ロビンが、新しく船に乗ってからどれくらいの月日が経ったんだろう。
ロビンが来てからは、毎日がどんどん楽しくなって、加速していく。それがどうしてなのか、気付くまでに時間はかからなかった。
ーーーあたしが、恋をしてるから。
ふわりとロビンが笑うその瞬間、あたしの中は何かが満たされたように心が暖かくなる。
でもその笑顔が他の人に向けられたその瞬間、怒りとも悲しみともつかない複雑な気持ちが心を掻き乱す。
ロビンは、あたしのことをどう思ってるんだろう。ただ、それを聞く勇気はなかった。
拒否されたら。そう考えるだけで胸が張り裂けそうだ。
「ロビン、サンジくんがハーブティー入れてくれたわよ。」
「あら、ナミちゃんありがとう。」
最近では、こうやって名前でも呼んでくれるようになった。でもそれは、唯一の同性だから、他の人よりも親しくしてくれてるっていうのも、何と無く分かる。
あたしともあろう人が、こんなぼんやりお姉様に弱腰になるなんて。…って自分で鞭を打ってみても、意味はなし。
「…ナミちゃんは…」
「ん?あたし?」
ロビンが口を開きかけて、また閉じる。それが何度か繰り返されたあと、呟くような小さい声で問いかけた。
「今まで…どのくらいの男性と……その、お付き合いをしてきたの?」
どうしてそんなこと聞くんだろう、その思いはすぐに解消された。
だって、大した意味もないんでしょ?話の種のために聞いただけでしょ?
「今まで、あたしがお付き合いをする余裕があったと思ってんの?」
「…そうよね、ごめんなさい」
………何、その、ホッとしたような、嬉しそうな顔。
あたしの思い違い?でなければ…
「変なこと聞いて、ごめんなさい」
「ロビン、何でそんなこと聞くの?」
ロビンの目が僅かに逸らされて、頬がほんの少し赤く染まる。本当に、分かるか分からないか程度だけれど…。
そんな顔されたら、期待するじゃない。
ロビンが変な理由を持ち出してここから逃げ出そうとするのを、腕を掴んで引き止めた。
「何でって…そんなの…」
決まってるわ、と呟くとそれが限界のように俯いてしまった。
ロビンって…こんな可愛かったっけ…いや、元々可愛いんだけど、何て言うか…
「もう、いいでしょ?腕…離して…」
弱々しく抵抗するロビンの腕をもっと強く握る。
「あんたは、こういうこと言ってんでしょ?」
俯いたままのロビンの唇にあたしのを重ねる。目を見開いたままの目の前の彼女を堪能しながら、そっと離した。
「こ、こんなとこで何して…っ」
「今はそんなことどーでもいいの。あたしは、ロビンが好き。ロビンは?」
ロビンはさっきまで重なっていた自分の唇を抑え、観念したように呟いた。
「私も…あなたが好きよ…」
拒否されたら、なんて心配…いらなかったわね。
