2022年 12月

タイミング法2年半、人工授精3回目も妊娠に至らず

この先どうしようかと悩んでいた時期に妊娠中の友人が自宅に来た。

 

彼女は数年の不妊治療の末、体外受精で妊娠。

不妊治療のクリニックをさまざまな理由から3回転院していた。

 

これまでの経緯や体外受精の痛みなど、事細かく話してくれた。

 

夫とぶつかりながらも諦めずに何年も努力をして来たと言うこと、

そして何より大きなお腹を抱え、エコー動画を嬉しそうに再生する彼女は

とにかく幸せそうだった。

 

 

"私にもまだ体外受精と言う希望がある"

 

 

体外受精を決意した瞬間だった。

 

 

年が明け、2023年1月。

友人に紹介してもらったKクリニックを夫と訪れた。

ここは体外受精専門のクリニックで、卵管造影剤検査や人工授精は行っておらず

夫のものと合わせ今までの検査結果を提出し 血液と尿検査、血圧測定のみ行われた。

 

 

「甲状腺の数値に異常が見つかりました。本日中に甲状腺専門病院へ行ってください。

甲状腺の問題で着床が難しい可能性があります。」

 

 

ドクターからの言葉に驚く。

今までのクリニックでも血液、尿検査はあったが甲状腺のことなど一言も告げられたことはなかった。

このクリニックに来て過去2回陽性反応も着床失敗至った原因が

ようやく分かった気がして早速希望に近づくことができた。

 

 

「それと今飲んでいるサプリは全て辞めて、葉酸だけ摂取してください」

 

 

私はこれまで妊活の為に卵子に良いと言われるナイアシン、鉄分、ビタミンB、

漢方の当帰芍薬散を摂取していた。

どれもネットの情報で効果は不明だが藁をも掴む思いで飲んでいた。

これを全部廃止。

大量ストックも全て廃棄し、院で勧められた葉酸サプリのみ摂取し始めた。

 

検査と聴取を終え、翌月2月に体外受精の予定が決まった。

 

その日のうちに甲状腺専門病院へ足を運び、血液検査後

チラージン薬を処方してもらった。

 

午前の診察からKクリニックで診察終了まで約3時間。

甲状腺病院で2時間半、帰路はすっかり暗くなっていた。

 

 

Kクリニックの待合には本当に驚いた。

広いロビーに大量に並んだ椅子。平日の朝にも関わらず数十名の女性と付き添いの男性がぎっしり座っていた。

テーブルにコンセント付きの席も用意されており、待ち時間に疲れたのか顔を伏せて寝ている人も何人かいた。

 

そして待合はこのフロアだけではなく別の階にも用意されている。

訪れているのはこのフロアにいる人たちだけではないのだ。

 

正直言うと少し安心した、こんなに沢山の人が同じ悩みを抱えているということに。

だが同時に胸が苦しくもなった。

ここに来ている人、誰もが「赤ちゃんが欲しい」と言う願いを叶える為にここに座っている。

私もその一人だ。

 

あの日見た友人の姿が浮かぶ。

 

 

「見て!お腹の中であくびもするんだよー!」

 

 

私にもきっとその未来があると信じて。