おと・な・り
出演:岡田准一, 麻生久美子
監督:熊澤尚人
いつの間にか、麻生久美子さんのファンです


この映画『おと・な・り』も大好き

お隣り、音鳴りなんだな~って、見る前から妄想を逞しくしながら、
見るのを楽しみにしてました。
私は幼い頃から、『生活音』と言うか…定期的に鳴る、穏やかで静かな音が大好きで…。
例えば、新聞配達や牛乳配達さんの自転車のブレーキ。
まな板トントン。鍋がグツグツ。ほうきでシャッシャッとアスファルトを掃く音とか…。
騒音ではない静かな機械音とか。
生活感のある音、好きでした。
音と共に、お味噌のおいしい匂いがしたり、糠のすっぱい香りだったり。
それだけでなく、街の人が、お花を手入れしている手元を見たり、
忙しそうに商品を並べたりしてるのを見るのが大好き

今の人は、よく話しますよね。
母方の伯母が
「今の人は、テレビのせいか、よく話す。一日中、話しているね。」と、ある日ポソって言ったんですが、
本当にそうだなと思いました。
(�伯母は私に言ってるので。私が、よく喋る代表者って意味だよ)
私の母方の伯母は、殆ど話さず、ずっと用事しているという人でしたが、
父方の祖父なんか、殆ど話しているのを見たことがありません。
ずっーと、淡々と仕事をしている、そんな人でした。
立ち話の人も、たまに見かけましたが、私が育ったのは、商業の街でしたから、周りの大人は、皆、淡々と仕事している。
こんな環境は、冒険と観察の絶好の地なんです

朝、通学する頃には、お店のシャッターが開いている。病院の前では、打ち水の音。山ほどあるよ。
そんな『気配』に包まれて暮らしてたんだな~って、つくづく思う。
※今でも、シャッター商店街を通ると、空き家になった店の前で、『長年ありがとう。お疲れさん。』って、なんだか寂しくなったりする。
騒音問題とかいろいろあるから、愛すべき『音』捜しはなかなか大変ですね。
思春期の頃には、話す中身より、『声の音』を大切に話していた。
大切なものは、語り尽くせない。
音が、その人の暮らしを成り立たしていて、
実り…音実り。姿をとっている。