前回はゼルダ全般について触れましたが、今回は第1作目であるゼルダの伝説について話したいと思います。
そもそもゼルダの産みの親はというとマリオの産みの親である宮本茂氏。つまり、彼は「スーパーマリオ」という世界で有名なゲームをプロデュースしただけでなく、「ゼルダの伝説」もプロデュースした凄腕のゲームクリエータだったんです。ちなみに、彼はマリオとゼルダの本質は同じものと語っており、マリオがアクションやテクニックを重点に置いているのに対してゼルダは謎解きに重点を置いているとか。そのこともあり、最近3DSで発売した「時のオカリナ3D」でも魂の神殿ではダンジョンの仕掛けはもちろん、ボスのコウメとコタケ(ツインローパ)においてまでミラーシールドを利用して倒すといったような感じでどちらかといえばアクションは副次的なもので謎解きに重点を置いているのかなと思っています。初代のゼルダの伝説についても本質は同じことでボスよりも裏ゼルダの通り抜ける壁といった意地悪な仕掛けに苦労したという経験もあるんです。まあ、ボスについては有効な武器さえ知っていれば特別なテクニックもいらずに倒せるので…。
ゼルダの伝説についてさっと述べてみましたが、ここにも宮本さんが目指している万人向けという考えが入っており、どうしても解けない人にはダンジョンやフィールドにいる人からヒントをもらうこともできるし、上級者向けに裏ゼルダにチャレンジするということもできるんです。ちなみに、自分も裏ゼルダに挑戦したけど、オリジナル版ではクリアすらできず、ようやくクリアしたのはファミコンミニ版だったという記憶があります。ただ、ディスクシステムが発売した当時はインターネットというものがない上に得られる情報が口コミやゲーム雑誌および攻略本などの書籍に頼らざるを得なかったことを考慮するとすごい便利になったのかなと思っています。ただ、1人プレイのゲームであるにも関わらず、口コミなどで攻略のヒントを得るという点でゲームとコミュニティとの融合がこの段階でもあったんですね。
一方、ストーリやシリーズ全体について述べると第1作目でもかかわらずゼルダ史においては後発の作品だったという驚きも隠せません。というのも、ゼルダの伝説の最終目的は8つのダンジョンに隠された知恵のトライフォースのかけらをすべて集めてデスマウンテンの奥にいるガノンを倒してゼルダ姫を救うというものだが、このガノンはというとケルト族であるガノンドロフのなれの果て。後に発売される「リンクの冒険」ではゲームオーバーになった時にガノンが復活することを鑑みるとこの作品の最後の戦いで封印されては解かれていたガノンが死ぬとみたほうがいいかなと思います。余談ではあるが、「リンクの冒険」はゼルダ史においては最後発の作品だったりします。
という具合にゼルダの伝説について触れてみましたが、アクションよりも謎解きが強いという印象があるのかなと思います。ちなみに、ゼルダの伝説はディスクシステム初の作品だが、ダンジョンに入る時にロードすることで正解であることを暗示させロードによる待ち時間というディスクメディアの欠点を克服させたという点で宮本さんはすごいなあと思います。なお、次回はリンクの冒険に触れたいと思います。