生徒たちにはよく和文英訳の問題を出します。

「お母さんが私に新しい辞書を買ってくれた」

中2の真ん中くらいでやる、SVOO、つまり第4文型の練習なのですが、ここで引っかかる子がよくいます。

「買って」「くれた」
動詞が2つ並んでいるように見えるので、boughtしてgaveか?とか悩んでしまっているようです。

で、そんなふうに引っかかっている子を見たら、「あっ、普通に『買った』でいいよ!」と言ってあげます。

でもこういう子でも、英文和訳ではすんなり上手く訳すんですよね。「買ってくれた」と。

「母が私に新しい辞書を買った」だったら、「買ってもらった立場のくせになんか人ごとみたいだなぁ。感謝の気持ちが感じられないなぁ」と思いますね。

さて、日本語ではこのようなときに、「あなたに」「私に」とはあまり言いません。

「ドーナツ買ってきてあげたよ!」と言えば、「あなたに」であり、
「手伝ってくれる?」と言えば「私を」であることはだいたいわかるからです。

間接目的語代名詞を入れる代わりに、「あげる」「くれる」「もらう」などの補助動詞を入れることで、「そのことによって得をする人」をなんとなく表すことができるからです。

だから
I will show you my photo.
って書いてあっても、
「私はあなたに私の写真を見せます」
よりも
「私の写真を見せてあげます」
の方が、日本語としてはしっくりします。

ただし!これが学校のテストで、SVOOの単元ならば、しっかり間接目的語代名詞も訳さなくてはいけません。

学校のテストというものは、自分が書きたい答えよりも、先生が期待してそうな答え、解答例に書いてありそうな答えを書く方が大切ですから。