他人の山で山菜を採っていいの~?
友達がアトピーに効く温泉を見つけたから、一緒に行こうと誘ってくれた。
友達はいわゆるペーパードライバーである。
車も持っていたが処分した。だって、お抱え運転手がいるんだもの。(わたしのことだよん。)
友達はちゃんとネットで調べて地図まで用意している。
友達が温泉に行くときは、友達のお母さんも無理矢理誘う。お母さんは温泉が好きじゃない。
草津温泉で熱くてのぼせたから。
温泉は打ち身、アトピー、皮膚病に効くいいお湯の温泉だった。飲んでも、糖尿病、肝臓、下痢に
効くというすごい温泉だ。(お水で薄めていない、適当な温度の温泉だった。)
一番すごいのは、薬草がいっぱい庭に自生していて、少しもらってもいいかときくと、
こころよくOKしてくれたこと。友達のお母さんは持参していた透明ビニール袋に
薬草をいっぱいつんだ。
インデアンは根っこは取らないで、置いておくんだよ。次の収穫のために。と、教えても
何の役にも立たずじまいだった。
それどころかちゃんと断ったし、これは塊茎で自生している薬草なので、取ってもまた出てくるし、
この辺一帯にあるものだし、地元の人にとっては雑草みたいなものだからかまわないのだと
友達とお母さんと二人で反論するので、なんとなくそうかもしれないと
思ってしまった。確かに、ちゃんっと断った。OKももらった。
山にはこの薬草はいくらでもあるのだろう。
帰りの車の中で、二人に怒られながらぼんやり、以前山登りをしていた時のことを
思い出していた。
山登りをしていると、一組の夫婦が降りてきた。
手にはスカンポを持っていた。スカンポなんて、めったにおめにかかれない植物だ。
少なくとも、わたしにとっては、絶滅の危機にさらされている植物だ。
奥様が握りしめているブットイ茎のきみどり色の植物は図鑑で見たことがあるスカンポだ。
勝手に取っていいんですかあ?
友達の親戚は山を持っていていつも松茸を2,3本送ってくれるそうだ。
でも、近くに高速道路ができ、排気ガスのせいだろうか、松茸ができなくなった。
おまけにクルマでやってくる山歩きを趣味とする人々が山にやってくるようになって、
松茸の出る場所が荒らされるんだとか、、、。
松茸は小さいのを見つけたら、落ち葉をかけて隠すんだそうだ。
友達は松茸を毎年はもらえなくなった。去年はもらえて、松茸ごはんとお吸い物を作ってた。
(わたしもよばれた。「椎茸のお吸い物、おいしい!」と言って怒られたっけ。)
山は持ち主がいる。どこに何があるのか、持ち主は知っている。
勝手に山から山菜を採られたら嫌だと思う。
高級な日本食のレストランでは、お皿の上に彩りのため、葉っぱや木の実を料理の横に
添えるが、その材料は問屋に注文して揃えてもらうんだそうだ。
お皿の彩りの問屋さんは、山をもっているおばあさんやおじいさんに注文する。
すると、おばあさんたちは注文された葉っぱや木の実を、自分の山に採りに行く。
そして、きれいにラッピングする。問屋さんはそれを決められた時間に取りにくる。
すごく儲かるので、今ではパソコンで注文を受けている。彩り専門の村として商売が
なりたっているんだそうだ。おばあさんは儲けたお金で自分の家を新築し、孫の家を買う頭金を出してあげ
たりしている。スギを植えていない広葉樹の山はお金になるんだよ。
東北では、たらの芽などを山で採って、ホテルや店で売っている。山を上手く利用している。
山を持っている人は、上手に山菜をインターネットで売って欲しい。
きちんと山を管理して欲しい。一般人が勝手に根っこまで持って行ってしまう前に、山の恵みを上手に
使い、山を守って欲しいと思う。
ちなみに友達のお母さんが採った薬草は、インターネットのオークションで100グラム2000円のものだ。
全国の山の持ち主は気を付けろ。
透明ビニール袋には、軽く300グラムは入るのだよ。