世代交代の時に乗っ取られる日中合弁会社 | 日本のお姉さん

世代交代の時に乗っ取られる日中合弁会社

どの店に行ってもメイド イン チャイナ。中国製。

日本企業が中国に行って商品を安く作って、

安く日本で売るというカタチが、出来ちゃってる。

中国で作ると日本の十分の一の値段で作れる。農村から出てきた出稼ぎ中国人は、

一ヶ月五千円で働いている。(都会の大学出だと、二万円ぐらいだ。)

ライバル会社が中国で商品を作り出すと、日本で同じ物を作っていたら

とうてい太刀打ちできないので、仕方なく中国に出て行くことになる。


それで中国で成功している会社もあるが、

失敗している会社も結構あるんだ。


たとえば、多くの日中合弁会社が中国人に会社を乗っ取られているという事実がある。

社長が世代交代の時期に、

「わしらはあんたと契約を結んだんであって、あんたの息子とは契約してない。

これで終わりですよ。」と言われて、乗っ取られるんだ。


なんでも文書化して、きちんと契約書を作っておかないと、盗られちゃうのさ。

日本人は、社長が世代交代したら、当然息子が後を継ぐと思っているけど、

外国では、日本の「なあなあ主義」「難問はあいまいに」「臭い物には蓋」という考えは

全く通用しないんだ。


不良品を無くしたくて、日本人の指導員が中国で研修会を開く。

15人全員を同時に同じレベルに教育したいのに、

日本人の指導員が、ちょっと日本語が出来る中国人と仲良くなると、

とたんにその中国人が他の中国人をしきりだす。

「わたしが彼の友達で一番偉いんだから、わたしがこの仕事をする。お前はこれをやれ。」等と、

知らないうちに仕事を振り分けている。15人共、同じレベルにしようとするのが日本人の考えだ。

中国人は自己主張が激しく、日本人がぼやぼやしていると、いつのまにか自分が

コントロールされてしまう。


不良品と良品の見分け方を教えても、なかなか納得してくれず、平気でミソもクソも(失礼)

いっしょくたに梱包して、日本に送りつけてくる。

これを指導するのが、また一苦労なのだ。一人一人不良品と思う基準が違うので、

見本を見せながら教えていかなければならない。

教えても、その人間がその機械の担当が変われば、「引き継ぎ」などしないので、

また不良品が出る。妻の誕生日やら来客やらで、その人間が急に休んだら、他の

何も分かっていない人が、機械を動かす。

また、納期が迫ってきて、3交代で機械を動かす場合、誰がその機械を担当するのか、全く把握できない。

農村から出稼ぎに来た人は、お金が貯まれば会社を辞めていくし、

せっかく色々教え込んで、優秀な部下ができたかと思えば、他の中国系企業が大金で引き抜いていく。

日本人の指導員が、優秀な中国人に、それ相当な金額の給料を与えて自社に引き留めたくても、

日本の本社の社長がそれを認めないのだ。そういう習慣が日本に無いからだ。

それで、優秀な社員が他の会社に引き抜かれていってしまうのを、見送るしかない。

まるで、中国系の会社のために優秀な中国人を育ててやっているようなものだ。


ある部署で不良が出ても、いくら注意しても聞かないが、

「あなたの機械で不良がでました。だから給料をカットします。」と言えば、ぴたりと不良が無くなる。

とっても現金なのだ。


「日本人の常識は世界の非常識」とは良く言ったもので、良い意味でも、この言葉は使える。

日本人は高校生でもバイト先で真面目に良く働く。

同じ感覚で中国や外国に向かうと、まず日本人の指導員が胃をやられる。


会社が儲けだすと、中国は税金を高くしてくるので、なかなか大変だという会社もある。

中国の個人経営の会社はほとんどまともに税金を払っていないので、どんどん儲かるそうだ。

中国人が実際、「外国企業が儲からないのは脱税をしないからだよ。」と、普通に言う。

ハイリスク、ノーリターンでぎりぎりの会社もあるらしい。


儲からないので、会社をたたみ、いったん日本に帰ると、土地や建物まで勝手に売却されていた会社もある。出て行ったのだから、残った金目の物はいただいてしまえという考え方である。


実際に仕事を発注して、倉庫に在庫しておき、さあ出荷となると、倉庫は空だったという話もある。

中国人が勝手に売って儲けを横取りしていたのだ。


日本にいったん帰って、中国に再度入ったら、「わたしたちが全てこの会社を経営する。」と宣言され、

会社を乗っ取りされた所もある。


お店のメイド イン チャイナは、いろいろな試練を乗り越えた会社が、不良品を一所懸命取り分けて

良品だけを、日本にもってきた商品なんだ。

いろいろなストーリーが陰にあるんだ。外国に出るなら、その国の人間の

考え方をまず知って対策をとる事が大事なんだ。

「日本の常識」なんて通用しないのだよ。