街中を行き交う男性の顔を見ていると、実に様々なヒゲを目にする。濃いヒゲ、薄いヒゲ、長いヒゲ、短いヒゲ。長さは自分の意思で調節できるとして、濃さに個人差があるのはなぜなんだろう? 皮膚臨床薬理研究所の代表取締役・北澤秀子さんに伺った。

「ヒゲは男性ホルモンの影響を受けて生えてくる『性毛』のひとつなので、男性ホルモンの分泌量が多い人ほどヒゲの生える面積が広範囲かつ密度が高くなり、ヒゲが濃い人という印象になります」

『性毛』ってことはワキ毛や陰毛と同じジャンルってこと?

「そうです。胸毛やスネ毛もそうですよ。なので、ヒゲが濃い人はワキ毛や胸毛も濃いというケースが多いんです。ただ、他の性毛は数カ月~1年もしくは2年で生え変わるのですが、ヒゲだけは生え変わるまでに4年ほどかかるのです。ヒゲの毛周期は髪の毛とほぼ同じなんですよ」

へぇ~そうなんだ。ちなみに、髪の毛は男性ホルモンの影響を受けない『無性毛』なので、カテゴリーとしてはヒゲとは別モノなのだそう。ところで、ヒゲには伸びやすい時期や時間帯ってあったりするんですか?

「時期的には春・夏が伸びやすいですね。ヒゲは暖かいとよく伸び、逆に寒いと血管が萎縮して血流が悪くなるので、ヒゲに栄養が行き渡らなくなり、伸びにくくなるんです。また、ヒゲは1日に0.2mm~0.4mmほど伸びるのですが、1日のなかでも成長ホルモンが分泌された後の午前5時~午前10時がよく伸びるといわれています」

ヒゲの伸び方は、季節や時間帯によって違いがあるんですね。

あと、ずっと気になっていたことなんですが、ヒゲとモミアゲの境目ってどこなんでしょう…? モミアゲは髪の毛の一部だから、ヒゲとは違うカテゴリーってのはわかりましたが、実際の見た目で判断できるポイントって何かあります?

「理容師さん、美容師さんたちの間では、小鼻の付け根から耳たぶをむすんだ線より、上がモミアゲ、下がヒゲと定義されているそうですよ」

へぇ~、そんな定義付けがあったとは驚き! 

最後に、ヒゲの役割について伺ったところ「現在のところ明確な役割はわかってないんですよ」(北澤さん)とのこと。ちょっと残念…。ただ、同じ人がヒゲを生やしただけで年上に見えたり、偉そうに見えたりすることってありますよね? もしかしたら、人間のヒゲは“威厳演出の毛”として、顔という目立つ場所に陣取っているのかも…なんて、ヒゲ面びいきの私は思っちゃったり。ヒゲの役割も近いうちに解明されるとよいですな。
(R25編集部)

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