ついにこのシリーズも残すは「いっき」(サンソフト)のみ。ちなみに、このソフトはクソゲーという言葉が産まれたいわくつきのソフトだったりするけど、「星をみるひと」(スターフィッシュ)や「レリクス暗黒要塞」(ボースティック)、前回紹介した「頭脳戦艦ガル」(ネットファーム)に比べるとそれほどクソゲーには見えないが…。ちなみに、トリを飾るプレゼンターはというとスパローズの2人です。


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タイトル通り百姓一揆をモチーフにしたゲームだが、一揆を起こしているのは農民の権べと田吾の2人のみ。1人で一揆とは現実とはかけ離れているように見えるが、当時のゲームの性能から「ピグミン」(任天堂)や「レミングス」のように大勢のキャラを動かすのは無理があったので仕方がなかったかも。ちなみに、全部で4面あって小判をすべて取ると次のステージに進めるといったシンプルなものだが、一揆なのに小判を集めたり、敵キャラとして忍者が出てきたりと常識離れしているところも。ただ、プレイヤーの武器である鎌が連射ができるうえにホーミング機能が付いていたりと使い勝手がいいものの、近くにいる敵にしか攻撃できなかったりと時には思いのように動けないことも。この辺はプレイヤーの力量が問われるといっても過言ではありませんね。


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ちなみに、このゲームにもお助けアイテムが存在しており、移動スピードが上がったり、分身するといったような有用なものから中には「竹ヤリ」といったような前方にしか攻撃できなくなるというマイナスアイテムも。こういった、マイナスアイテムっていろんなゲームにもあると思うが、これだけ話題になったのは珍しいかも。ただし、得点が倍になるといったメリットもあるのでどちらかといえば取ってはいけないアイテムというよりはハイリスクハイリターンといった感じでしょうか。


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そして、極みつけはというとボーナスステージが仙人から投げるおにぎりおにぎりをキャッチするというもの。しかも、このおにぎり投げはサンソフトの名物となってしまい、その後の作品でおにぎり投げのボーナスステージが登場するものが少なからず存在するとか。


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と言いたいところだが、実は「デットゾーン」でおにぎり投げのボーナスステージが登場していたんですね。こちらは操作するのがキャリーというロボットでおにぎりをすべて取らないと先に進めないというとんでもないものだが、SFの世界におにぎりとはシュールさもありそうかも。それに対して、「いっき」のほうはというと操作するキャラが百姓というだけに違和感がないもののその後のサンソフトに与えた影響は大きいといえます。なお、こちらの方はボーナスステージという位置づけだけど、おにぎりの投げられる場所がランダムということもあり、2人でプレイしないとパーフェクトは難しいみたいです。


そんなわけで、「いっき」を紹介しましたが、一揆は1人や2人でやるものではないということでみうらじゅんさんがクソゲーという烙印を押されてしまったが、一度にたくさん動かそうとすると戦略を要求するようなゲームになってしまうことから1人や2人にしたほうがかえってよかったかも。ちなみに、このゲームはアーケードからの移植作であり、短時間でのプレイが要求される場所でシミュレーションのようなプレイ時間がかかってしまうゲームは不向きかなと思いますね。それを考慮してクソゲーというよりはサンソフトの個性さが発揮されているゲームだといえます。

なお、最後のベストオブクソゲーは「星をみるひと」。あれだけ、酷いRPGをみてしまったら「いっき」なんかかわいいもんかもね。