元留学生たちの国で石油を探す中国。 | 日本のお姉さん

元留学生たちの国で石油を探す中国。

中国は、もうかれこれ30年以上、中国と友好関係のある国から留学生を受け入れている。

中国が受け入れ、国費で大学や研究生を卒業させた留学生は、もうかなりの数になっているはずだ。


かの偉大なる毛沢東が、留学生を大量に受け入れて、彼らを中国語の

通訳として各国に配備し、親中派の国を作り、中国の力を拡大させていこうという

主旨で始めた国家的事業が、実を結び始めたようだ。


かつての貧しく頼りなさげな留学生たちは、今では各国で重要人物になっている。

大抵の貧しい国の留学生たちは、彼らの国ではエリートだ。

王族の子供だったり、実力者の子供だったりする。

中には、学校で推薦された親や親戚のコネ無しで参加してきた、正真正銘の天才もいる。

コネで参加してきたとしても、彼らは試験を合格してきた優秀な若者たちなのだ。


彼らは、自分の国では、エリートとして育ってきているので、それなりにプライドを持って中国に入る。

選ばれた者として、明るい未来を約束された者として、元気に中国入りをする。

しかし、まず中国に来てみると、中国人に差別されるので驚く。

中国人は、白人が好きだ。東南アジア系やアラブ系、そしてアフリカ系は、もろに差別を受ける。

レストランで、白人が来ると、並んで待っている他の国の人々は無視して、白人を先に

接待する。

中国に嫌なイメージを持って、大学を卒業した留学生たちも、帰国すれば全ては良い思い出になる。

なんといっても中国は、青春の思い出の地だ。

経済的ゆとりがある留学生には、休日に香港で遊んだ楽しい思い出もあるだろう。

中国で知り合った、留学生同士の友情、大学の中国人の恩師との思い出、

また友好的な中国人との良い思い出などが、心に残るのだ。

彼らが自国で着々と、出世の階段を登り始めた頃、中国は今度は研究生として、大学に

招待する。参加すれば、確実に自国でのキャリアアップがはかれる。中国は一人一人に招待状を送り、

元留学生を歓迎するのである。


また、中国は友好国に建築物をプレゼントする。

大きく見栄えのいい、建物や施設を提供する。なぜだか、それらの国では、ほとんどの者が

「あの建物は中国が建ててくれた。」と、知るようになる。宣伝効果は計り知れない。

中国のイメージは、親切で太っ腹な友好国である。

中国は、石油を発掘する費用を出す。技術者も揃えて、全ての面倒を見る。

その代わり、石油が出れば、貸し出した費用を石油で回収する。

貧しい国にとっては、中国はなんともありがたい友好国だ。


ある国が油田の権利を売ると発表する。

中国はすかさず、おみやげをさしあげると申し出る。大抵は大きな建築物である。

貧しい国にとっては、おいしいおみやげである。袖の下なども、実にすばやく受け取る。

日本の石油会社が、買い取りたいと願った油田であっても、中国は国家的策略をすみやかに展開して、

権利をさらっていく。日本の一企業対中国では、勝ち目は無い。(日本政府も企業に積極的に融資の貸し出しを計ることはできないのだろうか?)


そのように、中国はハコもの(建築物)をみやげに、あちこちの国で油田を確保した。一つの油田は小さくても数があれば、かなりの量になる。

また、現在も各地で確保しつつある。中国は石油が喉から手が出るほど欲しいのだ。

各国の元留学生たちも、今ではその国の重要人物であり、政府の高官であり、

優れた医者や技術者であり、中国の通訳者でもある。

中国が困った時には、頼れる協力者となっているのである。


日本も多くの留学生を受け入れ、生活費として、国費から一人あたり一ヶ月相当な額を援助している。

以前は17万円だったが、近年値上げして、かなりの額を出している。

近頃は、中国からの留学生受け入れの仲人役的人物が、大学教授に直接留学生を受け入れて

もらえないかと伺いにくるそうだ。日本政府が受け入れる枠組みがあり、その人数内であれば、

試験も特になく、日本の国費で留学してくるそうだ。


日本語学校の生徒として入ってくる留学生は、自費か中国の怪しげな団体から借金をして入って来て、

そのまま不法滞在者になったりする者もいるが、日本の大学に進む者や、直接大学に国費で来る留学生は優秀な学生が多い。

彼らの目的は日本で貯金をし、そのままアメリカの大学に移動することであったりする。なかなかしたたかである。わたしの知っている中国の留学生は、はっきり日本は踏み台だと豪語していた。

留学生としてもらった物をどう使うかは、個人の自由だ。


彼らが日本で得た知識と貯金を手に、アメリカに行ってしまうのは、残念な気もするが、

優秀な彼らが日本を少しでも、好きになってくれることを期待したい。


日本も、友好国でかなりの援助を行っているのであるが、一般市民に分かり辛く、

ほとんど知られていなかったりする。

たとえば、カンボジアのアンコールワットや、インドネシアのボロブドゥール、モアイ像で有名な

イースター島など有名な遺産の修復に、日本はかなりの援助をしているのだが、

奥ゆかしすぎてか、現地の人には全く知られていない。

せめて日本人が観光に出向き、日本が修復を手伝った世界遺産を楽しんでモトを取って欲しいものだ。


世界遺産の修復や、自然保護の援助はすばらしい働きである。しかし、たまには中国のように、宣伝を巧みに行い、日本は優しい良い国だという印象をその地の人々の心に植え付けるような、

派手目な援助も行ってみてはどうだろうか。やはり、友好国は多いに越したことはない。

油田確保や、常任理事国に仲間入りする際にも少しは得かもしれないのだ。


少子化が進む日本としてはこれからは、善良で優秀な留学生たちが、大学卒業後も日本に住んで生活したいと望んでくれるよう、受け入れ態勢を整える必要があるのではないだろうか。

まず、身近にいる留学生に優しく接してあげたい。

日本に残りたいと願う元留学生たちを、大切に見守り、日本で安全で快適に過ごせるよう、受け入れた企業や学校は善意を持って接してあげよう。もちろん不法滞在者で、しかも、以前の保証人の家に押し入り、殺害するような外国人はごめんこうむりたい。


イスラムの過激派や、スパイ達に滞在されるのも、もちろん困る。優秀な外国人にチャンスを与え、彼らの子供や孫が将来、ドイツのトルコ人や、フランスのモロッコ人やアルジェリア人のように、貧困のあまり絶望して、イスラム過激派にならないよう優遇してあげるのは難しいだろうか。


小さな島国に、外国の血が混じるのは、生物学的にも優秀な子孫ができることになるし、活気が出て良いかもしれない。スペインは不法滞在歴の長い外国人で、真面目に働いている者には正式なビザを与えている。

もう過去に何度かチャンスを与えている。

なんと大らかな政策だろう。

このように日本も、中国やスペインなどの良いと思われる政策は取り入れ、時代に沿った国作りをめざして欲しいものだ。

また、日本にいる留学生は、みんなで大切に育てたい。

良い思い出。それこそ、世界遺産より良いものかもしれない。