織姫と彦星。
わたしたちのこころは、つながっている。
同じ月を見て、同じ星を見て、同じ思いで言葉を交わす。
遠く離れていても、ふたりの吐息はこんなにも近くて、
次に会えるのはいつかしらと、見えない手のひらを重ねあう。
会えない時間が長いから、育った想いをいっぱい抱えてあなたに
会いにいくわ。
ぼくたちは出会った時から、同じ時間を分け合えない運命だった。
切れ切れのページをつないだ物語がもどかしくて、
出会った頃のあなたの笑顔が欲しいのに、目を閉じれば
悲しく笑うあなたしか思い出せない。
この腕であなたを抱きしめても、別れの時間がドアをノックする。
あなたに出会うたびに、喜びと同じだけの悲しみがぼくを苦しめる。
会えない時間に、ぼくのこころは三日月のようにやせ細ってしまうから、
いっそ忘れてしまいたかった。ぼくにはあなたしかいないってことを。
あなたがたくさんの友達と一緒にいるときは、わたしを忘れていてください。
あなたがひとりぼっちで寂しいときは、わたしを思い出してください。あなたのこころの側に
わたしはいつもいます。二人の体は離れていても、わたしはあなたを見つめています。
道端の花の香りの中に、あなたの髪を揺らす風の中に、
天空の星の流れの中に、わたしを見つけだしてください。あなたがわたしを、想うとき
わたしもあなたを想っていることを思い出してください。
ぼくはあなたの周りを回る星。何度回っても永遠に、二人は重なり合うことは無い。
優しいさようならをぼくにください。時間はぼくたちを置き去りにして、遠くに消えて行った。
止まった記憶の中でしかぼくたちはもう出会えないのだから。
わたしの想いは、どこにいくのでしょう。こころにいっぱいの想いは、消えてしまうのでしょうか。
わたしの姿は消えても、この想いはあなたのもの。そして、あなたを愛した思い出はわたしのもの。
あなたのこころの中で、ずっとこの愛は生きつづけるでしょう。
時には雨があなたを濡らし、時には太陽があなたを焦がすでしょう。それでもきっと、
星が輝く夜には、あなたはわたしの愛を思い出すのでしょう。