ドライブ三昧の二人の長い一日。
自分より若い友達にドライブに誘われ、山の中の高速道路をつっぱしる私。
友「今日は曇ってんね。」
私「これぐらいがいいんちゃう?ドライブには。そやけど、目的も無く走ってたら
空しいよね。 温泉に行くっていう目的があるから、
ドライブも楽しめるんだよね。」
友「これで、男とならベストやけどなあ。」
私「そりゃそうやろ。やっぱり男と女の組み合わせがいいよね。
不思議なもんやね。
どんなへなへなの、たよんない男でも、無人島で男と女が
二人きりになったら、 結婚すると思うわ。」
友「それはどうかな。おじいちゃんやったら?」
私「、、、、。びっくりするわ。
何を言い出すやら。おじいちゃんでも、
若返るやろ、女と二人きりで、無人島にいたら。」
高速道路を降りて、曲がりくねった山道をひた走る私。
私「あっ!無人植木屋さん!ちょっと止まるわ。一本100円やて~!
やっすう~!絶対2本かお!!」
友「奥のヤツは何?」
私「げんのしょうこ」
友「薬草辞典、持ってきたら良かった。なんに効くのか分からへんなあ。」
私「ここにあるやつ、ほとんど、分からんわ。これどう?」
友「普通。無理に買わんとき。1本でいいやん。」
私「そやな。ぐみあるわ!やった~!ぐみにするわ!」
友「ぐみって、どんなの?」
私「赤くてしぶくて甘い、細長い実ができるんや。」
友「そのまま食べられるんやったらいいんちゃう?ミニトマトみたいに。」
目的地の温泉に着く二人。
友「露天風呂いこか。そっちのほうがぬるいで。」
私「あっ。向こうに人おるやん!やばいんちゃう?」
友「仕事してはるんや。この辺の人やろ。慣れてるから見いへんて。」
私「川の向こうから、見えるって!座っとき!」
友「知らん人やん。」
私「知らん人やったら、見られてもいいんか。」
内風呂に行く二人。
友「さっき、露天風呂にいたおばちゃん、三人な。一人のおばちゃんがな、
トマトに砂糖かけたら、めっちゃ おいしいゆうてはったわ。
砂糖なかったら黒蜜かけて食べんねんて。
おいしいんかな。」
私「おいしいんちゃう?中国人は砂糖かけて食べてんで。」
友「お姉さんも食べたん?」
私「いや、食べてへん。メロンみたいな味なんちゃう?」
脱衣所で涼む二人。
友「わたし、最近お腹の周りに浮き輪ついてんねん。嫌やわ。」
私「太ったん?」
友「めっちゃ太ったあ。」
私「胸も太った?」
友「胸は知らんけどな。」
私「わたしは、ちょっと痩せたもんね~。」
友「お姉さん、食べんと痩せたらいきなり、体、壊れんで~。知らんで~。」
休憩所で温泉水を飲む二人。
友「なんか寒いなあ。エアコンめっちゃ効き過ぎやん。はよ帰えろ。」
私「熟睡してるおじちゃんおったで。」
山道をつっぱしるわたし。
私「あっ。売店やで。こないだの爺ちゃんが番してるで。なんか買お!」
友「買お、買お!」
私「このフルーツトマトめっちゃおいしいで!」
友「これスーパーやったら高いで、、、。お姉さん、二つ買(こ)うといたら?」
私「そやな。」
ふたたび、山道をつっぱしる。
私「わたしら、二人で700円も買ったから、爺ちゃん、嬉しかったかなあ。」
友「そうやな。」
私「でも、今日の爺ちゃん、テンション低かったなあ。
こないだは、高かったのになあ。」
友「こないだは、爺ちゃん、友達、来とったやん。」
私「あ、そっか。友達来とったから、嬉しかったんやな。」
友「あっ!お姉さん!さっきのぐみ、残り2本とも、売れてんで!」
私「ホンマに?さっき買っといて良かったあ。」
高速道路をひた走り、降り口近くの料金所にかかる。
私「あっ。エンストした!!あっ!またかかったわ。やばいんちゃう!?
エンジンいかれてんちゃうか!?温度がHに近くなってるし!」
友「えええ~。」
私「あれっ!なんか臭い!エンジン焼けてるわ!水、空(から)やったんかな。」
料金所で料金を払う。料金所を出る。
私「ディスカバリーの気持ちが分かったわ。このまま帰るべきか、
ストップするべきか。エンジン冷やすため、左に行って止めるわ。」
友「JAF呼んだら?」
私「そやな。臭いし。ちょっと前、見てくるわ。あかん!!茶色い水出てる!」
友「明日車検に出すんやんな。車検に出す価値ないんちゃう?廃車にして、
新しいの買ったら?」
料金所の横の芝生の上で、JAF(壊れた車を直してくれる会社)のレッカー車を待つ二人。
私「いっつも、土日、祝日に事故に遭っている人、見て、気の毒にって思っていたけど、
自分がそんな目に会ってもたわ。」
友「何が起こるか分からんなあ。」
私「自分がディスカバリーやったらどうする?宇宙ステーションで次の
宇宙船、待っとく?」
友「難しいなあ。」
私「わたしやったら、待っとくわ。」
友「次の宇宙船、いつやの?」
私「さあ、、、。来たかて、二人しか乗られへんから、残りの人は待っとかなあかんねんで。」
友「体、悪くしそうやな。」
私「ロシアの人はずーっと待ってんねんで。」
友「嫌やなあ。」
私「あ、JAFもう来たあ!早かったな。」
JAFに牽引されて車のディーラーの元に急ぐ二人。
友「帰り、どうする?温泉水10リットル持って、電車で帰るの、無理~。
絶対無理~。」
私「どうせ、修理するなら、明日車検に出す店に行ってもろたらいいやろ。
高速道路で行けるし。」
友「店に見てもらって、廃車か車検か決めたら?」
私「廃車やったら代車貸してくれへんやろ。車検にするわ。」
友「水のパイプ割れてたんやったら、他も次々壊れるんちゃう?」
私「あけびみたいにまっぷたつやったで。この車、車検やっても、
金食い虫かもしれんな。」
友「代車貸してくれるんやったら、車で家まで帰れるなあ。」
私「そうや。帰ったら7時半やな。」
友「まだ、明るかったから良かったわ、暗かったらめっちゃ不安やんなあ。」
私「それよか、山ん中でエンストせんで、良かったわ。」
友「ほんまやなあ。」
友達の家の前。
私「じゃあねえ~。今日は、お疲れさまでしたあ。」
友「何があるか、分からんなあ。じゃあね~。」
長いドライブが終わったが、お姉さんは次の約束の場所へ、向かう。
8時半から、別の友達と家で会うことになっている。
代車の運転もすっかり慣れて、まるでずっと前から自分の車みたいに思う。
そして9時半まで楽しく友達5人で、パソコンの話で盛り上がった。
なかなか為になる話だった。明日は教会だ。いつも遅刻だから、今日は
早く寝ようと思うお姉さんだった。