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冒頭にある船の沈没事故
これはきっとお隣の国であった実際の事故を元にしているよね
内容的には一般人の乗船客のことで
そこで記録映像として残った事件が、はたして裁かれるべきことなのか…
生死を分ける時点での出来事が、無罪になるというのは
やるせない…
その映像を観てしまった人にとっても、最悪だったろう
生き残った人物の人となりが明らかにされるにつれ
読むほうも、憤りが深くなる
人として生きるということは、贖罪であるというのもあるだろう
でも、本当の贖罪というのは、こういうことなんだろうなというラストでした
弁護人としての役割は、結局のところ「裁判」という場所で
正当な裁きを導くこと
正当の範囲こそが、人そのもの
裁判官の言葉は、もっともだと思うし
弁護士としての役割ももっともだと思う
裁かれるべき者が、生きていないのに
裁いてほしい者が生きている
さりげなく、介護の世界にも言及しているところも考えさせられるミステリーでした
こうあってほしい現実が、今ここにない
そこから先にあるものが、手に入るとは限らない
