とうとうこの日が来たか! | にゃんともcafe

にゃんともcafe

にゃんことTOMOと相方の日常を徒然にゃるままに。
まぁ、のんびりコーヒーでも飲みながらお読み下さいヽ(*´∀`)ノ

2024年11月20日

今日は、本当は有給休暇を取っていた。
先日受けた自治体の健康診断で「ピロリ菌あるかもしれんから、一度内視鏡検査受けなね~」という報告が送られてきたので、その検査を受けに行くつもりだった。

しかし、月曜に「水曜は朝イチで全社会議を行うので、休みを取っている方もできるだけ返上して出勤してほしい。9時出勤じゃないパートさんも9時出勤してほしい」という異例のお達しが出たので、急遽病院の予約日を変更し出勤した。

★*゚*☆*゚**゚*☆*゚*★*゚*☆*゚**゚*☆*゚*★*゚*☆*゚**゚*☆*゚*★

9時に会長が全社員の前に立ち言った言葉は「残念ですが、本日で事業を終了します」ということ。
つまり、倒産。

ウチの会社は、方針として財務状況をオープンにしていたので、会社の経営状態が悪いのは全社員の知るところだった。
だから、いつこうなってもおかしくないというのはわかっており、「全員出勤」を言い渡されたときに覚悟はしていた。

しかし、本当に昨日まで普通に仕事をしていたので、「もしかしたら全然別の内容なのではないか?」などという淡い期待を抱いていたのだが、残念である。
そして、覚悟していたとはいえ、それが決定するとやはり動揺する。

同席した弁護士さんから「今から預けてある会社のものを全て返却してもらい、必要書類を渡すので、私物を持って午前中に引き上げるように」と言われる。
さらに「取引先には一切連絡を取らないように」とも。

いやいやいやいや、いきなりそんなこと言われても!
昨日契約を交わしたお客様も、今日アポイントを取っているお客様も、納品待ちのお客様もいる。
それを全部放置しろと?

しかも、午前中にもう出て行かないといけない?
これからどうすればいいの?
明日から何をしないといけない?
ざわつくスタッフ。

とまどいながらも、必要な書類をもらったり、会社の鍵や携帯電話・保険証などの返却が進んでいく。
しかしやはり、最低限アポのあるお客様には連絡を取りたいし、私物含めデスク周りの片付けにも時間がかかるということを訴え、あくまで「個人的に」電話をかけることと、夕方まで会社に出入りすることを許される。

ちなみに、25日に支給されるはずの今月の給与や、来月支給分(ウチは15日締めなので)の今日までの給与は当然出ないし、退職金も出ない。

本来であれば、解雇の場合は30日以上前に予告をする必要があるが、それができない場合は不足する日数分の解雇予告手当を支払う必要がある。
つまり、今回のように当日の場合は30日分の平均賃金を支払う必要があるわけだが、それも半額しか出せないという(その場で現金でもらった)

未払いの分は、国の「未払賃金立替払制度」を申請してあるので、そちらから一部は補填されるらしい。
退職金の一部は「中小企業退職金共済制度」に加入しているので、そちらに申請すればもらえるとのこと。

しかし、スタッフが改めて調べたところ、次に就職する企業が「中小企業退職金共済制度」に加入していた場合、加入年数を引き継ぐことができるので、すぐにそのお金が必要でなければ再就職先が決まってから、加入企業であれば引継ぎ、加入していなければ支払申請をした方がいいのでは?という話になった。
当然、加入年数を引き継いだ方が最終的にもらえる金額は大きくなるからね。

※後から考えると、こうやって社員全員を集めて弁護士さん込みの説明の場を設けてくれたり、半分とはいえ解雇予告手当の支給があったのは、会社側ができる精一杯の誠意だったのだろうし、取引先などに一切連絡を取るなという言葉も、午前中のうちに出て行くようにという指示も、社員を守るためのものだったのがわかる。


さて、この会社には20年近く在籍した上、内勤だったため社内に置いてある私物も多い。
他の会社はどうか知らないが、ウチはいろいろな意味で自由な会社だったので、持ち込んでいる私物も様々。

文房具や冬の防寒グッズ、社内履き、ノートパソコン、キーボード、マウス、急遽顧客訪問をすることになった場合の着替えのスーツや靴などなど。
なんだったら、座っている椅子まで私物である。

