平成26年6月17日院内交流集会シンポジウム閉会宣言 2014年6月19日
H26.6.17院内集会「被災動物の救済とあるべき法制度」(主催:THEペット法塾、共催:全国動物
ネットワーク)には、皆様方に大変お世話になり有り難うございました。
被災動物の生の現場の情報の共有とこれからの活動のあるべき指針が明らかとなったことで所期の目的を達しまし
た。
300人の衆議院第一議員会館大会議室が満杯となり、多くのご出席がいただけたのは、皆様方のご努力の賜物であ
り、深く感謝を申し上げます。
今後、閉会決議及び資料に基づいて、各省庁への申し入れや、当事者の皆様が、決議や資料を活用されて、行政や緊
急災害時動物対策本部などへの要望や申し入れがなされますが、皆様方のご支援をお願い申し上げます。
次に閉会宣言を掲載致します。
発言者のご報告や資料を動物法ニュースに順次掲載し、また、THEペット法塾のメーリングリストにも流して行きます。
◆平成26年6月17院内交流集会シンポジウム閉会宣言◆
閉 会 宣 言
2011 3 11 年 月 日に発生した東北太平洋沖地震とそれに伴って発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故は、福島県内を中心とする被災地において、人々のみならず、多くの愛玩動物、産業動物、野生動植物にも甚大な被害を与えました。
本日、被災地で被災動物を救済している皆様や関係者より、多数の現場の実状の報告がされました。現在、震災後約3年半を経過して、なお被災動物が現場に放置されている状況の確認がされました。
動物愛護法は、被災動物の愛護と管理に関する施策を推進するために、環境省は、その基本指針を策定し、これに基づいて都道府県は動物愛護管理推進計画を策定することとなっていますが、現在の被災動物の保護自体が実行されずにある中で、実効性ある基本指針ができるとは考えられません。
国(環境省)は、年間約 億円の予算を組んで、被災地の動物の保護を業者に委託 していますが、毎年落札して委託を受けている一般財団法人自然環境研究センターにおける、被災動物の調査、その費用の使途の問題と、被災動物の保護が充分なされているとは認め難いとの問題の指摘がありました。
環境省及び地方行政は、被災動物の保護のために、飼養者の同行避難、復興住宅での居住の確保、動物救援者の支援、官民のシェルターの確保(動物愛護法付帯決議に動物保護のためのシェルターが求められています 、所有者への返還と所有者のいなくなった被災動物の里親譲渡への支援をすることが求められます。
そして、現在、現場にいる被災動物のために、早急に、必要な被災動物の保護と救援者への支援がなされることを求めます。環境省は、そのために早急に被災動物の実態の把握をするための調査員とルールをつくることが求められます。
上記の業務のために、環境省、地方行政は、職員の異動等により動物の救援事業の立案・指導・監督する機能が不十分と考えられ、動物の保護について経験豊富な民間団体、市民ボランティアの意見を聴き、連携をすることが必要であると考えます。
牛、豚、馬などの家畜等の保護は、被災者が飼養出来ないときは一時的にシェルターでの保護が必要で、そこから最終飼養者へ戻されることが保護の基本と考えられますが、保護は極めて不完全で、無惨な最期の紹介がされました。また、救済を困難にしている最大の原因は、放射能被害によるもので動物の保護に要する労力と費用は大きな負担となっていますが、その発生原因者の東京電力ないし政府がその責任を負うべきものと考えられます。
緊急災害時動物救援本部は、被災動物の救済のための義捐金を集めて動物保護の支援をしましたが、時期的に遅れた支援、義捐金を投資信託に回したこと、約 億18000万円の義捐金を手元に残したまま支援を終了しようとした問題、現場の救援者が円滑に支援金を受けられるための手続が用意されていなかったこと、その使途が動物のためというよりも事業者の事業のために使われるなど使途に問題があったことが指摘されてきました。
救援本部は、平成26年3月に「東日本大震災被災ペット救護基金の管理及び執行要綱」を発表しましたが、同要綱においては 「被災ペット」とは犬・猫等の家庭動物で、牛、豚などの家畜等が排除され、また、被災者が飼養する動物と被災により被災者から逸走・放浪している犬・猫等に限定され、被災者の飼育しない、いわゆる野良犬・野良猫等を対象外としていることの問題が指摘されました。
これは、寄付者の意思に反し 「牛や豚等の産業動物も生存の機会を与えることを求める」動物愛護法付帯決議10項の趣旨にも反するものと言えます。救援本部は、早急に、寄付者の意思に沿った 「被災ペット」に限定しない、被災動物の保護をするために寄付金が使われる措置をとることを求めます。
上記を踏まえて、私たちは被災動物の保護について、以下の動物愛護法の改正を求めます。