前回はFF1が発売されるまでの話をしましたが、今回はその先について。
坂口博信さんや田中弘道さんだけでなく、スクウェアにとっての最後の夢として開発したファイナルファンタジー(FF1)だけど、ドラクエ
の亜種に過ぎませんでした。というのも、坂口さんはドラクエの成功をみてファミコンでもRPGが作れると言っていたし、田中さんも坂口さんがドラクエのようなRPGを作りたかったと言っていたと話しています。といっても、普通のゲームでは最終目標になってしまいそうな捕らわれたお姫様を救うという展開もプロローグに過ぎず、その後タイトル表示を含めたオープニングイベントが発生するという度肝を抜く演出やサイドビュー戦闘、ドラクエでは当たり前であるマルチウィンドウを採用しなかったりとあくまでドラクエと差別化に努めていました。ドラクエとFFを比較してみると…。
坂口博信さんや田中弘道さんだけでなく、スクウェアにとっての最後の夢として開発したファイナルファンタジー(FF1)だけど、ドラクエ

左がドラクエ(DS版ドラクエV)、右がFF
(FF I・IIアドバンス)だが、前者がフロントビューに対して後者はサイドビューになっているんですね。なお、GBA版のため、MPがあるが、オリジナル(ファミコン)版はレベルごとの回数制となっていて最大で9回しか使えない上に宿屋に泊るしか回復の手段がなかったとか。システムや作り込みなどでドラクエの模倣との脱却を図ったこともあり、最終的には52万本とスクウェアにしては大成功と言えるぐらいの結果を残しました。そのこともあり、当時の社長であった宮本雅史はこの数字に手ごたえを感じ、次回作の制作を命じたというわけ。こうして、このソフトが最後と思い一生懸命作り上げたFF1だが、それが功を成し、スクウェアの危機を救ったのは言うまでもありません。次回は次回作であるFFIIについて話したいと思います。