない?」
みくちゃんは、彼を誘った。
笑いさざめきながら二人は身をかがめて、
狭い洞窟の入り口から中に入ってみた。

「こんなに、狭かったかしら。
わたしが大きくなったのよね!
ここの洞窟はね。子供の頃によく遊んだの。
どこかから光が入っている場所があってね、
青いひかりが海の中に見えるの。わたしの秘密の
場所だったのよ。」


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ちっちゃなタツノオトシゴは実は龍の子供だったの。

10年の間に龍はどんどん餌を自分で調達するように

なっていて、みくちゃんの別荘のプライベートビーチの

洞窟で大きくなっているの。


別荘の管理人の子供が30歳になっていて、

ひとりで7歳の子供を育てているの。その子がいつのまにか

勝手に城に来て遊んでいたの。

その7歳の子とみくちゃんは仲良くなるの。


みくちゃんは、まいごになった7最の管理人の子供を捜しに

洞窟に行った時、洞窟に閉じ込められるんだけど、

その時別荘の土台がゆるいことに気が付いたの。

洞窟で怪しいけものの気配に気が付いて

みくちゃんのボーイフレンドが危険な目に会うの。

警察に言いに行こうとした彼は餌になってしまう。

ボーイフレンドは全然頼りにならずあっさり食われてしまう。

みくちゃんは助けようとしたが足をケガしちゃう。

ボーイフレンドを失ってしまってから

それまでふにゃふにゃしていたみくちゃんが、

野生児のように海で遊んでいた過去の強い自分を

取り戻し、復讐に燃えて龍と戦うの。

洞窟は龍に壊され、別荘が建つ土台ごと

海に崩れ落ちていくの。

龍が地下で、自分の寝床を作っていたので、岩の下が

がらんどうになっていたの。

みくちゃんはわざと洞窟を壊して、龍をつぶして殺すの。


その内、子供のお父さんや村人も気が付いて、助けに来てくれるの。

龍は、死んで流れていく。

でも流されながらベイビーを産む。そのベイビーをくわえる

影があったの。父ちゃん龍が帰って来ていたのね。

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日本の島の下が、中国にガスを吸われてがらんどうになって

壊れて海に消えたらどうしよう。

「日本のお姉さん」より