前回は「ゼルダの伝説」について話しましたが、今回はその続編である「リンクの冒険」について話したいと思います。「ゼルダの伝説」の発売から1年後の1987年1月14日だったんです。ちなみに、マリオの産みの親でもあり、ゼルダの産みの親でもある宮本茂氏は第1作目をディスクシステムの優れた機能が活かされやすい思考型ゲームにしたけど、「リンクの冒険」はというと思考型ゲームとは正反対のいわゆるファミコンらしいアクション要素の強いゲームがプレイしたがっていると仮定したうえで作られました。
そのような経緯もあり、「リンクの冒険」はというとゼルダシリーズにしてはアクション要素の強いゲームとなってしまったんです。それでも、シリーズ全般の売りである謎解き要素は健在で、神殿内に隠されているアイテムがないと先に進めなかったり、中には魔法を使った謎解きもあるとか。ただ、敵を倒すと経験値がもらえてある程度ためると剣、魔法、ライフのレベルを上げることができるという点では純粋なテクニックが要求されるマリオシリーズとは一線を画すのではないかなと思います。ちなみに、ファミコンらしいアクション要素の強いゲームがプレイしたがっているという仮定だが、この点については「マリオ2」で達成しているばかりかコナミから「悪魔城ドラキュラ」などがリリースされていることからディスクシステムそのものがRPGやアドベンチャーで蔓延されている状況ではなかったようです。
ただ、戦闘をアクション要素の強いものにしたという点でシリーズ全般にしては異色であるのは否めないといえます。おまけにその後発売した「時のオカリナ」でも「リンクの冒険」と遜色のないほどのアクション要素はあるものの、謎解きに重点を置いている点からシリーズ全体を比べると宙に浮いているような存在になりがちかなというのが今となっての印象だといえます。ということで、次回は「神々のトライフォース」を話したいと思います。
最後に宮本氏が描いたシナリオを話すとRPGで下地を作って、続いてアクション系のゲームで原点回帰。そして、「新・鬼が島」で本を買うような感覚で書き換えてもらうアドベンチャーゲームでとどめを刺すようなものだったが、「ドラゴンクエストII」の大ヒットやバッテリーバックアップが搭載されたことからディスクシステムの利便さよりも頻雑さが際立つようになり、最終的には「ドラクエIII」
でとどめを刺されたんですね。