同じような状態のスタッフも多く「俺、一回帰って車取って来るわ……。あと、段ボール箱買ってくる」などと言う人も。
私もとてもじゃないが車がないと無理だ。

他のスタッフとあれこれぼやきながら片づけを進めていると、今更ながら連絡先を知らない人とのLINEやSNS交換が始まる。
せっかくつながったご縁、切りたくないもんね。

そして、片付けや手続きの少ないパートさんが「そろそろ帰ります。みなさんお世話になりました」と言い出したところで「せっかくなので最後にみんなで写真を撮りましょう」と言い出したスタッフが。
弁護士さんにスマホを渡し、スタッフ全員が並ぶ。

並んだものの……
「え?これ、どんな表情すりゃいいの?」
「ピース、じゃないよねぇ?」
「倒産記念写真って何?」
などとみんな苦笑。
結局、よくわからない薄笑いを浮かべた記念写真ができあがった。

弁護士さんはこういう場面に立ち会う機会は何度もあるのだろうが、さすがに写真撮影を頼まれたのは初めてだったとのこと。
そりゃそーだ。

おそらく、通常の倒産だったら会社の経営状態の詳細など知る由もない社員が、ある日出勤したら会社の前に貼り紙があり阿鼻叫喚……みたいなことになると思う。
仮に、きちんと社員に対して報告があったとしても、みんな怒ったり泣いたりなど修羅場になるだろうから、こんな社員に(多少自虐的とはいえ)笑顔が出るような倒産はあまりないだろう。

残った正社員は、取締役の面々に挨拶をしてなんとなく揃って会社を出る。
会社の前で「これからどうしたらいいんかね……」とぼやき、とりあえず情報交換をするためにパートさんも含めたグループLINEを作ることに。
そして明日、一緒に健康保険協会に今後の保険について聞きに行き、その後呑もうということになった。

一度帰宅して車を取ってきたスタッフが、私含め乗せられるだけのスタッフを乗せて家に送ってくれ、私は自分の車に乗り換えたら再び会社に荷物を取りに行った。
そこで改めて残っている取締役たちに挨拶をし、荷物を積み込んで帰宅。

さすがに椅子は諦めて会社に置いてきたものの、段ボール箱や紙袋にいっぱいの荷物はとてもじゃないがマンションの駐車場から一人で持って上がれない。
日勤だからそろそろ帰ってきているはずの相方に、「会社がつぶれました。荷物がいっぱいあるので、駐車場に取りに来てください」と電話。
会社の経営状況も今日の全社会議のことも話していたが、さすがに相方も現実になるとは思っていなかったのだろう、かなりびっくりしていた。

さて、これからどうしようか。
相方の稼ぎがあるとはいえ、ぶっちゃけそんなに給料が高いわけではない。
二馬力だからこそ、住宅ローンを払いながら猫3匹にそれなりにお金をかけ、外食を楽しむ余裕があるわけで、一馬力だとカツカツどころか生活もままならない。

まぁ、貯金がないわけではないし、会社都合での解雇になるから失業保険もすぐ出るはずなので、完全な一馬力になるわけではないが、あまり長く無職ライフを楽しむわけにもいかないだろう。

しかし、今日はもう何も考えたくないな。
明日みんなで健康保険協会に行ってから考えるか。

とりあえずニャーたちに「あんたたち、元気でいなさいね。今、具合悪くされても病院代を払う余裕はないわよ」と、切々と訴える私であった。







そうそう、にゃぁ子さん。
飼い主のご飯狙うくらい元気でちょうどいいわ。



心なしか、私の足元で横になる風花の表情もアンニュイである。


★*゚*☆*゚**゚*☆*゚*★*゚*☆*゚**゚*☆*゚*★*゚*☆*゚**゚*☆*゚*★


こういうことをブログに書いていいものか、正直ちょっと迷いました。
私個人だけのことでもないからね。
とはいえ、なかなか経験することもないことなので、記録として残しておきたいなという気持ちもありまして、特定されるような内容は極力避けて書くことにしました。

また、どこかにいるであろう同じ経験をした人・まさにその最中な人には、「わかるわかる」「こういうパターンもあるのね~」などというちょっとした共感や参考にもなるかな?と(参考にはならんやろ)
幸い、倒産なんて縁がない人には、どこかの会社のどえらい話と思って、面白おかしく読んでいただければと思います。